偉そうに男女平等を叫ぶマスコミはちっとも女性を登用していないお話。
意外に古いぞ、男女雇用機会均等法
雇用における男女差別を禁止する法律である、「男女雇用機会均等法」が制定されてから何年経っているか皆さんはご存知だろうか。
答えは「38年」である。(1985年、改正前の勤労婦人福祉法を含めると50年)
従来日本では、「男が家計の大黒柱になり、女は家庭を守る」という性的役割が非常に根強かったものの、男女平等意識の高まりや、少子化で働き手が減少していることから、「男女ともロールをシェアしあおう」という流れが最近の世の中の主流である。
社説では偉そうに言うけれど
ところで、新聞の社説では、時折「〇〇は女性の登用が全然なされていないぞ!けしからん!」みたいな主張がなされることがある。
例えばこんな具合である。
これは毎日新聞が大学の研究者に女性が少ないことを嘆いた社説の一節である。タイトルの「多様性こそ創造の源泉」とはなかなかうまい表現ではないだろうか。文字で社会を動かす新聞社にも当てはまりそうである。
そこで。毎日新聞の役員一覧を見てみよう。
…女性と思しき名前が全く見当たらないぞ?多様性は?創造の源泉はどこいった?
隗より始めるべきなのでは
実はメディアに女性役員が少ないのは、毎日新聞社だけではない。他の新聞社やテレビ局も同様である。2021年に朝日新聞が調べた記事がこれだ。
左派的な論調の毎日新聞に女性役員がおらず、保守的な論調の読売に女性役員がいるのはなかなか興味深い。日経新聞はしょっちゅう「日本企業は女性活躍させろ!」的な記事を書いている印象があるが、女性役員ゼロである。
ところで、こういう記事が新聞社自ら出てくるということは、メディア各社は全くの無自覚で社会に対して「男女平等じゃないぞ!ケシカラン!」と言っているわけではないことがわかる。
しかし、「自覚してるのならなおさら男女平等に向けて取り組めよ。日頃偉そうなこと言ってるのだから」と思わないだろうか。世の中他人を批判しているのに、自分ができていないことは大きな非難を浴びがちなものである。
まず、メディアが「隗より始めて」みたらどうだろうか。それをやってこそ自分たちの主張の説得力は増すだろうし、メディアへの信頼も高まるだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?