『海賊の時間』2024版 ゲネプロレポート
こんにちは!イン・ノート演出助手の寺腰です。
本日より3日間、駅前劇場で上演される劇団イン・ノート第10回本公演『海賊の時間2024』の稽古場をレポートしていくこの企画。
今回はいよいよゲネプロに密着していきます。
ちなみに、物語の核心に触れるようなネタバレはございません!ですのでこれからお越しになる方、あるいは行こうかどうか迷っていらっしゃる方、安心してご覧ください!
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8月16日 ゲネプロ、本番初日
いよいよ、『海賊の時間2024』が初日を迎えます。とはいえ、役者の方々から大きな緊張は感じられません。むしろいつもの稽古場のように和気藹々としており、小屋の雰囲気はとても穏やかです。
しかし13時半、ゲネプロが始まると皆さんの表情が変わりました。本番前最後の通しということもあり、一気に顔が引き締まる役者たち。
ちなみにこの舞台、開場から開演までにとある「仕掛け」が施されています。まるで観客も彼らと一緒に航海をしている気分になれる、テーマパークのような演出。
世界観の構築のためにここまでするのか!という驚きと感動、そして脚演のれいちさんの強いこだわりを感じられます。
生ものであるという演劇の強みを最大限活かした演出、なのですが......これは聞いてしまうと驚きが半減してしまうかと思います。
「仕掛け」についてはぜひ、皆様自身の目でお確かめください。
やがて明かりが消え、物語はオープニングへ。
「嵐だーーー!嵐が来たぞーーー!!!」
通しで何度も観てきた場面ですが、照明や音響が入るとその印象は大きく変わります。
ほとんどモノがないながらも、雷や荒れ狂う海が見えるかのような白熱のシーン。緊迫した音楽も相まって、思わずこちらも手に汗を握ります。
最小限のもので最大限の効果を発揮する演出は、さすが劇団イン・ノートというべきですね。
本編中では、他にも面白い演出が大小さまざまに繰り広げられます。
役者の銃撃に連動する照明や、水のない中で溺れる役者、極限までリアルな音響効果など......
パッと聞いただけではなんのことやらという感じでしょうが、いざ観てみるとその意味が全てわかります。
また、衣装も汚しが入ってより一層リアリティのあるものに。相当の煤汚れ、どれだけの時間をかけて汚したのだろうと思いきや、なんと1日で仕上げたとのこと!!
衣装プランの打木啓太さんによると、鉄粉、そしてセイヨウアカネという2種類の素材を使うだけで年季の入った汚れを演出できるそうです、が......これは実際に舞台で観てみても、1日で汚したとは信じられないかも。それほどの汚れです。
ファンタジックでありながらリアルな海賊の衣装、こちらも今回の見どころですね。
そして、今回は美術の作りも面白い点。舞台を向かい合う二方向の客席によって挟む、いわゆる「囲み舞台」です。
長方形の舞台面はちょうど物語の拠点となる海賊船、ブラック・バード号の船体と重なり、まるで海賊船を間近で観ているかのような興奮を味わえます。
何より、役者と肉薄する瞬間が多いのが驚くポイント。あくまで安全な距離は保った上で、彼らの表情を至近距離で観られます。
見せ場でない、無言にならざるをえない場面でも役者の皆さまは常にキャラクターとして動いています。
肉薄した距離で行われる、登場人物の細かい演技に着目してみるのも面白いかもしれません。
大きなうねりと渦の中、やがて物語は終わりを迎えます。海賊たちは会議の果てに、いったいどんな結論を出すのでしょうか。
『海賊の時間2024』、本日より開幕です。
まだ少しですがお席ございます。皆様のご来場をお待ちしております!
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