アブダクション

innov. note #3 演繹法、帰納法、アブダクション。

innov. note 第3回目の更新は、感性工学を学ぶ Natsumi がお届けします!

私の所属研究室(信州大学大学院総合理工学研究科繊維学専攻感性工学課程 和田研究室←長い!笑)では、「デザイン」「ものづくり」「感性」「文化」に関連する様々な本が広く推薦図書として置かれています。

その中でも「アブダクション」という本について、以前先輩が書籍発表していたものがとってもわかりやすかったので、イラストに描いてまとめてみました。

まず「演繹法」。

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すでにある事実や規則から、結果を導き出す方法です。例えるならば、規則をきっちり守るまじめくん。

次に「帰納法」。

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事例をたくさん集めて一般化する方法です。例えるならば、うわさ好きのギャル。

ここで、アメリカの論理学者であるチャールズ・パースは、これら2つでは表せない論理的思考法があることに気づきました。

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このように、演繹法と帰納法では表せない時に登場するのが「アブダクション」です。

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アブダクションとは、「驚くべき事実Bが観察される。しかしもしAが真であれば、Bは当然の事柄だろう。よってAが真であると考えるべき理由がある。」という風に、驚くべき事実から仮説を立て、仮説を検証することによって規則を導き出す方法です。例えるならば、観察から気づきを得て推理する、探偵でしょうか。

アブダクションのポイントは、「気づき」と「仮説」にあります。

当たり前の日常から、「気づき」を得ること、そして自分なりの「仮説」や「問い」を立てることの大切さを改めて学びました。(研究室では仮説が大切だと散々言われていますが、本当にその通りだなと実感しました…)

それに関連し、好きなTEDtalkを紹介します。iPodの製品開発の中心にいたTony Fadellの”The First Secret Of Design Is… Noticing”です。デザイン最大の秘密は気づきにあると言っています。

日々の生活の中で、誰もが見過ごしてしまうような小さな「気づき」や「違和感」から新しいものは生まれると思っています。特に私は、人の小さな心/感性の動きに着目して、”見えない価値を見える化”することのできるデザイナーになりたいです。

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参考図書:アブダクション 米盛裕二著

innov.
Natsumi Kato


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