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落下羊日和 5

Fallsheeps 1st Mini Album "Aid"を振り返るインタビュー Vol.2
Dr / Cho Itsuki Kun

(上田)「Uncertain」についてはどう?

(Itsuki Kun)一番最初に淳太と一緒に作った曲で、Now,Nowっていうバンドの曲から影響を受けてます。淳太と2人で衣笠のバックビートっていうスタジオに行って、そこで基本のリズムパターンを作って、そのあとは淳太が打ち込みでアレンジを仕上げました。そのアレンジしたリズムパターンについていくのが精一杯でした。バンドのことになると淳太は怖いので、ガタガタ震えながらやってましたね(笑)。最初に出来た曲なので、上田さんがサポートに参加する前、レイラの太樹君にサポートしてもらった頃、新宿でスタジオライブやった時とか、オリーブで企画した時とかにやってました。最近やらなくなりましたね。

そうだね。最近ライブでやらなくなったね。

初期衝動感というか、曲が若いというか。

昔の曲って聴いてると「曲が幼ねーな」って感じる時あるよな(笑)。でもこの曲は定番曲っていうよりは、たまにやったら盛り上がる曲なのかなーと思う。お客さんからしたら新鮮なかんじ。将来的に。

「あのバンドの1stの曲、めっちゃ好きなのにあまりやらないー」みたいな曲をやっちゃう、てことが出来たらいいですね。

続いて「平日スタイル」。

そうですね...親平さん(かぼちゃ屋PA)に「コール」で評価をつけられる曲ですね...。

え、どういうこと(笑)?

最初に叫ぶ「1・2・3・4」の勢いがあるかどうかで、その日の全体的なライブの評価を親平さんに付けられるっていう。ドラムの出来とか抜きにして(笑)。多分ドラムよりも気持ちをみてくれているんだと思います。あと、演奏してて楽しいし、お客さんも楽しんでくれる曲ですよね。ダンスビートだし「YEAH!」ってかんじの曲じゃないですか。タイトルは紆余曲折したようにみえて、実は「平日スタイル」っていう案しか出てきませんでした。

他に候補なかったんだ。

最初からしっくり来てはいましたけど(笑)。なんだっけな、ざわちんのインスタの投稿みて、その中からランダムで言葉出して決めようっていう流れで、よしかさんが「平日スタイル?」って言ったら俺と淳太でウケちゃって(笑)。

なるほど。初めて「平日スタイル」ってタイトルを聞いた時、これはよしかが付けたな、とは思ってた(笑)。

付けた...というか運命ですねよね。この言葉を見つちゃったのって(笑)。

結果的にこれは漢字とカタカナ表記で良かったと思う。英語でHEIJITSU STYLEとかなってたら、死ぬほどだせーなっていう(笑)。今の表記ってちょっと硬派じゃん?曲調はパーティー系だけど、淡々と同じビートが繰り返されてるし、その辺も硬派だよね。

一周まわってカタいっていう。ドラムもタイトだし、パーティー系4つ打ちというよりも、オルタナ系の人が頑張って4つ打ちしてるイメージです。(カタい=バンド内で流行ってる褒め言葉、渋い・クールなどと同義)

それがもっと上にいくとBattlesみたいなストイックなかんじになるかもね。すごく鋭角でソリッドなビートになりそう。

そこを目指したいですね(笑)。

平日スタイルは最終的にはBattlesみたいになったら面白いかな。シンセも入ってるし(笑)。

そういえば、かぼちゃ屋でライブするとシンセ繋いでもらえるかどうか問題ってありますね。俺がセット図提出する時に、毎回親平さんに詰められるのが定番のネタになってます。「え?シンセ繋ぐの?分かった!でも鳴るかは分からない!出せないかもしれない!」っていうネタが(笑)。

あれ面白いよね。シンセ弾くの俺なのに、いつきが詰められるっていう(笑)。んで次、「空音を鳴らして」。

んー...カタいですよね... 叩いてて、カタいなぁ...って印象はありますよね。

それは身体がほぐれてないとかフィジカル的な「堅さ」?それとも褒め言葉のほうの意味合い?

どっちもですね。ちょっと「...う!」ってなっちゃう曲ではあります。緊張しちゃうんですかね。岡崎体育のファンクラブで金を取るって炎上した時に「なんだこれ!」って気持ちで出来た曲です。それを曲に込めたからなのか「怒り」が伝わる曲ですね... あれ岡崎体育だったかな?

