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無色透明な自分。染まらない覚悟。

「一貫性がないことがトミーの一貫性だよ。」親友で、僕が世界一のコーチだと思っているある男に、昔こう言われたことがある。

当時は、わかりやすく一貫性をもって生きている人に嫉妬していたし、自分の一貫性のない行動の先にあるものを信じきれていなかったから、この言葉には、かなり救われた。

昨日はこれをやるって言ったのに、明日は、やっぱりこれをやると言う。それを朝令暮改というけど、〝根っこにゆずれない何か〟があるうえで、やることをコロコロ変えるそれはなんと呼ぶんだろう?おれはそれなんだけどな、って思ってた。

何かに染まらないことには、それなりに覚悟がいる。染まれば安定した生活が約束されているけど、それをやると未来が暗くなるから染まらない、そんな覚悟。染まれば比較的簡単に影響力がついて人気者になれる、表面上は成功者として崇め奉られる。でも、染まらなければ自分の根っこの思いを実現するのに、10年はかかるかもしれない。いや、15年、20年かもしれないし、叶うかどうかすらもわからない。でも染まらないで後者を選択する、そんな覚悟だ。

僕が染まらないでおこうって思い続けてきたのは「作為的なトレンド」だった。わかりやすくいえばアパレルの仕掛ける側のトレンド、SNSで過激な発言をしてバズらせる手法、特定の教祖みたいなインフルエンサーが発信する世界観などだ。これらには作為的で人為的なエネルギーを感じるから、違うとはわかっているけど、弱っている時にはすがりたくなる。

そんな自分の弱さをわかっているから、そんなときは自分の内側と「本当はどうしたい?」をテーマに対話する。外側では、繊細な自分が反応する美しく生きる人を見て、綺麗な言葉を読む。純粋なもので、作為的なトレンドを取り囲むイメージ。そうするとオセロのように、それらは黒から白に変わって自分の内側の世界から消えていくんだ。

昨日、3時間くらい、ある女性と話をしていた。彼女は染まらない女性だった。そして自分が染まりやすいことも自覚しているから、対策も打っている、かしこくてつよい女性だった。

起業して1年も経ってないのに彼女は最速で成功していた。ラッキーではなくそれまで培った経験、準備が花開いた。見えるものよりも、見えないものの準備は、本当に大切だってことを、彼女を通じて改めて学ばせてもらった。

染まらないで生きてきたから、染めようとコントロールしてくる人のエネルギーは瞬時に感じる。その時に、「染まっちまえば楽になるのに・・・」って声が聞こえてくるけれど、染まらないを10年以上貫いた今ではそんな声はほとんど聞こえない。

「まあ、染まったほうが楽だけどね。でもお前には何言っても無駄だから、好きにしな」そんな風に言う、自分の内側の、おれを染まらせたかったもうひとりの自分とは今では親友だ。

作為的なトレンドに染まらないからこそ、自然なトレンドにはいつでも染まってやると決めている。自然なトレンドは自分の内側の思いと、この世界(外側の世界)で起きていることがリンクしていること。それは、自然を守ること、個のチカラが組織のチカラを超えること、女性がより輝くこと、それにつられて勝手に男は輝いて、子ども(未来)がHappyになることだ。

一貫性のないおれが根っこで思い続けてきたのは、女性支援と子どもたちの未来。起業する12年以上前、一人で沖縄に行って国際通りのTシャツ屋で「Woman Follows」ってTシャツをつくって勝手に女性支援をはじめた。最初の一歩は、モテない男にモテる方法を教えることだった。具体的には、モテる方法を教材化して売った。売れたけど、女性を応援するために男を変えるは回り道すぎて意味がないと思って、半年経たずにやめた。

あの頃から思いは一切変わってないし、女性支援なんていいながら、1割応援したら逆に9割女性に助けられるような人生を繰り返してきたけど、追い込まれた地球、狙われ続けた日本の精神性が臨界点に達したことで、女性が輝く世界が必要だってことを、気づかざるをえなくなった。闘ってる場合じゃないと、人間同士でぴーぴーケンカしてる場合じゃないと。思想をぶつけあってる暇はないと、旧体制の資本主義でしのぎを削ってる場合じゃないと。

女性の時代だと、女性性の時代だと、みんな気づいた。それが自然のトレンドだ。風がびゅんびゅん吹いている、風の声が聴こえまくっている。

無色透明でいることが大切だと思っていた。でも何かを発するときはそこに存在しなければならないから、どうせなら白でいようと思って生きてきた。白でいれば自分の世界にいろんな色を受け入れることができると思っていた。それが僕にとってプロデューサーという天職(天色)につながった。

染まらなかったのは、自分が染まりたい場所を探していたからだ。〝染まらない強さ〟と〝簡単に染まる軽さ〟は同じなんだ。

これだと決めたものには染まればいい。大切なのは頭で決めるのではなく、魂で決めることだ。

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