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留学準備2 購入品

 パッキング。きっとこの瞬間が旅の最高潮である気がする。家に着くまでが旅であるというのなら、心の中でどこへ行こう、何を食べようと考えた始めたときに旅は始まっている気がする。滞在中の生活を想像して、必要なものをリストにし、それを準備する。あーでもないこーでもないと荷物をスーツケースに何度も詰め直す。その瞬間が何より楽しい。こういった時の母は、世界で一番心強い。アベンジャーズがかっこいい音楽と共に登場する時くらい心強い。母の協力で荷物を詰められたはいいが、帰りのパッキングが不安である。そして留学が決まった瞬間から絶対に持っていこうと心に決めていたものが二つあった。それはデニムとカメラだ。
 まずカメラについて。これは割と持っていいく人が多いのはではないかだろうか。昨今携帯のカメラの性能が上がる中、わざわざカメラを持つ意味は薄れているような気がする。しかし2019年に祖父とスペインに行ったときにも、大したことないミラーレス一眼を持って行った。その写真を見返すと携帯で撮影するより遥かに素敵な写真だったのを思い出した。それをバイト先のお客さんのカメラマンに話すとおすすめのカメラをいくつか教えてくれた。教えられた新宿の北村写真機に行って店員さんと相談して選んだのが、OLYMPUS OM-D E-M1という機種。フィルムカメラの見た目をリバイズしたクラシックなデザインだという。そんなのは僕のタイプど真ん中。レンズ込みでおよそ7万近くした。カメラ界ではだいぶ安い方であると伝えられ、怖くて泣いてしまうかと思った。だがせっかく綺麗な風景を沢山目にすることになるだろうから、それをきっちり思い出に残すべく購入を決意した。基本的に何をしても並以上にこなすでお馴染みの僕が唯一苦手と言ってもいい分野が芸術なのだ。きっとその辺のセンスは姉に全部持っていかれた。そのためYouTubeで必死に勉強している。その写真や思い出はこのNoteに残すつもりなので、写真の上達具合も含めて楽しんでもらえたらと思う。
 次にデニムについてであるが、服は単に身につけるものでは無く、そこに思い出や当時の記憶が一緒に刻み込まれると僕は感じている。特にデニムは、経年変化をしていくため特に自分の滞在中の思い出が残ると思う。滞在中にはWWOOFという農業体験をしながら旅をするシステム利用しながら周遊をしようと目論んでいるため、そこで着用するシーンを想像してデニムを購入した。元々持っていないLevi'sの501の青でも買って行こうかと考えていたが、たまたま運命的な出会いを果たしたのが、DENHAMというブランドのデニム。ナオヤと彼のバイト先でご飯を食べた後にデニムが欲しいんだよねと呟いたら、そこに気になるデニムやがあると彼が案内してくれたのがそこだった。元来自分が好むパンツのタイプは、すっきりしたシルエットのものでそれにテーパードが効いているものがタイプである。クローゼットにかかるパンツの9割はそれである。しかし今回購入したのはストレートのシルエットのデニム。履いた瞬間にビビッと来たのだ。このデニムは自分の為に作られた。作られたはずではなく。自分の為に作られたのだ。またお金の話になってしまうがこれまでで買った一番高い服は、フランス軍のモーターサイクルコートだ。それでも3万程度だ。周りの服好きに比べたら大したことない金額だ。そしてこのデニム試着室で値段を見て、おしっこが漏れそうになった。六万円。まあ出せない金額でもないが、自分の為に作られたなどど抜かして買わないのは、値段が高かったときっと店員さんに思われるに違いない。その辺がなかなかに見えっ張りな自分は、ビールでほろ酔いなのもあって購入を決意した。このデニムにヘインズのTシャツ、ラルフのレザーブーツを履こうもんならもうそれは。たまらん。シンプルの中にこだわりのあるものが大好きなのだ。何度も洗濯をして毛羽立ってきたヘインズのTシャツの愛しさと言ったらもう。それに自分の履きぐせの付いたデニム、履き潰していい感じに革がクタクタになったブーツ。想像するだけで涎が止まらない。これを着用して農園で働くのがとっても楽しみだ。

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