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落下羊日和 10

Fallsheeps 1st Mini Album "Aid"を振り返るインタビュー Vol.8
Gt / Vo 川口淳太

(上田)6曲のインタビューが終わると思いきや、今回収録されなかった「Lag」について聞いてみます。今後Lagはどうしていきたいですか?

(淳太)当時パッケージしてればよかったんですけど、今は気持ちが変わってるので、歌詞を書き直してかなぁ...というかんじです。

いつきとよしかにインタビューしたときはLagやりたいって言ってたよ。

当時の青さ全開でやってみてもいいのかもなぁ 笑 歌詞の内容も女々しいし、笑っちゃうぐらいシリアスだし、メンバー2人の激プッシュがないかぎり、どちらかというと今は新曲のほうをやりたいですね 笑

では次回作について意気込みなどを。

今作ってる曲は社会問題に目を向け始めた部分があって、10代の子達の不幸せそうな部分や、有名人が亡くなったりとか、そういうことに対しての疑問について歌ったことが増えてきた気がします。反対に、自分に対して片付けられない感情が良くも悪くも減ってきて、歌詞に昇華しなくても、自分の中で片付けられちゃうようになりました。そういう時に、どうしても自分の中で片付けられない部分、国家権力とか社会に対する不満や「こうしたほうがいいよ」と思うこととか、あとは生活のことについて歌いたいなと考えてます。

生活っていうのはまた別のベクトルだね。

「洗濯物を干してる時に空がめっちゃ綺麗だと思った」みたいな人間的で叙情を感じるようなことをパッケージングしたいです。歌詞の聞いた時に情景が浮かぶような内容だったり、リスナーのタイミングやシーンに感情がバチッとハマるものというか。音楽的なところで言えば、唯一無二なオリジテリティをもっと追求したいですね。Aidが洋楽、インディーロック、エモ、オルタナの要素を詰め合わせたものだったので、次は洋楽・邦楽とかいう観念じゃなくて、もっと自由に音を選んで、ウネウネさせようかなと思ってます 笑

個人的には次かその次の作品ぐらいでFallsheepsというジャンルが確立するな、と思ってます。

先日リリースしたシングル、Central Daysはオリジナリティーの面でいいところまでいけたなと思います。似てるバンド、知ってたら教えてください、ぐらいな 笑 Aidはベースになったり、影響を受けた曲が全曲あったんですけど、Central Daysに関してはこれっていうリファレンスがないですね。ただ適当に弾いてたら出来たみたいなかんじだったので 笑

デモが送られてきたときは今までの曲と違う方向性だったからちょっと驚いたな。

最初あんまり良い曲だとは思わなかったんですよ。変な曲出来たな、と思って。彦(Made in Me.)に聴いてもらったら「え、いいやん!」てリアクションがあったので、自分の印象と逆だったんですけど、平日スタイルと同じ感覚ですね。最初、平日スタイルも出来た時に良い曲だと思ってなかったんで。

逆に最初「?」ってなる曲のほうが名曲になる説あるかもね。

だから出来上がった時に「?」ってなる曲を作るのが、良いことだと思います。

自分の価値観の外にあるものって違和感を感じるじゃん?ただ、第三者がそれを「良い」と認識すれば客観的に良い作品だと思う。自分の「良い」と思ってる範疇を超えて、価値観の外にある要素で音楽を作れるのはすごいよ。

だから、自分でもよく分からないことを毎曲毎曲やっていくと 笑 でもシンプルに「良いな」て思える曲も作りたくて。

次のアルバムでは、「わけわからん曲」と「良い曲」のバランスは今後一緒に見極めて詰めていきたいね。

そうですね。去年はMade in Me.やSANAGARAの活動が忙しかったので、今年はFallsheepsに時間を使って、曲もたくさん書きたいですね。実は弾き語りレベルで作ってる曲が4曲ぐらいあるんですけど... まだ「良いな」と思えるレベルに達してなくて。でも、聴いてもらって「良いやん」って思ってくれたら仕上げたいです。

じゃあ送ってください 笑 

送ります 笑 (ボイスメモの弾き語り音源を聴かせてもらう)

