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「AJINOMOTO PARK」編集部とnoteで開催した、「#おいしいはたのしい」投稿コンテストの審査結果を発表します!

2021年1月18日から約1ヶ月半の間、「食」にまつわるたのしいエピソードを語る「#おいしいはたのしい」投稿コンテスト。期間中(1/18-2/21)には、7,445件もの作品をご応募いただきました!読むだけでお腹がへってくるようなすてきな作品を投稿いただき、ありがとうございました。

noteでの応募作品一覧は、こちらをご覧ください。

審査会にて、審査員である有賀薫さん岡田悠さんミツコさんの3名と、「AJINOMOTO PARK」編集部 note担当による選考の結果、下記のように受賞者が決定いたしました。

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グランプリ

■ふつうのギョーザ

餃子のタレは「ごま油と醤油を 1 : 1 」。これに当時の恋人だった夫が驚いたことをきっかけに、これまでの自分や夫の、そして世界の「ふつうのギョーザ」について思いはせた、macaronさんの作品が、グランプリに選ばれました。「軽い狂気とも思える深い掘り下げを、淡々と楽しそうにやっている点がすばらしい」(有賀さん)「世界の餃子を紹介し最後に進化した家族の餃子に戻るという構成が、エッセイとしてしっかりできている」(岡田さん)「餃子に対する執念ともいえる情熱がおもしろかったし、豊富な画像やご自身のイラストが読み手の想像力をサポートしてくれた」(ミツコさん)「さまざまな餃子を通じて文化を紹介しながらそれらすべてを肯定していて、多様性を楽しむすてきな方だと感じた」(「AJINOMOTO PARK」編集部)と、満場一致での受賞となりました。

審査員特別賞(有賀薫さん賞)

■自分の料理に味がついた話。

ひとり暮らしと同時に始めた自炊で、作った料理の味がしなかったmihoさん。数年後、恋人を家に招いておそるおそる料理を出したときの、恋人の、そして自分の反応は。共感する人も多そうなエピソードを甘酸っぱくて幸せな思い出として描き出した作品が、有賀薫さんの審査員特別賞に選ばれました。

ときどき「味がわからないんです」という声を聞くことがあります。わからないってことはないでしょう、と思っていましたが、このnoteを読んで、人は人の関係の中においしさを感じているんだということに気づきました。一人から二人になって無味だったものに味がつく。強く印象に残った話でした。ハッピーエンドにもほっこり。(有賀薫さん)

審査員特別賞(岡田悠さん賞)

■あの日丸めたのはお団子だけではなくて。

鈴懸ねいろさんの家で春のお彼岸の恒例行事となっていたお団子作り。総監督であった祖母の思い出を中心に、親族が集まってご飯を炊き、すり鉢でつぶし、お団子を作る毎年の光景がテンポよく描かれます。さらにその貴重な時間のかけがえのなさや家族の歴史もあたたかな視線で伝えた作品が、岡田悠さんの審査員特別賞に選ばれました。

「そんなんじゃ足りないだろう。四升だ。」このセリフにやられました。大量の団子を作り続けるおばあ様のキャラが素晴らしく、情景がありありと浮かびました。大人になるにつれ親戚間の関係性が変化し、それでも年に一度作る団子がその仲を丸めていたという本作品のテーマは、食という営みの本質を表しているような気がしました。(岡田悠さん)

審査員特別賞(ミツコさん賞)

■そら豆を食べたら10年後にソムリエになった話

「コロッケ一個にソースをドバっとかけて、どんぶり飯をかっこんでいた」という、19歳のころのヨシカワダイチさん。その人生は、バーのまかないで食べたそら豆で大きく変わりました。純粋できらきらした喜びの描写とともに、きっかけを与えてくれたバーの店長とのコミカルなやり取りに思わず笑ってしまう作品が、ミツコさんの審査員特別賞に選ばれました。

食わず嫌いが多く同じ食べ物のパターンを繰り返す主人公が、そらまめとの出会いをきっかけにその道のプロを目指す…まるで一つの漫画作品を読んでいるような物語で最後まで楽しく駆け抜けるように読ませていただきました!
筆者さんに未知の食べ物を食べさせてあげたい店長さんの優しい思いとそれをここまで思いっきり楽しんで吸収し、のめり込んでいった筆者さんが化学反応が起こしたからこそソムリエの道を極めるまでに至るという奇跡のような展開になったんだと思います。好きこそ物の上手なれとはまさにこのことで、今回の「おいしいはたのしい」というテーマにぴったりだと思いました。
そんな筆者さんの選んだ食べ物やお酒が、たのしさとしてまた誰かに伝わって広がっていくんだろうなと思いました。(ミツコさん)

