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会社員 退職記(~2020年1月まで)

2020年1月

平日のお昼時、私はサラリーマンが行き交う新橋駅の近くにある焼肉屋さんでビール片手に焼肉ランチを平らげていた。

その日私は1年10ヶ月勤めた会社を早々に退社したのだった。

それから個人事業を開始し約1年が経った。

一年の振り返りを本記事にまとめようと思う。
一本の記事にするとかなりのボリュームになりそうなので分割して配信する事とする。

会社を辞めようと考えている人や起業に興味がある方がいればその後の生活の参考にしていただきたい。

簡単に自己紹介をすると、
元々は商社に勤めており化学品の営業職に就いていた。

就職活動の時は「年収が高く、海外との取引を経験できそう」という事で商社のみを志望して就職した。

その後地元の大阪に戻り、現在は吹田市で小さな学習塾を個人で運営している。

2020年の10月ごろ
当時勤めていた会社を退職する事を決意した。

理由はシンプルでサラリーマン生活に
飽きたからだ。

毎朝同じ時間に起きて、似たような仕事を行い夜になれば新橋でお酒を飲み歩く。そしてまた同じ日の繰り返しである。

月末になれば自分の銀行口座にお金が自動的に振り込まれる、悪くない金額だった。しかしそんな生活が私にとってはあまり面白味はなかった。

唯一の楽しみがあったとすれば、同期の仲間と自分の将来について語り合い

その実現の為に行動してその経過をお互いに報告する事ぐらいだった。

『一企業の人件費だった』

 私はかつて大企業(従業員1000人以上規模の会社、ある程度資本のある創業から50年以上が経つような会社)で働いている人件費の一部であった。

意外と働いていた時は気づかないが、社員は費用であり人件費や維持費以上の働きをしなければ企業側から考えるとその人を雇う事は赤字なのだ。

 収入源に関しては、自分の給与支払元が一箇所でかつ限られた人件費を社内の人間と取り合うという構造は明らかに年収に限界があると気づいた。更には昇給まで時間がかかり過ぎる。これも辞めると決める一要因となった。

昨今副業などと言われているがその選択肢はなかった。何故なら、人生の時間を1分でも早く企業の人件費から抜け出したいと感じたからである。

お金よりも身体・時間的自由を求めていた。

私は勢いのままに退職してしまった感が拭えない。

しかし、退職を検討されている方はまず副業から開始する事を強くオススメする。

後の記事にも記載するが、

お客様さえいればなんとか事業は成り立つ。

会社を辞めて独立する際はお客様を見つけてから独立されるのが良い。

その為に会社員として働きながら、副業で自分を信用してくれる(また自分が信用できるお客様)と取引を開始する事から始めた方が失敗のリスクは大きく減らす事ができる。

もし起業で大きく失敗する人がいるとすれば、お客様から信頼を得ずに一か八か起業してしまう人であろう。

机上の勉強だけではもちろん事は進まない、かといって自分のプロダクトを過信してはいけない。果たして本当に信用してくれるお客様はいるのだろうか。

小さくても良いのでリサーチをしながらプロダクトを改善していくべきである。

私の方法は危険性が高かった。

『これから就職をされる方へ』

結論、「入社する企業の事業収益が伸びているか、もしくは入社後に伸びる余地があるか」この点に関しては十分研究される事をオススメする。

その為に企業の損益計算、貸借などを読めるようになっておく事は必須のスキルである。

何故なら、個人は一企業の人件費から給料をいただく。
そのため企業の収益モデルが持続可能な発展を伴うかは将来の自分の給与にも関係するからである。
特にやりたい事はないが就職活動をしているという人は尚そのような視点から企業を見たほうがより良い就職活動ができるのではないだろうか。

私は学生時代損益計算書などを全く読めずに就職してしまったが、今振り返ると正直あり得ない。

但し株式会社は株主のものである事にも留意すべきである。

株式会社は利益を所有者の株主に利益を還元する事を第一とする事が基本であるため、人件費が優先度の後列にいる会社もあるだろう。

例えば、過去に企業の業績が伸びたときにどれほど社員に還元されたか、株主ファーストなのか?その時の役員、社長など経営陣は誰か?ぐらいは見ておくと今後その企業がどのような利益配分で会社を運営するのか分かるかもしれない。

