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令和新撰百人一首(吉田裕子選、古典初心者用)

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藤原定家が選んだ百人一首に倣って、一人の歌人から一首ずつ選んでいきたいと思います。コンセプトは古典初心者用。現代語訳がなくても何となく意味が分かるような、読みやすい和歌を中心に選… もっと読む
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#駆け出し百人一首

駆け出し百人一首(40)恋ひ死なん後も心の変はらずはこの世ならでも物や思はん(従二位…

恋(こ)ひ死(し)なん後(のち)も心(こころ)の変(か)はらずはこの世(よ)ならでも物(もの)や思(お…

駆け出し百人一首(39)袖ひちて掬びし水の凍れるを春立つけふの風やとくらむ(紀貫之)

袖(そで)ひちて掬(むす)びし水(みづ)の凍(こほ)れるを春(はる)立(た)つけふの風(かぜ)やとくら…

駆け出し百人一首(38)志賀の浦や遠ざかりゆく波間より凍りて出づる有明の月(藤原家隆)

志賀(しが)の浦(うら)や遠(とほ)ざかりゆく波間(なみま)より凍(こほ)りて出(い)づる有明(あり…

駆け出し百人一首(37)皆人は花の衣になりぬなり苔の袂よ乾きだにせよ(僧正遍昭)

皆人(みなひと)は花(はな)の衣(ころも)になりぬなり苔(こけ)の袂(ころも)よ乾(かは)きだにせよ…

駆け出し百人一首(36)散る花の忘れがたみの峰の雲そをだにのこせ春の山風(左近中将良…

散(ち)る花(はな)の忘(わす)れがたみの峰(みね)の雲(くも)そをだにのこせ春(はる)の山風(やま…

駆け出し百人一首(35)若竹の生ひゆく末を祈るかなこの世を憂しと厭ふものから(紫式部)

若竹(わかたけ)の生(お)ひゆく末(すゑ)を祈(いの)るかなこの世(よ)を憂(う)しと厭(いと)ふもの…

駆け出し百人一首(34)逃れ来て人目を厭ふ心にもあまりさびしき山の奥かな(二品法親王覚誉)

逃(のが)れ来(き)て人目(ひとめ)を厭(いと)ふ心(こころ)にもあまりさびしき山(やま)の奥(おく)かな新続古今和歌集 訳:俗世を離れ、人を避けて山にやってきた私であるが、それでもあまりに寂しい山の奥であるなぁ。 I am unbearably lonely in the mountains although I came here in order not to be involved with people. 二品法親王覚誉は南北朝時代の人。花園天皇の第一皇子でし

駆け出し百人一首(33)月も出でで闇に暮れたる姨捨に何とて今宵訪ね来つらむ(菅原孝標…

月(つき)も出(い)でで闇(やみ)に暮(く)れたる姨捨(うばすて)に何(なに)とて今宵(こよひ)訪(た…

駆け出し百人一首(32)人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑ひぬるかな(藤原兼輔)

人(ひと)の親(おや)の心(こころ)は闇(やみ)にあらねども子(こ)を思(おも)ふ道(みち)に惑(まど)…

駆け出し百人一首(31)我が如く我を思はむ人もがなさてもや憂きと世を試みむ(凡河内躬…

我(わ)が如(ごと)く我(われ)を思(おも)はむ人(ひと)もがなさてもや憂(う)きと世(よ)を試(ここ…

駆け出し百人一首(30)雪の内に春は来にけり鶯の凍れる涙今やとくらむ(二条后・藤原高…

雪(ゆき)の内(うち)に春(はる)は来(き)にけり鶯(うぐひす)の凍(こほ)れる涙(なみだ)今(いま)や…

駆け出し百人一首(29)春の野に菫摘みにと来し我ぞ野をなつかしみ一夜寝にける(山部赤…

春(はる)の野(の)に菫(すみれ)摘(つ)みにと来(こ)し我(われ)ぞ野(の)をなつかしみ一夜(ひとよ)…

駆け出し百人一首(28)待つ宵に更けゆく鐘の声聞けば飽かぬ別れの鳥は物かは(小侍従)

待(ま)つ宵(よひ)に更(ふ)けゆく鐘(かね)の声(こゑ)聞(き)けば飽(あ)かぬ別(わか)れの鳥(とり)…

駆け出し百人一首(27)冬枯れの森の朽葉の霜の上に落ちたる月の影のさやけさ(藤原清輔)

冬枯(ふゆが)れの森(もり)の朽葉(くちば)の霜(しも)の上(うへ)に落(お)ちたる月(つき)の影(かげ)のさやけさ 新古今和歌集 冬 607番 訳:冬枯れした森の朽ちた落ち葉に置いた霜。その上にそそぐ月の光の清く美しいことよ。 How clear today's moonlight is! It is shining on frosted decayed leaves in the winter forest. この歌は、百人一首におさめられた父顕輔の歌「秋風にたな