見出し画像

情シスが最も時間を使っている業務TOP3とは?その業務と内容まとめ

情シスはどのような業務に時間を最も使っているのか?…このnoteでは、統計結果から最も時間を使っている業務TOP3と、その業務の内容を説明したいと思います。なお、このnoteは主に中堅・中小企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。

1. 情シスが最も時間を使っている業務TOP3

情シスが最も時間を使っている業務のTOP3は次のような結果となりました。
第1位 システム運用・保守・報告
第2位 問い合わせや障害対応
第3位 新システム導入/システム改定プロジェクト
(『数字で見る“ 情シス”の実像 2021(ソフトクリエイト)』より)

情シスnote_4_グラフ

※『情報システム部門の現状とIT活用実態に関するアンケート』 より抜粋
※2020年度アンケートは2020年12月〜2021年1月に実施(n=522)
 2019年度アンケートは2020年1月に実施(n=867)
 2018年度アンケートは2018年9〜10月に実施(n=550)

ここ3年間の調査によると、数値の変動はあるものの、それぞれの順位は変わらず、システム運用・保守・報告に時間を使っている情シスが最も多いことがわかりました。では、これらの業務は具体的にどのようなことをしているのでしょうか。次項ではそれぞれの業務内容を紹介します。

2. 情シスはこんなことに時間を使っている…業務の解説

2−1 システム運用・保守・報告

情シスが最も時間を使っているシステム運用・保守・報告業務。具体的にはどのような業務があるのでしょうか。『情シス業務の基礎知識』より、代表的な業務を紹介します。

①ネットワーク運用管理・保守:企業のネットワークの運用・監視・保守や、ルーター、スイッチなどネットワーク機器の運用管理。

②基幹システム運用管理・保守:会計・流通・生産管理など、基幹システムの運用管理や保守業務。稼働監視、障害対応、復旧、故障対応などを行う。

▼システム全体の運用と保守に必要なことを知りたい

③Windows アップデート対応、WSUS運用:Microsoft社が提供する Windows 10 のアップデートを社内PCに対応させる作業。Microsoft製のサーバアプリケーションWSUS(Windows Server Update Service)を活用したアップデート作業。

④サーバ・アプリケーション運用:ファイルサーバ、Webサーバ、メールサーバ、アプリケーションサーバなど、社内の各種サーバやシステムの運用管理や保守、アプリケーションの導入・運用管理など。

⑤PCライフサイクル管理:自社で使うPCの、調達〜導入、運用・管理、消去・廃棄というライフサイクル管理。業務で使う設定にするための「キッティング」作業は重要。

▼PC購買・レンタル・リースの違いなどPC調達・管理の基本を学ぶ

▼PCのキッティングについて

▼PCも“所有から利用”と考えるなら

2-2 問い合わせや障害対応

PCが故障した、ネットにつながらないといったトラブル、アプリケーションの操作方法など、社員からの様々な問い合わせに対応することも情シスの重要な業務です。この業務は、ヘルプデスクとも呼ばれています。

今、テレワークで在宅勤務が増えたことから、その問い合わせ内容も多様化し、ますます対応も複雑化しているのではないでしょうか。事実、テレワーク実施による課題でも「第2位 社員への使い方サポート、ヘルプデスクが難しい(39.1%)」となっています。

コラム「情シスの現場から(熱海徹氏著)」でも、テレワークと問い合わせ業務について次のように触れています。

テレワークが進む中、チャット機能が便利になったせいか、問い合わせも多くなっていないだろうか。職員からしてみたら1対1の関係で問い合わせをしてくるが、ヘルプデスクは常に1対nの関係にある。
(コラム「情シスの現場から ヘルプデスクの業務が多い原因とは」より引用)

また同コラムでは、経験を積むと問い合わせが増えるタイミングが先読みできるようになると述べています。

ベテランともなると、ヘルプデスクの業務が多い時を予測できるようになる。システム更新された日、新しいパソコンに変わった日、テレワークが始まった日、の翌日などがジャストミートである。
(コラム「情シスの現場から ヘルプデスクの業務が多い原因とは」より引用)

多様な内容に対応しなければならない、問い合わせ対応やヘルプデスク業務。ここでは効率的に行うためのヒントとなる記事をご紹介します。

問い合わせ対応、ヘルプデスクをアウトソースするという選択肢もあります。様々な選択肢から、自社に最も適した対策を考えてみてはいかがでしょうか。

2-3 新システム導入/システム改訂プロジェクト

企業のシステムは、経営戦略やIT戦略に基づき、達成したい何らかの目的があり導入されることになります。

例えば、コロナ禍の中で在宅勤務というゴールを達成することを考える場合。そのために、IT戦略としてテレワークの実現を目指すことになります。具体的には、在宅でも業務が行えるアプリケーション、コミュニケーションツール、安全な通信ができるネットワーク、セキュリティソリューションを選定する…というように導入は進められます。これは簡易化した例ですが、当然、セキュリティポリシーの内容変更や、社内の業務規程などにも関与してくることになります。このように、ビジネスとITは密接な関係を持っています。

ここでは、ある目的や企画にもとづき、何らかのシステム導入/改訂計画が進められる時の一般的な流れ(一例)を見ていきましょう。

①計画(システム導入/改訂計画・企画の策定)
・現状分析、業務分析、ITインフラ環境の調査
・課題抽出、解決イメージ・導入後の活用シーン想定
・ビジネスへの影響、効果を検討
・要件定義、システムに求める要件の吟味
・全体計画、スケジュール策定
・運用・管理などライフサイクル検討
 ↓
②構築(検討・設計・開発・導入・移行など)
・システム/ネットワーク構成図(論理・物理)、業務フロー策定、
 問題点洗い出し
・基本設計作成、データ移行方法の検討、運用方法の検討
・ベンダー/製品評価・検証
・システム開発・設定等
・テスト期間・評価、カットオーバー
 ↓
③本番稼働
・運用・保守、ヘルプデスク、トラブル対応等
・ベンダーサポート期限、保守期限の確認と改訂に向け準備

システム導入をスムーズに進める準備として、自社のITインフラ環境を可視化することは重要です。自社のシステム構成図やネットワーク図が不明、古いまま…という方は下記の記事や資料を参照し、ITインフラの棚卸、整理を始めてみてはいかがでしょうか。

また、システムのライフサイクル終了時には、既にあるシステムの販売・サポート終了のタイミングとなる「EOS(End of Sale)・EOL(End of Life)」に合わせて行うことが一般的です。EOL、EOSについても基本的な知識を押さえておくことがおすすめです。

おわりに

このnoteでは、情シスが時間を使っている業務ランキングTOP3を紹介するとともに、その業務内容についてご紹介しました。なお、ランキングの元となったアンケート結果や、その他の調査結果を知りたい方には、下記の資料をおすすめします。

今回は情シスが時間を使うことが多い3つの業務を取り上げましたが、もちろんほかにも様々な業務があります。ソフトクリエイトは「情シスレスキュー隊」にて、情シスに役立つ様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧いただき、情シス業務にお役立てください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?