『変わらない企業』

 大企業の仕事はこれまでのノウハウによって、その方法がマニュアル化がされおり仕事がし易いと感じる人もいるかもしれない。一方で仕事の方法はアップデートされておらず、ルールも非常に制限が多い事がある。

 具体的には私が所属していた化学品の課では仕入れ、お客さん共に数が多く課内での情報共有が困難であった。課のみで取引先は50以上、海外も含めると100社を超えていたかもしれない。そこで各担当者が抱える案件を課内で一元管理するために案件管理システム(SFA/CRM)の導入を独自で試みた。

しかし、これが中々社内稟議が通らない。

どうやら一課のみが社内で新しいシステムを導入する事に反対らしい。
いくら頼み込んでもトライアルすら試す事ができず、結局案件管理システムの導入は見送りとなった。(私の力不足もある)
「新しい事を始めるには、社内で足並みを揃えたい」らしい。

基本的に大企業の働き方は変わらない。

変わらないロジックはこうだ。

「これまでの仕事方法、企業風土で収益が伸びているのだからこれまでのやり方を踏襲する事が筋ではないか。」

というのが会社の考え方のようだ。

実際退職時に人事部から同じ言葉を言われた。

確かにこの事は一理あると感じる。企業が変わる瞬間とは社長や会長の交代や、収益が一気に落ち込み傷を負った時になるだろう。

しかし、この働き方が変わらない事は同様に

「組織構造が変わらない」事を意味する。

 これまでの仕事方法を踏襲する事はつまり、年次を重ねたその仕事方法に手慣れた者が出世していく事を意味する。所謂、年功序列制度が出来上がる原因は仕事方法の固定化にあるのだ。

昨今は能力給への切替を進める企業もあるが、ほとんどの企業は今後も長く年功序列が保たれるだろう。

ただ長く同じ方法をとっていた10年目以上の社員などが若手にまるで自分達が偉いかのように指導する場面を何度も見た。

それは彼が優れているのではなく、会社のシステムが優れており個人の価値が高いという事にはならない。長く勤めている会社員をその部分を勘違いしてはいけない。

これは今後私の元で働いてくれる方がいた時も肝に銘じなければいけない。
私が優秀なのではなく、教室を信用してくれる顧客、運営に携わる講師、社員の方が本体なのである。

自転車の運転練習に置き換えるとわかり易いかもしれない。

最初は誰もいきなり自転車には乗ることができない。

しかし、誰しもが練習量に比例して技術の熟練度は上がる。

自転車に乗れる人が優れているのではなく、誰でも乗れるように設計されている自転車自体が優れているのだ。
その人にしかできない仕事というのはごく一部であり、会社の殆どの仕事は誰かに置き換え可能である。もちろん青二才の私が辞めた事は会社にとって何も問題が無かっただろう。

これから私は皆に信頼される自転車を作る必要がある。

就職される方はこれからどの自転車(企業)に乗るかは非常に重要である。

これを現実社会に置き換えると、企業(自転車)にも優劣(ママチャリからロードバイク)がありどの自転車に乗れるかはある程度学歴で決まったりするのである。

そのため、中高生は学歴も大事だ。
大学生はもっと実務や社会経験を重要視すべきだろう。

確かに大企業の働き方は収益モデルとして優秀である。しかし、その固定化された仕事方法はいつか使い物にならなくなる。

更にはその働き方が新たな事業の芽を摘み取っていたり、事業の効率化を妨げる場合もある。

新しい手法をどんどん試したいという個人的な考えも以前の勤め先を辞めるきっかけとなった。

以上を理由として会社を辞めるという選択をした。

その時同時に「一緒に起業したい」と言ってくれた人がいた。

これ以降の記録は次回に持ち越す。

ここまでお読みいただき、貴重なお時間を頂きありがとうございました。

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