鈴村 泰

医学博士、第一種情報処理技術者、元皮膚科専門医、元漢方専門医。 現在はセミリタイア。

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医学博士、第一種情報処理技術者、元皮膚科専門医、元漢方専門医。 現在はセミリタイア。

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ORCiD:0009-0005-2021-4596 【論文】 1.COVID-19 ワクチン有害事象の統計解析における注意点 2.厚生労働省による COVID-19 ワクチン有害事象の関連性認定に関する考察 3.厚生労働省による COVID-19 ワクチンと脳・心血管疾患における関連性認定の考察 4.Analysis of the Association Between BNT162b2 mRNA COVID-19 Vaccination and Deaths Within

    • 人口動態統計のワクチン死は、国が公式に因果関係を認めた死亡事例なのか?

      「人口動態統計月報(概数)より取得できるコロナワクチン死は、国が公式に因果関係を認めた死亡事例である」とネットで主張している人がいます。 今回は、その真偽を確かめてみました。 結論から言いますと、人口動態統計のコロナワクチン死は国が公式に因果関係を認めた死亡事例ではありません。 国の公式データより取得できるわけだから、 国が公式に因果関係を認めているのではないかと思いたくなる気持ちは理解できますが、 実際にはそうではないのです。 厚労省はこの件に関して、 以下のよ

      • 超過死亡に関する日本ファクトチェックセンターの記事をファクトチェック

        日本ファクトチェックセンターにおいて、 『「新型コロナワクチン接種開始後38万人が超過死亡」は誤り 数値に隔たり、死因と結びつける言説にも注意』 という記事が公開されました。 今回は、このファクトチェックの検証プロセスをチェックしてみます。 判定は「誤り」となっています。 この判定自体は正しいと私は考えます。 しかし、検証プロセスが稚拙で問題が多いのです。 順を追って説明してみます。 問題点1 感染研のグラフの読み方を理解していない この記事では、「2021年5月か

        • 「一般の障害年金」と「コロナワクチン救済制度の障害年金」との相違点

          今回は、「一般の障害年金」と「コロナワクチン救済制度(予防接種健康被害救済制度)の障害年金」との相違点について考えてみます。 まず、一般の障害年金は 65歳以上は申請できない という年齢制限があります。 正確に言いますと、障害が生じて病院を初めて受診した時点が65歳以上では申請ができません。 救済制度の障害年金ではそのような制限がありません。 救済制度の障害年金は70代が最も多く認定されています。 70代は一般の障害年金を申請することはできないため、 救済制度の障害年金

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          ワクチン有害事象をチェックするシグナル検出とは

          シグナル検出とは、「ある医薬品の有害事象が多数報告された場合、 重大な懸念と判断するべきかどうか」を調べる手法です。 認知度は高くはありませんが、 WHOワクチン因果関係評価マニュアル に記述されていますし、 PMDAにおいても実施 されている理解しておくべき重要な手法です。 地上波CBCの番組 で、「接種回数をほぼ同じにして報告数を調べると、コロナワクチン接種後のギラン・バレー症候群の報告頻度は インフルエンザワクチンのそれの18倍、急性散在性脳脊髄炎では8倍、 血小板

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          コロナワクチン接種後死亡のAFPファクトチェックをファクトチェック

          ファクトチェックは大切な営みです。 ただし、そのファクトチェックは科学的で公正なものでなければなりません。 非科学的で意図的なファクトチェックは有害でしかありません。 2023年12月に私は 接種後死亡に関する論文 を公表しました。 そして、この論文が AFPのファクトチェックの対象 となりました。 評価は"Misleading"でした。 ただ、その根拠はあまりにもひどいものでした。 今回の論考の目的は、このファクトチェックのレベルの低さを明らかにすることです。 まず、

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          コロナワクチン救済認定では政治的認定が多く含まれる

          コロナワクチンと有害事象(副反応疑い)との因果関係は, 副反応検討部会 および 疾病・障害認定審査会 との2つの審議会で審議されています。 前者は厳密な因果関係が審査されるのに対して、後者では厳密な因果関係まで必要としない審査と説明されています。 ただし、後者の「厳密な因果関係まで必要としない審査」とは具体的にはどのようなものなのか明確ではありません。 今回は、この問題について考えてみます。 ワクチン副反応救済制度(予防接種健康被害救済制度)の審査について 厚労省は次のよ

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          コロナワクチン救済制度の現在の認定状況

          疾病・障害認定審査会 において精力的に審査が行われています。 2023年12月8日の時点で、受理件数:9,613件、認定件数:5,499件、否認件数:881件、 保留件数:77件、未審査件数:3,156件です。 未審査事例がまだ33%もあり、更なる迅速な審査が望まれます。 2023年12月8日までに公表されたデータを集計してまとめました。 VBAを用いて自動集計し、表およびグラフもVBAを用いて作成しました。 なお、集計して認定状況の概要を公表するのは、本来は厚労省の仕事

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          コロナワクチンによる重大な懸念と軽微な懸念

