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古典文学に探る季語の源流(全12回の連載)

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俳句結社「松の花」の結社誌に連載しているコラム『古典文学に探る季語の源流』をnoteにも転載しております。2020年は奇数月の号、2021年は偶数月の号に掲載した記事を合わせ、毎… もっと読む
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#古典文学に見る季語の源流

古典文学に見る季語の源流 第一回「はじめに」「人日・若菜・七草粥」

古典文学に見る季語の源流 第一回「はじめに」「人日・若菜・七草粥」

「貫之は下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集にこれ有り候。」
 あまりにも有名な正岡子規の文章である。子規が『歌よみに与ふる書』でここまで宣言せねばならなかったのは、それだけ『古今和歌集』の影響が深かったことの証明であって、子規自身も、「実は斯く申す生(=自分)も数年前迄は古今集崇拝の一人」であったと認めている。
 また、私がカルチャースクールで百人一首を講じていたとき、受講生から、
「辛気臭い恋の

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