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落下羊日和 3

2020年6月2日

Fallsheeps ギター・ボーカルの淳太から「自室(作業部屋)をインスタ映え空間にしてーす」という依頼のもと、インテリアコーディネイトを手伝うことになった。

空間をきれいに整えるのは得意だったりする。というのは、もともと自分はレーベルやレコーディングエンジニアの仕事を始める前、住宅のプランニングや水まわりの住宅設備を扱う仕事をしていた。様々な住宅のプランニングに携わる機会が多かったので、どこをどういうふうに整えれば、快適な空間になるか、というのは人より知っているほうだ。

少し話は変わるが、昨今のレコーディングスタジオも「インスタ映え」を意識している、という内容をどこかのネットの記事で読んだのだ。たしかに海外レコスタのインスタアカウントをチェックすると、大きな植物が置いてあったり、インテリアや照明がオシャレだったり、「イケてる感」を演出している。

というのは、レコスタに来るアーティストがそこで写真を撮ってSNSにアップすれば、広告効果としてはかなり大きい。「俺たちはこのイケてるスタジオでグレイトなミュージックを最高のブラザーたちとクリエイトしてるんだぜ!HAHAHAHA!」という投稿もチラホラ見かける。

フリーランスで音楽を制作する自分や淳太も、例によってアーティストやバンドに「ここで音楽を作っている」と発信してしてもらえるイケてる空間を作ることが、新しい仕事や成果に繋がると思っていた。そのような考えで、作業部屋のコーディネイトをすることになった。

当日、FallsheepsのMVを撮影してくれたカメラマンのキタノケンタを車で拾って、町田ハウスに向かう。彼もカメラマンとしてキャリアをスタートさせたのが最近で「こういうスタンスで自分は写真を撮っていきたいんです!」という話を聞かせてくれた。理系の学部出身だからか、ロジックや考えがしっかりしていることに加え、カメラ機材に関しては完全にオタクバイブスで面白い。話をしている間に横横(横須賀横浜自動車道路)を抜けて、保土ヶ谷バイパスへ。

予定時間より早く町田ハウスに着いた。起動して30分後ぐらいの淳太が出迎える。作業部屋に入って、彼の最近のワークスを聴いたりしているうちに、スピーカーの位置を調整したくなったので、壁からスピーカーの距離を測ったり、机の中心とスピーカーの中心を合わせる。PCモニターを5cmほど奥に引っ込めただけで、音のハリが元気になった。スピーカーを置く位置や距離、壁の吸音を「ルームチューニング」というのだが、まさにこれがこだわったらキリがない沼の世界。

淳太の作業部屋のスピーカーは元々自分が使っていたもので、YAMAHA NS-10M、通称「テンモニ」と呼ばれる代物。音域のフラットさ、解像度の高さは一級品で、世界中のレコーディングスタジオに置いてある素晴らしいスピーカーなのだ。ぜひ彼のワークスペースでその音を体験してほしい。

音もタイトに聴こえるようになったところで、インテリアを買い足しにニトリへ。「近代都市が廃れて植物に浸食されている感」というサイバーとネイチャーを融合させた空間にするべく、とりあえずネイチャー要素として造花をいくつかピックアップし、サイバー要素としてはこれを買った。

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テープライト(レインボーカラー)。パーティーピーポーのバイブスが上がることも間違いないグッズに出会ってしまったわけだ。さすがお値段以上のニトリさん。少し悩んで作業部屋の主は購入を決意した。帰宅してから、こいつを設置して照明のスイッチを入れた瞬間、めちゃくちゃ盛り上がったのは言うまでもない。

そうして出来上がった空間が、淳太の屋号である「Hyper Video2」のルームツアーとしてYoutubeで公開されているので、ぜひチェックを。

作業を終えて、3人でサウナへ行く。お風呂の王様 相模原店のタワーサウナ上段はなかなかの灼熱具合である。自粛期間中は定期的にサウナに行くことも難しかったので、身体がサウナに順応しない。ヌルッとした汗が身体に走る。いつもは12分のところを8分ぐらいに切り上げて、水風呂へダイブした。水風呂の浴槽が深いので、首までしっかり浸かっていると、脳内がスーッと心地よい快感に襲われる。小雨気味だった屋外の外気浴も最高。

サウナ後に淳太にラーメンを奢ってもらってこの日は解散。さっき降っていた小雨は気付いていたら止んでいたが、雨が降っていないのにワイパーをつけてたことをケンタにツッコマれつつ、心地よい疲労感のもと、横須賀に帰った。(続く)


■ Fallsheeps / 秒針 MV


■ Fallsheeps / Aid 配信中


■ Fallsheeps / Aid (CD)


■ Fallsheeps / 落下羊 Tee (BASE)


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