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自分がやりたいバーをする! - 自分が欲しいものだけを創る!を読んで

先週末、一部の仲の良い知り合いに、プレオープンの案内を出しました!色々と考えましたが、以前読んだ本や自分のブログを見返したりしていると、まずは始めてみないとと思うようになりました。来年の春には、心置きなく営業を開始できることを祈って、それまではこじんまりと始めて行きたいと思います。自分にとっては、悪くないスタートだと思っています。

今回はスマイルズ株式会社 クリエイティブディレクターの野崎さんが書かれた本、「自分が欲しいものだけを創る!」について書いています。スマイルズはSoup Stock Tokyoをはじめとする面白い事業をいくつもされている会社で、自分が店のコンセプトをああでもない、こうでもないと考えていた頃に読んで参考になった本です。


スマイルズはSoup Stock Tokyoをはじめとする、少し面白い事業を多く手がけられている会社です。そんな会社の方々が事業を生み出すときの考え方が丁寧に書かれています。

野崎さんはスマイルズに入られる前に、デザインコンサルティングの先駆け的な仕事をされていて、そのときに見出した理論をベースにこの本を書かれています。特徴的なのは「N=1」というキーワード。n=1,000、やn=10,000といった、多くのサンプルから導き出す結果ではなく、知っている1人にフォーカスしてより深く理解することから、問題やその解決策を見つけ出していくというものです。「N=1」の1が自分のこととしてスタートさせて、いいアイデアに昇華させていくことができれば、まさに本書のタイトルである「自分が欲しいものだけを創る!」ことができます。

この本ではスマイルズでされている事業のコンセプトの作り方のプロセスがいくつも載っています。代表的なSoup Stock Tokyoは、まだまだ男性中心社会で女性がお昼休みに過ごせる場所が少なかった1999年、熱いスープをお昼にかけられる30分程度の時間で提供し、自分に向き合える時間と場所を提案した事業でした。これは、単にスープであれば女性受けしそう、というマーケティングな思想ではなく、実際の女性のお昼のシーンを妄想して事業を作り出したとのことです。

Soup Stock Tokyoのカップはなぜ縦型なのか?一緒に食べられるおともはパンなのかご飯なのか?Soup Stock Tokyoで開発したスープ専用のスプーンとは?などのカルト的な話題も載っています。女性の「本音と建て前」について考えたり、心理学の法則を考慮されていたり、より個人の食事体験をよくするために開発されているところがなるほど!と思いました。

ブランディングについてもためになる考え方が書かれていました。それは関係性のブランディングと書内で表現されているもので、ブランドが顧客をはじめとした関係者とつながる関係性として宗教的関係、規範的関係、合理的関係、共感的関係があるというものです。業界やブランドによって、この関係の重心は異なりさまざまですが、スマイルズさんの事業や、自分がこれからやっていくバーでは、この中の共感的関係というのが重要だろうと思いました。

前回のブログでは好かれる人になれば人がよってくるということについて書きましたし、スナックが最強の飲食業といわれている堀江貴文さんやキングコング西野さんは、飲食業に必要な「人」「場所」「商品」の中で、スナックはこの「人」の要素が圧倒的に大きいというようなことを言われています。自分が魅力的な人間になることをいつも考え続けることが、バーをやっていくには本当に重要なのだと改めて思います。

読み物としても非常に面白いので、興味のある方はお手にとってみてはいかがでしょうか?読んでいただきありがとうございました!皆様、よい週末を!

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