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その当たり前を疑ってみる/innovationGO from Jissen 2023 中高一貫コース:レポート(あいこす)

こんにちは。i.clubインターン生のあいこすです。

この記事では2023年6月から11月にかけて、東京都にある実践学園にて行われたinnvationGO from Jissenに参加して、私が得た学びについて書きたいと思います。

1.innovationGO from Jissen って?

innovationGO from Jissenとは、実践学園の高校生が「教室から」全国各地とつながり、イノベーションに挑む冒険に出るプログラムです。

プログラムを通じて、「教室」から全国各地のひと・もの・ことに出会い、イノベーションに挑むことで、未来をつくる力を育みます。プログラムは、全国とつながるFIND編と、みつけたアイデアを磨くMAKE編によって構成されています。

今回は、実践学園の中高一貫コースの高校1年生70名が14チームに分かれ、参加しました。

6月と10月にはオリエンテーションが行われ、イノベーションの基礎編としてアイデア発想を練習したほか、全国のひと・もの・こととの出会いを整理するための、グラフィックレコーディングについても学びました。

11月1日に行われたFIND編のフィールドワークでは、丸一日かけ、オンラインで滋賀県長浜市熊本県南関町へ冒険をしました。2つの地域の人から話を聞き、そこから得た気づきや学びをもとにアイデアを考え、中間発表を行いました。

続く11月10日にはMAKE編としてプレゼンテーションの準備を行い、翌日11日に、アイデアを地域に向けてプレゼンテーションしてもらいました。

プレゼンテーションは、予選と決勝を行う形式で実施。全14チームを2グループに分けた予選から始まり、各グループから選出された計4チームが決勝で再度全体に向けてプレゼンテーションを行いました。最後には、地域の人による審査で、優勝チームを決定しました。

地域の案内をしてくださったローカル・ナビゲーターさんに、審査・講評していただきました。

2.アイデア紹介

今回、わたしの印象に残ったチームのアイデアをひとつ紹介します。

決勝に進出したこのチームは、滋賀県長浜市をテーマに、崩れやすい形状の丸いパンでも潰さずに楽しむため、パンに好きな柄を印刷する、人面パンというアイデアを考えていました。

自分たちの好きなアイドルやキャラクターがパンに印刷されていることで、人々はパンが潰れないように大切に運びたくなるのではないか、という価値観の変化に着目していました。

崩れやすいパンの形状を変えるのではなく、パンを運ぶ人々の価値観や行動の変化を促す、斬新なアイデアだと感じました。

3.あいこすにとっての学び

今回私は、アイデア発想のサポートの他に、プレゼンテーションでは決勝に進出するチームの選出にも関わりました。

チームのアイデアを評価し、選出するというこの経験は、イノベーションの作法について改めて考える、よい学びの機会となりました。

プログラムにて用いるイノベーションの評価は「創造力」「構想力」「行動力」の3つが軸となっています。それぞれ、つくりたい未来の設定が新しいか、アイデアは未来をつくる適切な手段になっているか、変化の場面が具体的に確認できているかという観点で評価をします。 

今回、イノベーションの評価をする上で、私が特に大事だと考えたのは創造力の部分、つまり、つくりたい未来の設定です。どうすれば、「新しい」つくりたい未来を設定することができるでしょうか。

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わたしは今回、つくりたい未来の新しさを生み出すためには、今までの価値観を疑う姿勢をもつ必要があると学びました。

さきほど紹介した、パンの事例において、単純に「人々が潰れていないパンを楽しむ未来」であれば、パンが潰れないような形状にしたり、包装を変えるというシンプルな手段も考えられます。

しかし、このチームは、「パンが潰れるのは悲しい。そもそもパンがなぜ潰れてしまうんだろう?」と考えながら、今までの価値観を疑っていきました。そして、実際にパンは潰れやすいかもしれないけれど、潰れにくいその他のものと一緒の運び方では、やはり潰れてしまう。つまり、もっと大切に運べれば潰れずにすむのでは?と考えを深めていきました。

そして最終的には、「人々がパンを大切に運びたくなる」という価値観の変化が大切なのではないかと考え、つくりたい未来を設定しました。このつくりたい未来には、まさに、新しさがあると言えると思います。また、その結果、パンに自分の好きな柄を印刷するというアイデアの新しさにもつながったのではないかと思います。

今回のチームではありませんが、他にも、例えば「そもそも、パンが潰れることって本当に悲しいの?」「なぜ悲しいの?(悲しいことではない、とも考えられるかも?)」など問いを深めて当たり前から抜けだすことで、「人々が潰れたパンも楽しめる未来」など、さまざまな新しいつくりたい未来を設定できるとも思います。

このように、本当にそうなのか?という疑問を常に持ち続け、さらに一歩踏み込んで問いを深めていく。そのことが、新しいつくりたい未来を設定する上で重要になってくると思いました。

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今回のプログラムでは、新しさを感じるつくりたい未来にするためには、当たり前を本当にそうなのか?と疑い、問いを深めていくことが大事である、と学ぶことができました。

今までは評価される側として一緒にアイデアを考えようという立場が多かったですが、これからは、イノベーションの評価の観点を自分も意識しながら、アドバイスをしていきたいと思います。

あいこす

<この記事を書いた人>
あいこす。青森県中泊町出身。埼玉大学教養学部所属。大学ではヨーロッパ文化を専攻。インターンを通してイノベーションについて学習中。楽器演奏が趣味。最近は専らジャズトランペットに熱中。


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