曲が出来た背景については今度お兄ちゃん(淳太)に聞いてみるわ。

付け入る隙がなくて、刺々しているなっていう印象の曲でもあります。音も構成も各楽器のフレーズも、シンプルで初期衝動的な刺々しさがあるっていう。ドラム叩きながら後ろから見てても、楽しいっていう気持ちよりかは「なにかと闘っている」っていうイメージがあります。

そうだね。俺もあのリフは全部ダウンピッキングで弾いてるから自分と闘ってる。あと、淳太はあのリフを最初オルタネイトで弾いてたんだけど、俺が「全部ダウンで弾こう」って提案したのを覚えてる。あれは全部ダウンで弾いたほうが「殺意」みたいな刺々しさが乗っかると思って。

それから「ウォー!」ってかんじの勢いは増しましたよね(笑)。

レコーディング前のアレンジって、一番最後にアルペジオのパートがあったよね?

あったなぁ...。1回目のCCYまでくらいは、そのフレーズ生きてましたけど。でもスタジオで「ちょっと蛇足だよね」ってなって削っちゃいました(笑)。

じゃあ次は「メノウ」について。レーベルのコンピレーションの収録で書き下ろしてもらった曲だけど、最初から良い曲だなと思ってた。

あれ結構キツキツで作ったんですよ。曲がなかなか作れない時期があって、ボツだらけで... それでやり方を変えて、ドラムのビートから曲を作ってみたんです。自分がイントロのパターンを作って、ちょっと変なコード進行がのるかんじで。スタジオで合わせてた時はしっくりこなかったんですけど、家で淳太がアレンジを詰めたら、そこからめっちゃ良くなりましたね。コンピの音源はドラム打ち込みなんですけど、アルバム用に再録するってなった時どうなるかなって思ってました。でも、結果として自分たちのプレイスタイルや身の丈に合わせて「進化してきたな」っていう感触があります。

そうだね。レコーディングもミックスも俺がやらせてもらったけど、ソリッドな音じゃなくて、ドラムだったらジャズドラムのような小口径の「トーンッ」っていうニュアンスや空気感で録る意識でした。キックにもコンデンサーマイクたてて、低音のふくよかな部分を狙ったり。あと、この曲はライブでやっててどう?

一番楽しいですね。コーラスやる箇所も多いのと、ギターのアルペジオの部分から16分でハイハットを刻むんですけど、身体が自然と左向きになっちゃうので、直道くん問題もありますが(笑)。

それはいつきと直道の友情だよね(笑)。

いやー、あれはけっこう戦いなんだよなぁ... メノウと秒針は勝負ですね...。何回かそのせいでミスってるんですよねライブ中(笑)。戦いだ...。かぼちゃ屋出る前はPAって遠くのほうにいて、演者に無干渉なイメージあったんですけど、グイグイ来るっていうのをメノウと秒針で学びました(笑)。油断しちゃいかん、ということですね。

押忍。今作に収録されたなかったけど「Lag」なんだけど、前にスタジオオリーブでライブを観た時、ラストのキック連打がすげーパワフルで印象的だったな。

あの頃はゆうや君(Haikiのドラム)とよく一緒にいたんですよ。その影響が強くて。ゆうや君に憧れてパワー系のドラム目指してたんですけど、格が違いすぎて...(笑)。足の太さが尋常じゃないんですよ。俺の1.3倍はあります。で、繰り出す音量も3倍ぐらいあって、そんなことから「俺はゆうや君には勝てねぇ...」という結論に至るのがLagです(笑)。ゆうや君がライブでLagを観た時に「あれ最後もっといけるね」って言われたのを覚えてます。「そっすよねー」って(笑)。

なるほど。ゆうやに憧れたんだけど、なれなかったっていう曲なんだね(笑)。

けっこうフレーズも最初から最後までゆうや君意識してました。あと最初のコーラスがけっこう高くて裏声ミスったりもしてました。

それで兄ちゃん(淳太)に怒らたりとか?

いや、歌に関しては淳太自身も苦手だからあまり注意されません(笑)。曲としては風景からインスピレーションを得て作ろうってなって、ヴェネチアかどっかの夕陽の写真をみたよしかさんが「ここで死にたいんですよねー」って話から深く掘り下げて、夕陽とか海の雰囲気とかを詰めました。そういうイメージを忠実にできた感触はあります。あと、アウトロがバカ長いです(笑)。YoutubeにCCYのライブ動画が残ってますね。この時はレイラの太樹君がサポートしてくれてます。

初期の良さが詰まってる!(笑)結局なんでアルバムに入らなかったんだっけ?

エモいかんじがちょっと恥ずかしくなってしまいまして... 淳太と2人で話してて「なんか恥ずかしいよね?」「わかるー」みたいな。それで外れました。

じゃあ最後に次回作への意気込みを。

ドラムについて、もっと詰められるところがあって、技術的なところはもちろんですけど、フレーズにしっかりと「意味」をつけていく作業をしてなかったなっていう反省があるので、次回はひとつひとつの音に意味を持たせられるようにしたいです。そのニュアンスがちゃんと人に伝わるようにクオリティーを上げていきたいと思ってます。淳太が作って発信するメッセージがあって、それを人に伝えられるように表現できればと。いろんな表現に挑戦していきたいです。

(vol.3へ続く)


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