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趣味嗜好と奥成達さんのエッセイ

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。らいとそーだ、と申します。
今回は私が小学生から現在にかけての、エッセイに関する話をしたいと思います。
 
まず、前提として私の趣味嗜好についてですが、昔(過去)のものが大好きです。大学では歴史、その中でも日本の戦国時代のあたりを専攻しました。ただ、私の小学校時代の将来の夢は民俗学者で、昔の道具や文化を見るのが好きでした。家族旅行は専ら博物館や美術館、城郭などに足を運びます。そんなわけで、私の歴史好きはさらに加速していったのです。最近では三国志研究の本を読んで、推しに思いを馳せていました。
 
さて、話が脱線してきたので、元の位置に戻していきましょう。私は小学校の時に民俗学にハマって、昔の道具などの図鑑などを読み漁っていました。学校には持ち出し禁止の図鑑しかなく、借りるのはたいてい市内の大きな図書館でした。そんな中、母に教えてもらったのが奥成達さんの本です。奥成さんは2015年にお亡くなりになられましたが、私は現在でも暇な時間ができると著作を読んでいるのです。そこで今回は、お気に入りの本を二冊紹介します。
 

①『昭和こども図鑑』ポプラ社、2001年出版


 
 母から最初に教えてもらった奥成さんの本です。タイトルの通り、昭和のこどもたちの姿を細かく書き記したエッセイです。イラストレーターのながたはるみさんの挿絵が、より鮮明に当時の情景を浮かび上がらせています。
 この本で一番好きな部分が、カレーライスやコンビーフ缶詰についての文章があることです。初めて「オリエンタルマースカレー」を知り、一人で勝手に味の妄想をしたことは、今でも懐かしいです。一口食べた時のまろやかで、どこか懐かしさを感じる味は、人生で一度は試す価値があります。ノザキのコンビーフ缶詰に関しては、実際にスーパーマーケットで買って食べました。巻き取り式の缶というのが、昭和のこどもたちだけではなく、私の心も鷲掴みにしました。今も昔も特別な味ではないでしょうか。
 この本の凄いところは、昔から親しまれている「遊び」が巻末に掲載されていることです。絵描き歌から紙飛行機の折り方、草花遊びまで紹介されていて、幅広い世代で楽しめる本になっています。過去の記憶を後世に伝えていきたい、という著者の思いが伝わってきますね。
 

②『昭和こども食べもの図鑑』ポプラ社、2004年出版


 
奥成さんの著作の中で一番好きな本です。著者の家族のエピソードや昔の思い出が、丁寧な料理のイラストと共に紹介されています。「おふくろの味」がキーワードで、ところどころにレシピが掲載されているのも、料理好きにとっては楽しいです。
個人的に好きな話は、著者の息子さんとその同級生が泊まりにきた時の話になります。子どもたちのために奥様が餃子を作った際、食べ盛りの子どもということもあって、三百個の餃子を焼いたそうです。子どもたちに具を皮に包む作業をお願いして、奥様がどんどん焼いていく……想像するとなんとも楽しそうな光景です。その子どもたちが成長して料理を作ってご馳走する話も、読んでいて心がじんわりと温かくなります。
 
 
余談ですが、奥成達さんの本を読む時には、たいてい祖母と一緒に読んでいます。白菜の漬物に少し醤油をつけて、ご飯と一緒に食べた時の美味しさは、祖母もよく分かるようでした。
 
 一つ一つのエピソードが短く、どこから読み始めても楽しめる本になっているので、是非気になった方は図書館で借りてみてください。購入してじっくり読み進めるのも楽しいでしょう。
 
明るく爽やかな人でありたい。
らいとそーだ


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