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保育園と幼稚園どっちに預けるのがいいのか悩む方に伝えたいこと

こんにちは。静岡県島田市で地域連携型学童保育施設をこれから作るために、準備中のたなかです。

4月に受験する国家資格「保育士」試験の勉強を進める中で、心が救われた知識があったのでシャアしたいと思います。おっと、シャアではなくシェアでした。

すでに保育園や幼稚園にお子さんを預けている方、これから預ける方にとっても以外と知らない知識かもしれません。

シャア専用ザクで検索してでてきた画像です。ごめんなさい、ガンダム、全然詳しくない。

【結論】保育園でも幼稚園でもどちらに入れても大丈夫


もちろん認定こども園に入れても大丈夫です。どういうことかというと、まずは、こんなイメージをお持ちの方はいますでしょうか。

「保育園→厚生労働省の管轄→保育が主目的
「幼稚園→文部科学省の管轄→教育が主目的

これは決して間違いではありません。私自身、幼いころは幼稚園に通っていましたし、子どもを産んで保育園に預けている間もそう思ったまま何年も過ぎてきました。しかし、幼児教育についての歴史や、”幼児期の終わりまでに育ってほしい姿”について学んでいくと、太字の主目的の見解には誤解があることがわかりました。

1.保育園でも教育がされている

現在、保育園では「保育所保育指針」、幼稚園では「幼稚園教育要領」がそれぞれ現場のガイドラインとして国で標準化されています。

1948年 文部省(現在の文科省)が「保育要領」を刊行
内容:幼稚園が念頭に置かれているが、保育所の保母や一般の母親たちに対しても幼児教育の参考になるように編集されている

1956年 「保育要領」が改訂され「幼稚園教育要領」が刊行

幼稚園について「教育」という言葉を使い始めたのは1950年頃。それまでは、幼稚園でも”保育”という言葉を使っていました。しかし、戦後保育所が目覚ましく発展し、幼稚園の特徴を”保育”という言葉では強く感じられなくなってきました。そこで文部省は”教育”という言葉を使うようになったのです。違いが強調される一方で、幼稚園と保育園の一元化を検討する動きもありました。これに対して下記の動きがとられました。

1963年 文部省と厚生省が「幼稚園と保育所との関係について」という合同分を通達
内容:保育所の機能のうち、教育に関わるものは、「幼稚園教育要領」に準ずることが望ましい、と確認された。

1965年 厚生省家庭局が「保育所保育指針」を作成
出典:幼児教育の歴史について抜粋 四谷学院通信講座「保育士試験対策講座」参考書


つまり何が言いたいかというと、省庁の違いはあれ、幼稚園で行われる教育は保育園でも実施されているのです。幼児期の教育といえば幼稚園のイメージが一般的ですが、下記を見てください。

”保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とするものである”
出典:保育所保育指針 第1章総則より

安心してください、入ってます「教育」!
保育所(保育園)にも!!

幼稚園では子供を預かっている4時間が教育の時間、保育園でも保育時間8時間のうち4時間は教育の時間とされているのです。
同じ時間の長さです!!!

幼稚園は勉強をやってくれるけど、保育園は預かりだけでただただ子どもを遊ばせているだけなんじゃ。。。というのは大きな誤解です。でも、私はそいういうイメージをずっと持って過ごしてきて、保育園に通わせている自分の子どもに対して、「母親が働きたい、という理由で保育園に通わせてしまっている」という、罪悪感のようなものを抱えていました。幼稚園ママに対する劣等感だったかもしれません。

長年、なぞの呪縛を自分にかけていましたがそれは全くの思い込みでした。気づけて良かった。知れてよかった。ありがとう、試験勉強!!

