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バルセロナ大学 INEFC

INEFC

 INEFCとはバルセロナ大学の管轄下にある、カタルーニャ州立体育大学のことである。Institut Nacional d'Educació Física de Catalunyaの頭文字をとって「イネフク」と呼ばれている。

 キャンパスはスペインのバルセロナの西側にある小高い丘モンジュイックの中にある。キャンパス周辺には1992年に開催されたオリンピック・バルセロナ大会のスタジアムや美術館などもありとても美しい場所である。
 ただ、丘の中にキャンパスがあるということもあり、チャリ通であった著者にとっては、授業のたびに坂を自転車で登らなければいけないという最悪の立地条件であった。(ちなみに、プラサ・エスパーニャからキャンパスまでバスが出ているので訪問したい方はご心配なく)。

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 モンジュイックの坂を登り切ると見える景色。バルセロナの街が一望できる。

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 キャンパス内の廊下。地下にはバレーや器械体操、バスケットコートなどの運動施設が完備されており、この廊下から見学ができるようになっている。また、夜にはFCバルセロナの女子バレーチームなどが練習をしている。

授業内容

 さて、大学院の授業内容だがバルセロナのキャンパスで開講されているコースは大きくMaster's in Physical Activity and Health (MAFiS)「健康」とMaster's in Sports Performance: Technification and High Level (RETAN)「パフォーマンス」に分かれる。

 大学院には南米やスペイン外のヨーロッパなどの多国籍な人、また、いろいろな年齢層の人たちが来る。在学生の多くはスペイン語圏の国の人たちなので授業はスペイン語で行われる。もし、INEFCへの進学を考えている方はスペイン語は必須となる。

 授業は前期と後期で授業形態が異なる。前期ではスポーツ全般における内容や統計やデータの分析方法などについて学ぶ。後期では自分の専門スポーツに関する授業を受けることとなる。そして、最後には修士論文を執筆することとなる。

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 授業はとても興味深い内容ばかりである。例えば、この写真の授業内容は、トレーニング負荷の計算と計画いった講義の風景である。

 戦術的ピリオダイゼーションなどといった練習計画を科学的な知見やスポーツの専門性をポイント化して考案していく方法についての講義内容である。

サッカー理論学

 上述したが、後期では自分の専門スポーツに関する授業に分かれる。INEFCで開講されるサッカー理論学は非常に質の高いもので、INEFC出身のFCバルセロナやエスパニョールの指導者は数知れない。最近では、現スペイン代表フィジカルコーチのラファ・ポルなどはここINEFC出身である。

 サッカー理論やプレーモデルの計画方法などの講義形式だけでなく、実際にFCバルセロナやエスパニョールといったプロチームの現場に赴き、現場のコーチによる講義などが行われる。

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 サッカー理論の授業の風景。プレーの局面から、個人戦術で求められるプレーについての講義内容の写真。

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 FCバルセロナのメソッド責任者のパコ・セイルーロによる講義後の写真。講義ではプレーモデルの構築方法、戦術的ピリオダイゼーション、フィジカルトレーニングの概念についてなど興味深いものばかりである。

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 エスパニョールの練習場。練習見学や現場のコーチによる講義を受けることができる。

今後の内容

 INEFCで得られた経験、知見というものは、日本ではまだ馴染みのない内容が多く、今後の日本サッカー界において極めて重要となるものといえる。

 INEFTでは、大学院で学んできたものや最新の研究内容など様々な観点からサッカーに関する情報を発信していく。日本サッカーの発展のため少しでも皆さんに情報を伝えていけたらと思う。


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