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日本で「雨」の名曲が多い理由を気象データから考察してみた☔

3月21日は二十四節季の一つ「春分」でした。

御存知のとおり、「春分」は昼と夜の長さがほぼ同じになる日で、ここから「夏至」に向けて、日はだんだんと長くなっていきます。

そして、日が長くなるとともに雪の季節も終わりが近づき、これからは「雨」が主役の季節になってきます。

「雨」の季節といえば、真っ先に「梅雨」が思い浮かびますが、この「梅雨」があるために、日本は世界的にみても降水量が多い国となっています。(日本の降水量は、世界平均の約2倍)

そのためか、日本では「雨」に関する名曲が多い気がします。

例えば、「はじまりはいつも雨」(ASKA)、「優しい雨」(小泉今日子)、「雨」(森高千里)、「Rain」(大江千里)、「レイニーブルー」(徳永英明)、「最後の雨」(中西保志)などなど、挙げればきりがありません。(曲のチョイスで、年代がバレそうですが・・・😅)

そこで、何故こんなに雨の名曲が多いのか、日本各地の雨に関するデータから考察してみました。

まずは、ひと月にどれぐらい雨の日があるのか、気象庁のデータを基にグラフにしてみました。

4月~10月の推移を見てみると、梅雨がないと言われている北海道の札幌以外は、やはり5月~7月の梅雨の時期に雨の日が多くなっており、6月、7月は札幌以外の各都市で3日に1回以上雨が降っている計算になります。

特に、7月の仙台では、雨日数が15日を超えており、2日に1回は雨が降っている計算になります。

ちなみに、東北の太平洋側に位置する仙台では、この時期は「やませ」による霧雨の日も多くなるため、雨日数が多くなっていると考えられます。

こう見てみると、これだけ雨の日が多ければ、必然的に雨の思い出が多くなるのも頷ける気がしてきます。

ただ、雨が降ったといっても、一時的に降って、その後はずっと晴れていれば、雨の記憶はあまり残らないような感じもします。

そこで、次に日照時間を調べてみました。

ご覧のとおり、本来は「夏至」前後の一番日が長い時期であるはずの6月、7月の日照時間が、前後の月と比べて短くなっています。

これはつまり、梅雨の時期は、「単に雨が降る日が多いだけではなく、日差しも少ない」ということを示しており、いわゆる夏の通り雨とは違って、すっきりしない空模様が長く続くため、「憂鬱な長雨の季節」だと感じるのではないかと思われます。

そして、もう一つ、注目したいのは、日本の雨の名曲は、「とてもバラエティに富んでいる」ということです。

「どしゃ降りの雨の中」と歌っている曲もあれば、「優しい雨」と歌っている曲もあり、また、「冷たい雨」という表現も多く見られます。

そして、「ずぶ濡れになって」や「雨に打たれながら」のように、屋外で「雨に濡れている」という表現の曲があるかと思えば、「窓の外は雨」のように室内から雨を眺めているような曲もあります。

これは、日本の雨の降り方の多様性に、その要因があるのではないかと、私は考えます。

※単位はmm

このグラフは、月ごとの降水量を示していますが、これを見ると、大阪や福岡は、梅雨末期に当たる6月、7月の降水量が特に多くなっています。

西日本では、梅雨末期に梅雨前線の活動が活発化して豪雨に見舞われることも少なくないのですが、これは、まさに「どしゃ降り」、「ずぶ濡れ」になるような雨といえます。

一方、東京や仙台は、梅雨時は割とシトシトと降る雨が多く、むしろ9月、10月の方がまとまった雨になりやすい傾向にあります。

これは、秋雨前線や台風の影響によるもので、時期的にも気温が少し下がってきているため、「冷たい雨」の印象になるかと思います。

そして、札幌以外の都市では、梅雨や秋雨以外の時期でも、100mm前後の降水量があることが分かります。

つまり、春から秋まで、時期を問わず雨に遭遇する機会がふんだんにあるということで、「君に会う日は不思議なくらい雨が多く」なったり、「思い出はいつの日も雨」になったりするシチュエーションに恵まれているのだと思います。

また、同じ雨でも、降り方や降る時期によって、また、地域や時間帯などの違いでさまざまな表情を見せてくれることも、バラエティ豊かな雨の名曲を生み出すことにつながっているのではないでしょうか。

そういえば、北海道を舞台にした曲は、あまり雨のイメージがありません。
どちらかというと、「晴れ渡る大空」といったイメージの曲が多い気がします。

これも、北海道には梅雨がなく、降水量が少ないことが影響しているのかもしれません。

一方で、雪や寒さを題材にした冬の曲は、圧倒的に北国を舞台にした曲が多い気がします。

いずれにしても、四季がはっきりしている日本だからこそ、雨に限らず、天気や植物、海、山など、自然を題材にした名曲が多いのかもしれません。

そして、私はそんな風情ある日本が大好きです。

最後まで、ご覧くださり、ありがとうございました。

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