22-2.親支援のためのプチ講習会
(特集 研修──秋の大感謝祭)
黒田美保(帝京大学)
下山晴彦(東京大学/臨床心理iNEXT代表)
Clinical Psychology Magazine "iNEXT", No.22
1.緊急募集:子ども支援のために親支援プチ講習会
学校の新学期も始まり,子どもたちのコロナ感染も広がりつつあります。多くの学校,幼稚園,保育園では,分散した登校や登園で対応しています。スクールカウンセリングだけでなく,さまざまな分野において子どもたちの不安や問題行動への対応が求められるようになっています。
自粛生活が続き,親(保護者)の不安も高まっています。引き続き自粛生活が続くなかで,家族内の緊張や不安が増大し,子どもだけでなく,親(保護者)のストレスが高まっています。
このようなときこそ,親(保護者)をサポートし,それを通しての子ども支援が求められています。そこで,臨床心理iNEXTでは,下記要領で誰でも気楽に参加できる「ペアレント・プログラム」のプチ講習会を緊急開催することとしました。多くの皆様のご参加を期待しています。
2.『ペアレント・プログラム』プチ講習会のご案内
〈プチ講習会〉
ペアレント・プログラムの理論と方法
-親支援・子育て支援のコツを学ぶ-
【日程】9月23日(木曜日:秋分の日で休日)18時~19時30分
【講師】黒田美保(帝京大学)
【申込】下記URLから
◆臨床心理iNEXT会員・学生・院生:1,000円
⇒ https://select-type.com/ev/?ev=zK4RwPms67s
◆iNEXT有料会員以外:2,000円
⇒ https://select-type.com/ev/?ev=fFMA5Lq24lQ
実施時間帯も休日(秋分の日)の夕方18時より1時間半と,参加しやすいように設定しました。参加費も日頃のご愛顧への感謝の気持ちを込めて,通常より廉価で皆様にお届けすることとしました。
子どもや家族の支援に関心がある学生・院生の皆様にも積極的にご参加いただきたいと考え,今回は,【学生用の特別価格】を設けました。
講師は,発達障害支援や発達障害の傾向をもつ子どもの支援のエキスパートである黒田美保先生にお願いしました。
3.親支援・子育て支援のコツを知る
[ペアレント・プログラムのプチ研修会の目的]
子育てにおいて困難を感じている保護者が子どもへの適切な関わり方を学び,実践していくことを支援するペアレント・プログラムの理論と方法を解説します。
このペアレント・プログラムの学習を通して,プログラムだけでなく,子どもの心理相談の親面接や,スクールカウンセリングなどにおける保護者面接を適切に実施するための考え方とスキルを学ぶことができます。
ペアレント・プログラムには,特に発達障害傾向のある子どもの親(保護者)面接や,子育て支援の面接を適切に実施していくためのヒントが満載です。
ですので,子どもに関わる心理職,子ども支援のために保護者面接をする機会のある心理職のスキル向上が研修の目的となります。
子どもの心理支援,あるいは発達障害の支援において,親面接を行うことが多いと思います。あるいは,スクールカンセリングなどにおいては,生徒の相談の補助として保護者面接を行うことも多いと思います。特に子どもに発達障害の特性や傾向がある場合いは,親(保護者)自身が疲弊し,自信をなくしたり,怒りの感情を抑えられなくなったりします。酷い場合には,子どもに対する虐待的対応が起きることもあります。
そのようなときに役立つのが「ペアレント・プログラム」の考え方と方法です。ペアレント・プログラムのスキルのプチ講習会では,このような親支援や保護者支援の考え方と,そのための技法を学ぶことができます。
4.『ペアレント・プログラム』とは
以下において,プチ講習会の参考資料としてペアレント・プログラムの要点を解説します。
[ペアレント・プログラム構成]
親同士の話し合いに重点が置かれ,親がグループへの帰属意識をもつことが独自な特徴となっています。また,「良い行動」とは「適応的な行動であり,決して人より優れている行動」ではないことを前提に,認知の変容を促すことがペアレント・プログラムの中核的な目的となっています。ペアレント・プログラムは,隔週6回連続(1クール3カ月)を基本とし,6~12名くらいの集団で実施します。①講義,②ペアワーク,③発表,④次回の宿題の説明──の内容で,時間は1時間半程度です。進め方は,講師が一方的に専門的な助言を行うのではなく,親同士のペアワークをたくさん実施します。その中で親御さん同士が実際にいいところを見つけあっていく過程があります。実施する各回の内容は,下記となっています。
ペアレントプログラムの内容
1回目:現状把握表を書く
2回目:行動で記録し,よいところをみつける
3回目:行動の種類をカテゴリーに分ける
4回目:困った行動から努力している行動をみつける
5回目:困った行動がでやすい課題,時間,場所,相手をみつけて工夫する
6回目:ふりかえり
[特徴]
ペアプロの特徴で一番大きいのは「行動でとらえる」ということです。ペアレント・プログラムでは,子どもの行動,そして親の子育てのスキルを具体例な行動としてとらえていきます。親が子どもにどのように接しているかを,具体的な行動として見ていきます。子どもは,何ができて何ができないかを見ていきます。できないことが多くても,少しでもできていることがあれば,その行動をとらえて褒めていく方法を学びます。
[必要性]
人と関係を結びにくいという発達特性のある子どもは,人の行為を真似て学ぶことが難しいため,自分なりの方法にこだわったり誤学習してしまったりすることで,保護者や本人が困った状態になることがあります。できるだけ早期に発達の特性や適切な子育ての方法を保護者へ伝える心理教育としてペアレント・プログラムを実施していくことで,マルトリートメントに対する予防的な取り組みとなることを目指しています。
5.現在募集中の臨床心理iNEXT秋の研修会
現在,臨床心理iNEXTでは,秋の大感謝祭として,9月には下記の研修会も募集しております。また,10月に入りましたら,次々と心理職の技能発展に向けての重要テーマの研修会を企画し,提供していきます。乞うご期待。
〈参加集会型オンライン・シンポジウムのお知らせ〉
『心理職の技能として“協働”の活用に向けて』
─協働が困難な現実を越えるために─
【日程】9月20日(月曜:敬老の日)13時~16時
【申込】下記URLからの申し込み
◆臨床心理iNEXT有料会員:無料
⇒ https://select-type.com/ev/?ev=vg-WAnQI_Os
◆iNEXT有料会員以外:1,000円
⇒ https://select-type.com/ev/?ev=LgYXj9MnR1w
〈One Dayワークショップのお知らせ〉
解決志向ブリーフセラピーの技法と姿勢を学ぶ
─Believing is seeing─
【日程】9月26日(日曜日) 9時~17時(昼休みあり)
【講師】黒沢幸子(目白大学)
【募集人員】30名
【申込】 下記URLから
iNEXT有料会員以外:10,000円(残席少なので売れ切れ御免です)
⇒ https://select-type.com/ev/?ev=K8ZZP7hFQNw
※臨床心理iNEXT有料会員受付は定員一杯となりましたので受付終了
■デザイン by 原田 優(東京大学 特任研究員)
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臨床心理マガジン iNEXT 第22号
Clinical Psychology Magazine "iNEXT", No.22
◇編集長・発行人:下山晴彦
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