幼稚園も保育園も「教育」時間は4時間設けられています!
画像は安村さんのLINEスタンプ

2.幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものとして下記の10点が保育所保育指針のなかに示されています。

ア 健康な心と体
イ 自立心
ウ 共同性
エ 道徳性・規範意識の芽生え
オ 社会生活との関わり
カ 思考力の芽生え
キ 自然との関わり・生命尊重
ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
ケ 言葉による伝え合い
コ 豊かな感性と表現
出典:幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
(保育所保育指針,幼稚園教育要領,幼保連携型認定こども園 教育・保育要領)

さくっと出典に記載しましたが、「幼稚園教育要領」でもこの10項目が「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として、バチバチに記載があります。詳しい内容についての文言は全く一緒です。そしてもちろん、こども園の根拠法にあたる「幼保連携型認定こども園 教育・保育要領」でも全く同じ文言が記載され、目標とされているのです。

どうですか?
保育園でも、幼稚園でも、こども園でも、同じ目標が掲げられているんです。

大丈夫。保育園でも、幼稚園でも、こども園でも、先生たちは間違いなくお子さんを成長に導いてくれます。安心してください。

ここまで読んでいただいた方で、「え?じゃあ勉強って何?」と感じた方、いらっしゃるかもしれません。

保育園でも教育をしてくれることは分かった。
でも、幼児期の終わりまでに育っていてほしい姿の中には「文字が読み書きできる」とか「算数ができる」とか、そういう具体的な教育の結果がないのではないかと。

最後に、ついでに知っていてほしいことについても少し触れたいと思います。

けんか遊びが大好きだったりしますよね~!

遊びや生活体験が子どもにとって最大の学び


私が目指す学童の姿として、子どもの「非認知能力」を高める場でありたいと思っています。

非認知能力とは…主体性、柔軟性、想像力、自制心、自己肯定感、自身、回復力、やり抜く力、社会性、共同性や共感力の総称
出典:ボーク重子「非認知能力の育て方」(一部略)

その参考としてボーク重子さんの著書を読んでいます。その中にある一部をご紹介したいです。

1967年にデビット・ウエイカート教授らは、ミシガン州の貧困地域で3つのグループの子どもたちの遊びと学習達成度の関連を調査しました。1つ目は「遊び中心」の伝統的な保育園、2つ目は「大人も少し介入する保育園」、3つ目はワークシートやテストで早期教育を行う「知識中心」の保育園。さらに家庭ども保育園と同じような姿勢で接するように親を指導して、その後の学習達成度を調査しています。

その結果は、3つ目の「知識中心」の保育園の子ども達が最初こそ優位だったものの、すぐにその他の2つのグループとの差はなくなったというのです。

また、15歳時、23歳時まで追跡調査をしたところ、「知識中心」グループの人が23歳時までに犯罪者になった確率は39%もあり、3分の1以上の人が犯罪者になっているのです。これは、ほかの2グループの平均値13.5%に対して、約3倍も多い数値でした。

脳科学分野の研究においても、幼児期に十分に遊ぶことなく早期教育で知識偏重になった子ども達は、早い時期に学習意欲をなくしやすいとか、精神的に不安定になりやすいなどの研究結果があります。
出典:ボーク重子「非認知能力の育て方」(一部略)

この内容を知って、あなたはどう感じましたか。

私自身かつては、子供のために「早め早め」でいろいろなことを教えた方がいいのではないかと思い込んでいました。しかし色々学んでいく中でその考えは子供のためのようでいて、親(自分)自身の見栄や弱さだったのかなと気づきました。

子どもにとっての遊びや生活体験のすべてが学びで、それらを通して言葉や数の数え方、人との接し方を学んでいくのです。ボーク重子さんの言葉を借りますが、親の重要な仕事は、子どもが好きなもの、夢中になれるもの、心から楽しいと思えるものを見つけ、サポートすること。

小学校に入れば、否が応でも、文字の書き方や計算の仕方を習います。
だから大丈夫、安心してください。

保育園でも幼稚園でも、子どもが思い切り遊べる場所にお子さんを預けてください!!

マスコミ等では日本の社会保障についてマイナスな報道が目につきますが、学べば学ぶほど、日本の社会福祉はしっかりしているなと感じることの方が多いです。日本に生まれてよかった。日本で子育てができてよかった。そんな社会を目指します。

ではまた!


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