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北と南だけじゃなかった、いろいろありすぎるインド料理 vol,2

『 北インド料理 = 小麦粉が主食、ギーオイルを使ったこってり濃厚な味付けが特徴
  南インド料理 = 米が主食、ココナッツオイルを使ってサラッとあっさり食べられるのが特徴 』

知っている方も多いと思います。
でも、

実は、そんなどころじゃないんです。

今回は、ひろくてたくさんありすぎるインド料理第二弾です。


“ ヒンドゥー教最高位たちが築き上げた魅惑の料理 ”

ジャンム・カシミール州には、前回紹介した『 チベット料理 』ともうひとつ代表的な料理『 カシミール料理 』があります。
歴史も伝統もとてもふかい料理です。

カシミール

カシミール料理は、ベジ・ノンベジ両方の料理があります、お肉を食べないヒンドゥー教徒が多く住んでいますが、この地域には、ヒンドゥー教の知識人パンディットのひとが多く、独自の食文化『 カシミール・パンディット料理 』が発展していきました。
ウズベキスタン・中央アジア・イラン・中東・アフガニスタンから影響を受け、美しく、儀式(Wazwan Feast)とともにある料理です。

お肉を食べないとさせるヒンドゥー教ですが、パンディットたちはマトン(ここでは羊肉)を食べます。かつては、マトン肉・いのしし・野鳥の肉のみを食べていたそうですが、最近では鶏肉も食べます。
パンディット料理は、ゆっくりていねいに時間をかけてつくるのが、基本。ヨーグルトにお肉をつけこみねかせ、そこから調理していきます。
また、お肉のほかに魚も食べます。つかう魚は主に2種類、鯉の一種であるローフーとマス(トラウト)の川魚です。ローフーは焼いたり揚げたり、マスはカレーにします。

パンディット料理は、たまねぎ・にんにく・トマト・たまご・鶏肉はつかいません。
時代のながれとともに、鶏肉はつかわれるようになりましたが、そのほかの食材は現在もつかわれないままです。

フェンネル・カルダモン・スターアニス・ジンジャーパウダー、そして、サフラン、リッチなスパイスつかいで贅沢な味わいが特徴ですが、カレーとあわせる主食は、「 米 」なんです。
カシミール地方はバスマティライスの産地でもあり、ほかの産地のものよりもしっとりとした食感と豊かな香りが特徴です。


“ これぞ、スパイス料理 “

南インドタミルナドゥ州にも、『 タミル料理 』のほかに代表的料理があります。

タミル

『 チェティナード料理 』
日本ではまだまだききなじみがありませんが、インドを代表する料理です。

チェティナード料理といえば、やっぱりスパイス。数あるインド料理の中でももっともスパイスを多用し、複雑な味わいをつくりだしています。
スターアニス・ホールレッドチリ・フェンネルシード・シナモン・クローブ・ベイリーフ・胡椒・クミンシード・フェヌグリーク。
そして、チェティナード料理でしか登場しないスパイス「 ドライフラワーポッド 」・「 カルパシ(ブラックストーンフラワー)」このふたつは欠かせません。

チェティナード地域は、18世紀~19世紀にかけてマレーシア・ミャンマー・スリランカと貿易をさかんいおこなっていました。それぞれの地域から食文化を持ち帰り、独自の新しい食文化を築き上げていきました。
そうしてできた食文化はふたたび海をわたり、それぞれの地域にもまたひろがっていきました。ミャンマーやマレーシアにもチェティナード料理店があります。

干し肉や塩漬けした野菜をつかってカレーをつくります。
「 ウプカリ 」塩カレーはチェティナード料理の代表的なひと皿です。
また、魚・かに・エビなど魚介類や、キジ・うずら・うさぎ・ターキーなどが登場するのも特徴です。

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主食は、「 米 」
また、お米からつくるドーサ・アッパム・イドゥリ・イディアッパムもたくさん食べられます。

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赤米でつくったミルク粥「 ライスプディング 」も有名です。
ミルクなど乳製品もおおく、スパイスをたくさんつかうカレーの熱を弱めてくれる「 バターミルク 」は定番の飲み物です。


“ ビリヤニの本場 ”

トルコの代表的料理といえば、ピラフですよね。
アーンドラ・プラデーシュ州『 ハイデラバード料理 』でもっとも代表的料理は、インドの炊き込みごはん「 ビリヤニ 」です。

アーンドラ


この地域は、イスラム藩主が繁栄をきずいたこともあり、トルコ・アラビア・ムガール帝国からおおきな影響を受けました。 トルコ料理のピラフ、ビリヤニはピラフから影響をうけてうまれました。

