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うみの仲間たち ”The Little Mermaid”

奇跡のようなすばらしいとき 劇場の外 真っ暗な駐車場はがらんとして
月が煌々と照らす中 感動に打たれ世界でいちばんの幸福に包まれていた
うつくしくイモーショナル 彼女の意志的な姿勢に魂が喜ぶ

船のシーンから惹き込まれる 音の至福 紡がれる音楽に昂りは止まない
海の生態系のめくるめく美しさ 楽しくカラフル 豊かな描写に衝撃と感動
元気なサンゴをはじめ イソギンチャクやウミウシ 地域固有のいきものも
ウミガメや海獣 紐状ウミヘビに貝たち ひとつひとつが特別の輝き
回転に舞い上がる砂 水の中をなびく彩り 一緒に海中で遊んでいる心持ち

主人公に力みがない そう 生きているだけで人生はすでにhappyであった
好奇心はあなたをすてきなところへ運んで 心が示す方向へ素直でいやう
年を重ねるごとに ひとは無邪気さを取り戻してゆくが
心はいつでも やわらかな呼吸を待っている 知らなかった一面を開いて

ことなる文化や多様性 提示の仕方の妙 人びとの振る舞い方の違い
”知らない”状態を意識的につくること 映画や旅がいざなう扉
うつくしいひれは憧れの足へ 興味を持っていたものでも戸惑いは処処に
彼女の素直さが弾ける たとえば赤ん坊や動物が唐突に変身した瞬間に
近しさうな視点の入れ替わり いつもの市場や踊り 坂道が違って映る

ダークなUrsulaとドクウツボ 悪役は悪役に止まらない お洒落で魅力的
愛すべき点がふんだんにあるのは誰しもおなじ 吸盤に足のひらき

ミュージカルでも映画でもない 次元の違う空間 もっと歌を聴きたかった
あふれるドラマは心を掴んで離さない パワフルなキャラクターたちの調和
劇場は大いに湧き 上がる歓声 とてつもなくhappyな笑いの渦は幾度も 

淡い色調のドレス 引き締められたコルセット シャツの装い
周りの助け ”あの子にキスしちゃいなよ” 2匹と1羽のロマンチック演出
ラップの掛け合いは 日本のことばにはどのように置き換わるだろう
折々に古い仏映画のようなシーン 陸と海は接しながらも越えられぬ隔たり
子は父を離れてゆく 遂に訪れた送り出しのしずかなとき 餞

繰り返し観たビデオ・テープ フラゥンダーはきょうだい 私はアリエル
セバスチャンはいつでもそこにいて 心やさしいArielの物語は海への興味を
育んでくれた ”リトル・マーメイド”は心の内側の世界を形づくっている

”The Little Mermaid”(’23・Disney)
“Under the Sea” ”Part of Your World” “Kiss the Girl” 
“The Scuttlebutt” “Wild Uncharted Waters”

Halle Bailey(米・Ariel) Jonah Hauer-King(英・Prince Eric) 
Javier Bardem(西・King Triton) Awkwafina(米・Scuttle:Northern gannet シロカツオドリ 白鰹鳥 南方海域に住むカツオドリに対し、シロは北方に生息)彼女のおかげで久しぶりにおなかの底から笑った。ラッパー、女優、コメディエンヌ。中国系米国人の父と韓国系移民の母のもとNYに生まれる。幼い頃に母を亡くしたことが人々を喜ばせる道を開いたと(名前の由来:I’m very awkward, but it’s fine)
Rob Marshall 監督 “Chicago”は最高 “NINE”は好きなひとが出ているのに期待が大きすぎたか。今作は圧巻
Daveed Diggs(米・Sebastian:Christmas Island red crab クリスマスアカガニ) Jacob Tremblay(加・Flounder:Indo-Pacific sergeant オヤビッチャ)  Merkids Mermaid Merman

・事前情報なく劇場に行き、3時間超の大作だったのかなと思っていたら、劇場で流れた広告の長さによる体感だった(2h15。小さなお子さんは集中力が途切れ、トイレや売店に出て行ったり)。アメリカの映画館は本編開始まで30分超宣伝が続く。新作映画のほか、小売店などのものも。
・みなチケットと一緒に巨大な袋入りポップコーンも買い求め、フレーバーシロップをたっぷりかけてつめたい飲み物とともに座席に着く。
劇場内ではアメリカの人はスマフォを操作し(ライトが眩しい)、アフリカの子はArielが歌った曲を即検索して流したりと賑やか。

NZイラストレーターのサンゴ本(グラフィック・ノベル)
与論島(パナウル島、サンゴ)


Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