企業賞

■今宵も二人、鍋祭り

ほぼ5日に1回のペースで鍋を食べているという小野ぽのこさんご夫婦。ふたりで鍋を作り、食べる過程が、豊富な擬態語によってとてもおいしそうに描かれ、読むと思わず鍋を作りたくなってしまう作品です。「なぜ鍋なのか」を伝える内容の共感性の高さも、評価のポイントとなりました。

■はじめての豚汁

いつも料理をしてくれる夫を驚かせたいと、はじめて作った豚汁。喜んで食べようとした夫が鍋のふたを開けたときの最初のひとこととは、そしてその経験から山田ルーナさんが「おいしいって、たのしい。」と伝えたい理由とは。ハプニングを笑顔に変える夫のやさしさもすてきな、元気をもらえる作品です。

今回選ばせていただいた作品は、どちらもほほえましさにあふれるエピソードです。
「今宵も二人、鍋祭り」・・・忙しさにかまけて、食事を手早く済ませてしまうことって少なくありません。ところが、鍋を祭りになぞらえて、にぎやかに宴をひらくご夫婦のお話を読んでいると、大切な人と鍋をたのしむ時間、ひいては、食事をたのしむ時間が日々を生きる活力源となっていることがよくわかります。ごはんの時間が待ち遠しく、愛おしく思えるエピソード。「おいしいはたのしい」理由を教えていただいた気がして、選ばせていただきました。
「はじめての豚汁」・・・料理の失敗は、おそらく誰もが通る道。慣れないうちはなおさらです。ところが、そんな失敗も、作る人・食べる人がそれぞれ互いを思いやる気持ちさえあれば、かけがえのない思い出になることを改めて実感させられました。ご夫婦が思いがけず共同作業してこしらえた豚汁は、普通にできた豚汁よりずっとおいしいはず。これだから料理はやめられません!コンテストのテーマを象徴するエピソードだと感じ、選ばせていただきました。

入賞

各審査員からの総評

■有賀薫さん

料理家はつい食材や調理によるおいしさばかりを見てしまいますが、小さい小さい。それより誰と・どんな状況で・なぜそれを食べているのか、感情がどう食と結びついたのか。それぞれの食の物語に個性があって、おいしいって幅広いんだなと感じたコンテストでした。大賞作品はどんどん深掘りしていくマニアックさの中にも、餃子に対する素直な愛が一貫して感じられ、一緒に食べたい!うちにも食べにおいでよ!という気持ちになりました。


■岡田悠さん

泣けるエッセイ、笑える企画記事、滲み入るイラストなど多様な作品が集まり、それぞれにジューシーな食の美学がありました。個人的には「読んでいてどれだけお腹が空くか?」というのを1つの審査軸にしたのですが、結果最近始めたダイエットを終了するに至りました。こんなに色んな料理があって、色んな食べ物が(時には異常に)愛されてるのだなと知れて、なんだか世界が広がった気分です。おいしいnoteをたくさんいただき、ごちそうさまでした。


■ミツコさん

「食」というのは、老若男女生まれた時からずっと身近にあるもの。
今回のコンテストでは、いろんなライフステージにいる方の「おいしいはたのしい」というテーマの作品を読ませていただきました。
わたしは今こそ食べることが大好きで食に対する執念(執着?笑)が強い食いしん坊女ですが、昔は人間関係に悩んでごはんが食べられなくなった時期や、とにかくお腹が膨れりゃなんでもいい!とだいぶお粗末だった時期もありました。
そんな時でも、食と自分は切っても切り離せない関係でした。
きっとこれからの人生も長い付き合いになるであろう、食。
今回みなさんの素敵な作品を読ませていただいて、より一層食事とおいしくたのしく付き合っていきたいなと思いました。

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投稿期間は終了しましたが、「おいしい」が「たのしい」につながった経験について、思いを馳せるきっかけになれればと思います。

他の投稿作品についても、以下URLよりぜひご覧ください。

コンテストを振り返って

以下、「AJINOMOTO PARK」編集部 note担当からのコメントです。

みなさまからお寄せいただいた、たくさんの「おいしいはたのしい」作品たち。どれも味わい深いものばかりで、おかげさまで私たちのこころが満腹に。じわりとくる心地よい後味をいまもたのしんでいるところです。ただ、印象に残っている作品が多いなか、数えるほどしか選べないことが心苦しくとても残念に思っています。

このコンテストを通して、みなさまがそれぞれの「おいしいはたのしい」を見つけ、それがまた次の誰かの「おいしいはたのしい」につながって…。そんなふうに、食べるたのしさがどんどん広がるきっかけになれば、とてもうれしいです!

みなさまからいただいたたくさんのおいしい作品、一粒残らずいただきました。ごちそうさまでした!


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