バスマティライスをつかい、スパイス入ヨーグルトによく漬け込んだ羊肉と一緒に炊き上げます。

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乾燥レッドチリ・フレッシュグリーンチリ・ターメリック・クミン・コリアンダーシード・マスタードシード・フェヌグリーク・クローブ・カレーリーフ、ハイデラバード料理でもたくさんのスパイスがつかわれます。
なかでも、ピーナッツやゴマなど濃厚な味わいをつくりだす素材 × ココナッツ・タマリンドといった南インドならではなスパイスの組み合わせは、特徴的です。

また、この地域ではイスラム料理もおおく、小麦・レンズ豆・肉を煮込んだ料理「 ハリーム 」が有名で、断食をするラマダン期間の合間によくたべられています。
そのほかにも、羊肉をつかったキーマカレー「 ドゥム・カ・キーマ 」や玉ねぎのカレー「 ドピアジ 」なども有名です。

「 ドゥム・カ・キーマ 」
ドゥム = 密閉して火にかける
カ = ~の
キーマ = ひき肉のカレー

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「 ドピアジ 」
ド(ドー)= 2
ピアジ(ピアージ)= 玉ねぎ

ヒンディ語で名前がつけられています。


“ 沿岸部のミックスされた食文化 ”


南西部沿岸のゴア州、かつてポルトガルの領地だったこともありユニークな食文化がうまれました。

ゴア


「 ポーク・ビンダルー 」・・・豚肉とビネガー、スパイスと一緒に煮込んだカレー、ビンダルーとは、ワインビネガーにマリネする意味。
「 ゴア・フィッシュ・カレー 」・・・魚とココナッツとスパイスで煮込んだカレー、タマリンドの酸味が特徴的な味わいのきめて。

『 ゴア料理 』を代表する料理がこのふたつです。


魚介・ココナッツ・トマト・じゃがいもなど宗教からくる食事制限の影響をうける料理もあまりないのがゴア料理の特徴です。
そして、チリ(唐辛子)をたくさんつかいインパクトある味わいです。

主食は「 米 」ですが、とくにかかせないのがお米の蒸しパン「 サンナ 」です。
南インドエリアでよくたべられているイドゥリに似ていますが、ココナッツミルクを入れるのがゴアのサンナです。

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また、ゴアはアルコールの規制がなく、酒税もありません。
インドではめずらしく周囲の目を気にせずお酒を飲むことができます。


“ みんなだいすきドーサ発祥の地 ”

インドのIA都市バンガロールがあるカルナータカ州、『 カルナータカ料理』

カルナータカ

北と南で食べられているものが少しちがいます。

北部エリアでは、全体的に素朴な料理が好まれています。
小麦や雑穀が主食で、ロティ(薄く焼いたパン)の種類がたくさんあります。
モロコシ粉でつくった「 jolada rotti ジョラダ・ロティ 」が代表的でナスカレーと一緒にたべるのが一般的です。

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「chiroti チロティ 」は、隣接するマハラーシュトラ州とともにお祝いごとのときに食べられていて、揚げた渦巻き状の生地をシロップに漬け込んだスイーツです。

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一方南部エリアではお米が主食で、「 マサラ・ドーサ 」発祥の地でもあります。
沿岸部ウドゥピ地方・マンガロール地方と南部マイソール地方、とそれぞれに代表的な料理があり、南エリア全般でたべられています。


「 マイソール・マサラ・ドーサ 」
米粉を発酵させてうすくクレープのように焼きあげるドーサですが、内側にチリ入りのスパイスペーストをぬるのがマイソールスタイル。
スパイスであえたポテトがなかにはいっていて、レッドガーリックチャトニ(ソース)と一緒にたべます。

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「 ニール・ドーサ 」
「 ニール 」とは「 水 」の意味。
通常ドーサは、米粉を発酵させて焼きあげますが、ニール・ドーサは発酵させません。
やわらかくしっとりとした食感がカレーになじんで、スパイスの香りをひきたてます。

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「 ウドゥピ・サンバル 」
南インドの定食ミールスにかかせない、サンバルスープ。日本でいうお味噌汁のような存在です。
豆と野菜、スパイスで煮込む比較的やさしい味わいではありますが、ウドゥピ・サンバルは、甘さとスパイシーさがアップされています。

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「 カネ・ラヴァ・フライ 」
魚のフライ。
スパイスに漬け込み、セモリナ粉をまぶして揚げます。

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“ まだまだ語りつくせない . . .!!”


まだまだあります、インド料理。
次回vol,3もどうぞお楽しみに: )

ここまで読んでくださってありがとうございます。
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