          厚労省のWebサイト には、コロナワクチンのリスクについて次のように記述されています。 厚労省のWebサイトにおいては、「コロナワクチンと接種後死亡や重篤な副反応との間には因果関係はない、 あるいは関連性はない」といったことは記述されていません。 単に「重大な懸念は認められない」と書いてあるだけです。 今回は、この表現の意味について考察してみます。 注目するべきことは、「重大な懸念は認められない」としていますが、 軽微な懸念については否定していない点です。 この軽微な懸

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          コロナワクチンと接種後死亡の関連性を性比を用いて立証する試み

          コロナワクチン接種後死亡は、接種後10日以内に多く発生しています。 しかし、この事実をもって、ワクチンと死亡とに関連性があると解釈することは適切ではありません。 何故ならば、「接種より日が経つほど医師が報告する確率が低下する」という報告バイアスが存在しているからです。 報告バイアスが存在する時であっても使用可能と考えられる解析方法の一つに性比を用いる解析手法があります。 接種何日後の死亡であったとしても、 死亡者が男性か女性かという情報は、報告するかどうかの判断に通常は影

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          コロナワクチン接種後死亡事例の解剖数を増やせば因果関係認定例は本当に増加するのか?

          コロナワクチン接種後死亡者の 解剖の実施率は約1割と朝日新聞で報道 されています。 今回は、解剖の実施率を評価し、解剖の意義について考察してみます。 厚労省が公開している 接種後死亡者の報告事例一覧 よりVBAを用いて集計すると、mRNAワクチンの接種後死亡者は、 2023年7月28日公開分までで2072人で、解剖が実施された事例は243件でした。 したがって、解剖が実施された割合は11.7%でした。 接種後死亡者の年齢分布のグラフを作成しました。 次に、解剖が実施

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          WHO因果関係評価マニュアルによるコロナワクチン有害事象の考察

          ワクチンと有害事象との因果関係を評価するマニュアル がWHOより公開されています。 このマニュアルは 厚労省も参考 にしています。 今回は、このマニュアルを用いてコロナワクチンと接種後に発症した脳・心血管疾患との関連性について考えてみます。 今回の論考は 一つの論文として公開 しました。詳細についてはその論文をご覧ください。 この論考は簡易版です。 接種後に発症した脳・心血管疾患(脳梗塞、心筋梗塞など)は、ほとんどγ評価でありα評価は1件もありません。 γ評価は、「情

          WHO因果関係評価マニュアルによるコロナワクチン有害事象の考察

          コロナワクチンと有害事象の関連性を否定することは悪魔の証明

          以前に 「コロナワクチンにおいての流産の安全性立証は悪魔の証明」 という論考を発表しました。 突き詰めて考えてみますと、実は「コロナワクチンと有害事象の関連性を否定すること自体が悪魔の証明」なのです。 一見して「とんでも理論」のように見えますが、正しい理論です。 順を追って説明してみたいと思います。 今回の論考は特に目新しい話ではなく、以前にNatureで指摘 された有名な話です。未だに研究者でも誤解している人がいます。 ポイント部分を引用しておきます。 「有意差が

          コロナワクチンと有害事象の関連性を否定することは悪魔の証明

          コロナワクチン接種後死亡においては死因不明の場合でも救済認定されるべき理由

          疾病・障害認定審査会 において現在では精力的に審査が行われており、 コロナワクチン接種後死亡者の救済制度における認定数は大幅に増加し、 2023年8月30日までの公表で合計210例となりました。 最近の死亡一時金の認定において特記すべきことは、疾病名が、心肺停止、突然死と記載されている事例が増加していることです。 心肺停止というのは、発見された時の状態であり死因ではありません。 突然死は、ある日突然に死亡したという現象であり死因ではありません。 これらは死因が不明の時に、

          コロナワクチン接種後死亡においては死因不明の場合でも救済認定されるべき理由

          コロナワクチン副反応の救済認定においての問題点(改訂版)

          以前に 同じタイトルの論考 を発表しました。 その論考ではα評価及びブライトン分類レベルの判定の仕方が間違っていました。 今回は、その間違いを修正し、その後の調査で判明した事実を追加して改訂版を作成しました。 なお、改訂版の内容は 一つの論文にまとめて公開 しました。詳細についてはその論文をご覧ください。今回の論考は、その論文の簡易版でもあります。 コロナワクチン副反応は、副反応検討部会 と 疾病・障害認定審査会 とで審議されています。 前者では因果関係について審議さ

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          新しいマイナンバーカードの仕様についての提案

          2026年度中に政府は 新しいマイナンバーカードを導入 する方針であると報道されています。 新しいICカードでは裏面のマイナンバーの記載を削除することが検討されています。 私はこの案に賛成です。 裏面のマイナンバーの記載を削除すれば、もはやマイナンバーカードではなくなり、 ただのICチップ付きの身分証明カードと言うことになります。 そうなれば紛失した時にマイナンバーが漏出する不安がなくなり、持ち歩くことへの抵抗が減少します。 マイナンバーを提示する時のためには、顔写真

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