十分良いでしょ。5-10秒聴いただけだけど、climb the mindを感じたよ 笑 アコースティックで出来る曲がバンド編成になるのはすごくありだし、曲自体の力が強くないとアコースティックって成立しないからね。

めっちゃ分かります 笑 Fallsheepsの曲を弾き語りやると、秒針とメノウが一番しっくりくるんですよ。そういう曲をいっぱい書きたいですね。

究極の引き算をしてる曲ってかっこいいもんな。瑛人の「香水」もそうだし、Billie Eilishの「Bad Guy」も究極の引き算で出来てる。もちろんCentral Daysのように各楽器が絡み合って出来てる曲も入れつつ、無駄な部分を削ぎ落としたシンプルな曲を次回作はパッケージしたい。

確かに... うわー面白そうだな!あとは、今自分が住んでる環境、Made in Me.やSANAGARAクルーの仲間たちから受ける刺激をFallsheepsにも持っていっていけたら、もっと面白くなりそうですね。

次回作について話が十分聞けたところで、今後の活動の展望について聞こうかな。3年後どうなっていたい?

僕がこのバンドを組んだ最大の目標は「死ぬまでやる」なんで、それさえ達成できてればOKかなと。欲を言えばやりたいことはいっぱいあるんですけど、最低ラインはメンバーが変わらずバンドを続けるっていうのが目標です。前のバンドが解散した時に「次は解散しないバンドをやろう」と思って始めたので。前のバンドはギターだったから、そのポジションだと音楽性だったりバンドに対する考え方がボーカルと合わないと解散って流れになりやすいじゃないですか。てなると、自分がボーカルをやるしかなかったんですよ。

元々ボーカルじゃなかったのに、Fallsheepsでボーカルをやった理由がそこだったんだ 笑 最近のライブの映像見返したけど、ピッチ(音程)よくなったよね。

最近歌が好きになったんですよ。楽しくてしょうがないですね。最初、本当はよしかに歌ってもらおうかなって考えてたりもしたんですが、そうすると、よしかがバンドの顔になっちゃうので、自分が全責任を負わねばと思い、ボーカルをやることにしました。ギターボーカルをやることについてはギリギリまで悩みました。最近は自分の歌が好きになれてきましたが、最初の頃は当時のライブ映像とか見たくないぐらい酷いですね 笑

なるほど。歌はやればやるほど、上手くなるからね。あとは、バンド以外のソロ活動が、良い刺激になって上手くなったりするし。レッチリのジョン・フルシアンテもそうだけど。

それはありますね。SANAGARAまわりはでは僕のことを「ビートメイカー」という認識で、歌う人っていうふうに認知されてなかったし、歌うことにも意欲的ではなかったんですけど、航佑(JAILYOUNG)やトモヤ(DETOX)から歌ってよ、て言われて歌ったら評価が良くて。それから歌うことに対して積極的になれたと思います 笑

淳太がビートメイクと歌ってる曲「火灯し頃」もいいよね。実はけっこう好きでチェックしてます。ボーカルとして技術よりも声のキャッチーさが増してると思う。良いクセがね。

僕の声って変わってますからね 笑 自分の声ってそんなに好きではないんですけど、そのキモい部分を出せば出すほど、まわりの評価が高くなったので、結局キモくなればなるほど、カッコよくなると気づいた節はあります。なるべくキモい部分を出していこうと思います。

そういうところでは、いつきももっとキモさを出してほしいな 笑 普段すげーキモいことをしてるのに、余裕がないから、ライブ中にそれを出せてない 笑

まぁ素の部分ですよね。どれだけ普段と近い状態でライブができるか、というか。僕自身、最近のライブは自分が素の状態でライブが出来る様になって、MCとかもいつものテンションで喋れて。ちょっと前までは「カッコつけよう」ていう意識はあったんですけど、変わったんですよね。家にいる自分と変わらずに、ステージにいたほうがカッコいいなと思うようになりました。だから日常生活がカッコよくなきゃなと。日常生活が破天荒なやつはライブも破天荒なほうがいいし、真面目なやつは、真面目なままステージにいてほしいです 笑

それはレーベルのバンドメンバー全員にも共有したい大事なことだなー。長くなりましたが、以上で終わります!ありがとうございました!

ありがとうございました!

(完)


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