駆け出し百人一首(34)逃れ来て人目を厭ふ心にもあまりさびしき山の奥かな(二品法親王覚誉)
逃(のが)れ来(き)て人目(ひとめ)を厭(いと)ふ心(こころ)にもあまりさびしき山(やま)の奥(おく)かな
新続古今和歌集
訳:俗世を離れ、人を避けて山にやってきた私であるが、それでもあまりに寂しい山の奥であるなぁ。
I am unbearably lonely in the mountains although I came here in order not to be involved with people.
二品法親王覚誉は南北朝時代の人。花園天皇の第一皇子でしたが、早くに仏門に入りました。
自ら出家の道を選んだはずなのに、いざ山寺暮らしをすることになると、想像以上に寂しくて愕然とする。その気持ちが率直に詠まれた和歌です。
文法事項
奥かな:詠嘆の終助詞「かな」は「だなぁ」と訳す。
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