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「農」と向き合う / 秋田県男鹿半島を冒険して(あいこす太郎)#Season4

こんにちは、あいこす太郎です!innovationGO Season4、第5回目の冒険先は秋田県男鹿半島。今回のテーマは「半島で取り組む農業」です。

U-18は、「やってみたいかも?」をみつけるために全5地域を冒険し、未来をつくるアイデアを考えることに挑みます。

このnoteでは、冒険で出会ったひと・もの・ことや、ワークショップでU-18が考えたアイデアを、わたしの気づきと一緒にまとめてご紹介!


1.どんな地域に行ったのか?

今回訪れたのは秋田県男鹿半島

全国的になまはげが有名で、山と海に囲まれた自然が美しいところです。暖流と寒流が半島にぶつかることで多種多様な魚が取れるため、食の魅力にもあふれています。

一方で人口減少も急速に進んでおり、それに伴う課題が見られます。
しかしそんな男鹿だからできること、男鹿でもできることがあります。

2.どんな人に出会ったのか?

今回の冒険地域を案内してくれるローカル・ナビゲーターは、合同会社秋田里山デザインの大西克直さん。地域で出会ったプレイヤーは、合同会社秋田里山デザイン / 稲とアガベ株式会社の保坂君夏さん。耕作放棄地の復活に取り組んでいます。

耕作放棄地とは、以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を栽培せず、今後数年の間に再び栽培する意思のない土地のことです。

(左が大西さん、右が保坂さん)

秋田県秋田市出身の保坂さん。保坂さんと農業の出会いは高校のとき。オジギソウをおじぎしないようにする研究をきっかけに、農業に興味を持ちはじめました。

そこから農業にのめり込み、秋田の基幹産業でもある農業を学び、秋田について知り尽くしたいという思いから地元秋田の大学に進学しました。

大学では秋田の農業における課題を学んだものの、実際に農作業をしたことがないためあまりその課題を実感できなかったと言います。そこで実際に体験してみたいと思い、自分で農業をすることを決意しました。

そのための土地を探していたところ、男鹿の人から声をかけられたことが、保坂さんが男鹿に住むきっかけとなりました。大学卒業時には就活をせず、興味のあることを好きにやってみたい!と、そのまま農業の道を進むことにしました。

現在は耕作放棄地を自らの手で耕して、その土地でさまざまな野菜を育てたり、日本酒の原料となる酒米を育てているそうです。最近では西洋野菜の栽培にもチャレンジしており、採れた野菜を男鹿にあるレストランで前菜として提供するといった取り組みもしています。

(保坂さんの育てた西洋野菜が使われている前菜)

現在所有している土地はなんと1ヘクタール(バスケットコート約24面分!)。

その半分を畑として、もう半分を酒米を作る田んぼとしています。この土地はもともと耕作放棄地です。保坂さんたちは、クワやスコップを使って人力で耕しているそうです。

木が生えているようなところから、植物を育てられる環境にするというのは想像もできないくらい大変な作業だと思います。それでも続けることができる理由は、周りの農家さんへの感謝の気持ちがカギになっています。

また、男鹿半島は海と山がとても近くにあるのが特徴の一つです。そんな男鹿には農業と漁業を両立している人が多くいるそうです。畑で使う水はそのまま海に流れていくため、漁師の方が水路清掃に来ることもあるそうで、そういった繋がりは男鹿の農業ならではの面白さだとお話ししていました。

(保坂さんが復活させた耕作放棄地)

近年、全国的に農家の高齢化や人手不足が問題となっています。しかし保坂さんは、これを課題として捉えすぎず、むしろそんな高齢の農家さんの力になりたい、そして農家をやめる人の受け皿になりたいと話してくれました。

これからも農業が続いていくように広めていきたいと言います。農業に少しでも興味を持ってくれた人への場づくりとして、ワークショップを行ったり、農業との長期的な繫がりを目指した「食べる森プロジェクト」を計画したりしているそうです。

3.U-18が考えた未来をつくるアイデア!

お二人から伺った地域のことや行っている活動のことを踏まえて、U-18は未来をつくるアイデアを考えるワークショップを行いました。

インタビューを通して、U-18はなににワクワクし、やってみたいかも?と感じたのでしょうか。

今回も2グループに分かれて未来をつくるアイデアを発想しました。アイデア名は「男鹿のじじばば日常チャンネル」「いただきますって何だろう?〜誰かに支えられていることを農から考えよう〜」です。

「中高生の将来の選択肢に農業がある未来」「若者に食や農業を身近に感じてもらう未来」というそれぞれのつくりたい未来からアイデアを考えました。

わたしは「男鹿のじじばば日常チャンネル」のアイデアを考えたチームと一緒にグループワークをしました。SNSで農家さんの日常を動画にして届けるというアイデア。農業をメインにするというよりも、農家さんのキャラクター性を売りにして興味を引くというものです。

自分たち若者と農業との距離感をどうやって埋めるのかという当事者ならではの視点がとてもよかったと思います。

(秋田県男鹿半島にいいね!)

4.わたしが冒険で感じたこと

今回は「半島で取り組む農業」をテーマに、秋田県男鹿半島を冒険しました。

農家の高齢化や人手不足などの課題がある中、それを逆手に取って課題を活かしたチャレンジをしているひとが男鹿にはいました。

農業、農家、農耕、など「農」にずっと向き合いながら、いろいろな視点から見てきた保坂さんのお話は、わたしたち大学生やU-18にとってこれからの生き方のヒントになるような気がします。

また、今回の冒険で保坂さんのお話を聞き、農業と自分の間にあった距離を実感しました。食事をするときに、いつも口にしている野菜が作られている背景を想像して、農業と自分の距離を縮めたいと思いました。

当たり前に囚われない生き方農業に対する新たな視点を知ることができた冒険でした!



あいこす太郎

<この記事を書いた人>
あいこす。青森県中泊町出身。埼玉大学教養学部所属。大学ではヨーロッパ文化を専攻。インターンを通してイノベーションについて学習中。楽器演奏が趣味。最近は専らジャズトランペットに熱中。

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