- 運営しているクリエイター
記事一覧
カタルシス 3
詫びながら部屋へと入り、挨拶をしてソファーに座ると、
開口一番、
彼はわたしに
君は、前生でアメリカに住んでいたね
と、いいました。
青い瞳で
髪はブロンド
この辺りにソバカスがいっぱいある
「女の子でした」
わたしは、たまらず言いました。
カタルシス 4
Yes,
と、うなずくゲリーさん。
オーマイガ.
高尾の駅であらわれた密度のことなる異次元は、わたしをここへと連れてきた。
この空間に入るには、わずかなずれが必要だった。
ずれから始まる人生のリフレイン。
なんてこと。
この人はいま、「わたし」をみている。
「わたし」に視線をくれている。
いま、生きている人に。
みられたの、はじめて。
カタルシス 5
そうきたか(想定外)。
じゃあ、わかった。しょうがない。
と、わたしは意識をくるっとチェンジ。
今日明日的な質問予定を変更し、
「わたし、海でしにました?」
と、聞きました。
「あたたかい、夏の海。。。」
Yes,と頷きながらゲリーさんは、
今からそこに連れて行ってあげるよ
と、机に置いてあるパソコンで、Googleマップを開き始めました。
カタルシス 9-10
リサは言う
・・・
そこでのことは覚えているよ。
夏の休暇をみんなで暮らすサマーハウス。
仲良しのビッグファミリー。
わたしは本当に幸せだった。
これ以上なく満たされて、自信にあふれ、未来は希望だけだった。
そこから海へと続くはらっぱに、大きな一本の木があって、よく木登りしていたよ。
とても忘れられなくて、今生で産んだ娘の名前につけたほど。
これは誰にも秘密だけれど、わたしは彼女に、その景
カタルシス 11-12
ゲリーは言う
・・・
子どもが運転できるような小型のボート。速度の出る電気モーターがついている。
その日あなたはいつものように、それに乗って沖に出た。
何人かで乗ることもあったけど、その日はひとりだったんだ。
16才になったばかり・・・いや。その直前だ。誕生日の数日前。あなたの部屋にはプレゼントが積み重なって、そこで行われるはずのパーティを、とても楽しみにしてたんだけど。
それはほんの少
カタルシス 13-14-15
2006年くらいから。
わたしはずっと、自分で選んでホメオパシーのネイチュミュアを飲んでいた。
固まった塩のレメディ。
わたしのレメディ。
忘れられるはずもない、わたしの身体いっぱいに詰まった塩の味。
直前にしんだ時の状況は、けっこう今生に影響する。身体は記憶をひきづりやすい。
魂の方が先だから、宿ると転写してしまうのだ。
その頃わたしは冬になると、咳がとまらなくなっていた。いつも肺が苦
カタルシス 16-17
ゲリーは言う
・・・
まだ死ぬ予定じゃなかったんだ。
このことは、君の計画してきた人生の予定になかった。
外で身体を動かすことが大好きで、いつも男の子に混じって遊んでいたね。太陽みたいに明るくて、すごく元気で。
君はそのまま大人になって、弁護士になって・・・
祖父母が事業を興した家で、家族のメンバーそれぞれが、会社のために担う役割を持っていたんだね。君の場合は、それが弁護士。従兄弟や兄
カタルシス 18-19-20
せかいは色と形の変わるエネルギー。まわりに漂うひかりの粒子。ラタンの籠に入ったお菓子はぜんぶ、触ると色がみえて味がした。
さまざまな時空間に存在する、同時多発的なあなたとわたし。
それは覚醒していたわけではなく。
悟っていたわけでもぜんぜんない。
ひとつの意識がまっすぐに
最速での再落下を【決めた】だけ。
地球上での【一度戻って忘れて生まれる】というお作法を、全速力で無視しただけ。
とに
カタルシス リターン0
部屋をでて。
まるで幻影みたいな高輪プリンスホテルのイルミネーション
時空が重なってあるままに
帰りの電車に急ぎながら
いつもずっとそこにある
自分の胸から喉へのつまりが
ぽろっと取れていることに気づいたのでした。
(詰まってた水が抜けたんだ・・・・・・)
そのことに驚きながら
わたしをここまで連れて来た異次元が、しゅわしゅわとゆるんでいくのをみていました。
ここは二元性の星
どちらの