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悪貨は良貨を駆逐する

前回のつづき

望まない広告を見せられるのは時間の搾取にほかならない。無料でコンテンツを利用しているのだからある程度は仕方がないと納得できる。テレビCMはその辺の折り合いがうまくつけられているのだろう。

ネット広告は明らかにやり過ぎている。おそらくクリック数しか見ていないからこうなる。広告が嫌ならコンテンツを利用するなと言われればその通りで利用者としては引き下がるしかない。

しかし、広告主の「嫌なら見るな」という態度は自分の首を絞めるだけでは済まないのだ。広告主は一人ではない。行儀の悪い広告のせいで、節度を守っている広告までもが嫌われてしまう。他事業者はもっと怒っていい。

嫌われるだけなら単に気持ちの問題で実害はないとも言えるが、嫌われたままの状態は長く続かないだろう。具体的には広告ブロッカー導入の心理的ハードルが下がる。そうなれば行儀の良し悪しに関係なく一網打尽である。

敵対すればどちらかが滅ぶまで戦いは続く。

技術的にネット広告は広告ブロッカーに勝てない。今はまだ本気で排除する機運になっていないだけだ。ある調査では大学生の広告ブロッカー利用率は11%ほどだと言う。全世代ならもっと低いと思われる。

うまく共存できればいいのだが。

↓次回につづく