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見たいものを見たいから 【VRを考える#5】

↑前回のつづき

ただでさえ年を取って時間の流れが速いのに、高度情報化社会が容赦なくこれに追い打ちをかけてくる。昔と比べて処理すべき情報量は確実に増えた。

どこまで本当か知らないが、デジタルネイティブ世代とやらは動画を倍速視聴しながらゲームをプレイして、その間も友人とメッセージのやり取りをし続けるという。これが若さか。

僕はデジタルコンテンツの過剰摂取による脳への影響だとか心の健康だとかを心配する立場にない。むしろソフトウェア開発者の端くれなのでデジタルを推していく側の人間である。

その視点から見てもVRゴーグルがスマホの代わりになる未来はないと思う。

Apple Vision Proが60万円とべらぼうに高額なことや、常時着用するには筐体がやや大きい等の問題に隠れているが、一番の問題は自由を奪いかねないことだ。価格や大きさはいずれ解決するだろうが、この点は根本的に変わらない。

仮想と現実の世界はずっと二者択一であり続ける。べつに動画を見ながらゲームするデジタルジャンキーでも構わない。それを自分の意思で選択できることがなによりも大切だ。

VRゴーグルは仮想の世界に近すぎる。フラットに選択するにはスマホぐらいの距離感がちょうどいい。


↓VRを考える#1