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「なくてもいいけどあったらうれしい」が生活を豊かにする(みや/4)

わたしは現在一人暮らしを始めて4年目です。大学進学をきっかけに、親元を離れて一人暮らしを始めました。

大学に入学してからの2年間は、コロナの影響で大学の授業をほとんどすべて自宅からオンラインで受講していました。大学に通えないので友人も多くはなく、一人暮らしの家で一人で過ごすことが多かったです。

一人暮らしを始めて一番嫌だったことは、ごはんを食べるときに一人で楽しくないことと、帰宅しても家が暗くて寂しいこと。これは一人暮らし経験者なら誰しも感じることかもしれません。

しかし、わたしは家族と初めて離れて暮らす寂しさとコロナ禍で思い描いていた理想とはちがう大学生活を送っていたことで、自分の暮らしにいつも満足できない感覚がありました。

そんなあるとき実家に帰省して気づいたことがあります。

「これいる?あってもなくても変わらないと思うけど…。」と思えるようなものが多いということです。例えば、瓶に入った巣蜜や良い香りのするキャンドル、生花と作りかけのドライフラワー、表紙がきれいな海外の本などです。はちみつなんてなくても料理はできるし、花はすぐ枯れるし、英語の本はどうせ読めないので邪魔になります。

しかし、実家で朝食べた巣蜜が乗った食パンの味は一味違ったし、生花を飾って枯れてきたらドライフラワーにする過程で長く花を楽しむことができたし、ベッドサイドにおいてある本は素敵なインテリアとして機能していました。

専業主婦の母はわたしよりも家で過ごす時間が長いため、自分や家族がいかにくつろげて癒される時間を過ごせるかを考えて家という空間を作り上げてきています。

自分が気に入るものや、なくてもいいけどあったらうれしいものをそろえておくことが、家族が家で過ごす時間を豊かにすることにつながると長年の暮らしから学んできたのだと思います。なるほど、快適で豊かな暮らしをつくるヒントは実家の暮らし方にあったのかと気づきました。

一人暮らしの家に帰ってからは少しづつ自分の好きなものを部屋に増やしてみました。

わたしが選んでみたのは、部屋の風景に色どりを与えるものや普段の家事が少し楽しくなるもの、リラックスする時間を送るためのものです。

まずは生花や気に入る食器類、コーヒーメーカーや入浴剤など、どれもなくても生活には困らないけどあったらなんとなく嬉しくなるものをそろえてみました。生花を買って机においてみると、部屋が明るくなりました。気に入る食器類をそろえると料理がより楽しくなり、満足感がありました。コーヒーメーカーがあると家でも美味しいコーヒーが飲めるのでカフェに行かなくても家でクオリティの高いリラックスタイムを取れるようになりました。入浴剤を買うと、ゆっくり湯船に浸かる習慣が身に付き、寝つきが良くなりました。

色々試してみると、日々の暮らしが潤って、自分の身体と心が整っていく感覚がありました。やはり一人暮らしを初めてからの生活は実家で過ごしていた時よりも余裕がなく、必要最低限のもので暮らしていたためなんとなく物足りない感じがしていたのかもしれません。

最近では、日々の何気ない暮らしをおろそかにせず、自分なりの心地よさを大切にする暮らし方を「丁寧な暮らし」ということもあります。わたしは、この丁寧な暮らしこそが自分の生活においては大切だと気づいたのです。しかも、丁寧な暮らしでそろえるものは、流行りのものや世間の評価が高いことよりも、これ好き!と思える自分が気に入るものを取り揃えることが大事なのだと気づきました。

一人暮らしを始めて4年目になり、わたしの家には自分の機嫌を取れるわたしが好きなものがそろってきました。大学やバイト、遊びで外に出ることも多くなりましたが、家に帰ってくると、自分の大好きな家だという安心感とリラックス感があります。これはわたしにとって、気に入る物で構成された自分の機嫌を取れる自分好みの家だからこそ得られる感覚です。

一人暮らしをしてみて気づいた、わたしなりの暮らしを豊かにするポイントは、「なくてもいいけどあったらうれしい好きなもの」をそろえてみることです。

わたしは今も実家に帰省するたびに、母からいろんなあったらうれしいものを教えてもらったり、実家で試してよかったものを自分でも買ってみたりしています。そして自分が見つけたあったらうれしいものを共有することでまた話がもりあがったり、新しい発見があります。わたしにとっての豊かな暮らしのヒントはいつも実家にある気がします。

わたしはこれからも日々の暮らしをアップデートさせていきたいと思っています。仕事も勉強もとても大事ですが、くつろげる家での暮らしは活動の基盤となる重要な空間です。

日々精力的に活動するために自分に必要なのは、家が自分を整える空間であること、そして、その空間は、「なくてもいいけどあったら嬉しい好きなもの」でつくられるのだとこの4年間で気づき、実践することができました。この自分なりの丁寧な暮らし力がこれからも自分の生活を豊かにしていくポイントになるのではないかと思うのです。

みや

<この記事を書いた人>
みや。兵庫県神戸市出身。岡山大学経済学部経済学科所属。i.clubインターン2期生。大学ではマーケティングを専攻。インターンでは、地域やイノベーションについて学んでいる。最近は丁寧な暮らしの魅力に気づき、自分が感じる”好き”や”心地よさ”を深堀&開拓中。

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