紙文書の電子化、どのくらい進んだ?【数字で見る情シス2022】
「脱ハンコ」というキーワードが近年、話題になりまいた。その中で、紙文書の電子化による押印業務の効率化はどのくらい進んでいるのでしょうか。今回は、情シス向けアンケート(※)の結果から、紙文書の電子化がどのくらい進んでいるのかを見ていきましょう。なお、このnoteは主に中堅・中小企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。
※「情報システムの現状とIT システム活用実態アンケート 2022(2021年12月〜2022年1月)」ソフトクリエイト
1. 社内申請、紙文書への押印業務はどのくらい残っているか?
情シスに「社内申請で、紙文書に押印する業務」について聞いたところ、次のような結果になりました。
紙文書への押印業務が「一切ない」と「一部、残っている」を合わせると約5割という結果となりました。これを、2020年度の結果と比較すると「一切ない」と「一部、残っている」それぞれが増加傾向にあり、社内文書の電子化が推進されている様子が伺えます。
2. 社外の契約書の電子化状況は?…社内文書ほどは進んでいない
一方で、「社外の契約書の電子化状況」は次のような結果になりました。
社外との契約書は契約相手の企業が電子化を認めていない場合や、まだ電子化が認められていない分野などもあるため、社内申請ほどは電子化が進んでいない様子がうかがえます。
しかし、2020年度〜2021年度の推移を見ると、紙文書への押印が「一切ない」と「一部、残っている」の合計が約2割から約3割以上へと増加傾向にあることがわかります。2020年以降、法改正や電子化、DXへの関心の高まりなどで契約書の電子化を後押しする状況となっていることから、今後はさらに電子化が進むのではないでしょうか。
3. 情シスの5割が「紙文書の電子化」はDXに必要と考えている
また「情シスがDXを推進するために必要と考えるシステム上の取り組み」の結果として、第1位が「情シスの継続的な学習」で53.6%、第2位は「社内・経営層へのDXの教育、認知向上」で50.4%、第3位が「紙文書・帳票・ワークフロー等の電子化」で50.2%という結果になりました。
近年、テレワーク化が進んだことで、これまでアナログな業務が多い紙文書やワークフローを効率化することが注目されています。紙文書やワークフローをデジタル化することで、場所を問わずに申請業務などができるようになることは、DXを考える上でもスタートしやすい分野のようです。アンケートでDXの目的や取組状況を聞いたところ、次のような情シスの声も寄せられています。
これまではペーパーレス化はコスト削減や効率化といった「守りのIT」の側面から語られがちでしたが、DXの推進や多様な働き方にもプラスとなるなど、「攻めのIT」の打ち手として語られるようになってきていることがわかる結果となりました。
おわりに
今回は、ペーパーレス、脱ハンコ、紙文化からの脱却…といったキーワードで語られることが多い、紙文書の電子化状況についてのアンケート結果を紹介しました。また、ほかの調査結果については下記の資料をぜひお読みください。
<関連情報>
また、ソフトクリエイトは「情シスレスキュー隊」にて、情シスに役立つ様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧いただき、情シス業務にお役立てください。
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