見出し画像

12/10 「知らないを知ることがボクらをつくっていく」

稲城にこれからインクルーシブ公園ができるのをきっかけに、「インクルーシブ」ってなんだろう?心がひらく居場所、遊び場って?いろんな人が地域で一緒に暮らしていくには?を学びながら考える3回講座。

最終回はNPO法人SUPLIFE代表で歌手の美保さんを豊島区からお招きして、インクルーシブの現在地と、目指す未来をみんなで対話しながら共有しました。

多様なあり方を認め合う全員参加型の社会
お互いを認め合い育ち合う社会

心をつなぐ歌とダンス、子どもたちの笑い声も泣き声も響き合う温かい空間で、参加してくれた方一人一人の優しさや願いを共有し合う素晴らしい時間になりました。

長女の出産を機に一度は歌手活動を辞めた美保さん。
でも、次女がダウン症を持って生まれて来た時に感じた葛藤と苦しさ、、、
ダウン症のある幼なじみと共にいたにも関わらず、「障がい」は自分には関係のないことだと思っていたこと、障がいに差別偏見もなかったけど逆に興味もなかったこと、そして、この世が障がいのあるなしで分断されていたことにこの時初めて気づき、歌やダンスで障がいのある子とない子をつなごうと決意。
エンターテイメントを通していろんな子がいることを自然に知ってもらえて、心の壁がなくなるといいなと願いを込めながら活動する中で、多様な個性と特技を持つ仲間と出会い、2018年NPO法人SUPLIFEを設立。

美保さんの自己紹介より

行政独自で初のインクルーシブな要素を取り入れたとしまキッズパークの企画にも当事者の声を届けながら尽力されました。
真ん中にある汽車に乗っている耳の聞こえない子、それを見ている耳の聞こえる子が大きく手を振り合う交流、ジェスチャーでのコミュニケーション、、
子どもたちは「合理的配慮」を知らなくても、遊びを通して勝手に考え、新しい自分たちの世界を作り上げ、どんどん育ち合って行く姿を目の当たりにしたと言います。

水戸岡デザインの汽車があるとしまキッズパーク!!
シルバー人材の方が協力、活躍してくださっています
発電自転車!
小さい子や日光が苦手な子もOKの屋根付き木育コーナー

大人がその機会を取り上げちゃいけない、諦めちゃいけない。
としまキッズパークの開幕式の時の豊島区長の言葉、「100%のインクルーシブを叶えることは難しいかもしれない。でも、豊島区の第一歩として、できることから、この小さな公園から始めてみようじゃないか」というメッセージが、自分の願いにも重なって胸が熱くなりました。

子どもたちの見守り協力にも感謝

重度知的障害で運動発達遅延の長男と、運動神経抜群の次男をどう一緒に遊ばせよう?楽しませられる?という悩みがきっかけで、子育ての理解者や協力者を増やしていこうとインクルーシブフォレストを始めた私は、子育てで感じてきた苦しみも喜びもひっくるめて共鳴する思いしかなくて!初対面にも関わらず長年の親友に再会したような安心感でした。

2022年の4月から地域の小学校の「普通級」に進学したかのんちゃん。
「苦労するのは子ども」「支援級の方がいいのでは」という大人の声に心を乱されながらも決断し、支援担当の先生が決まるまでの3ヶ月間、毎日学校に付き添った美保さんの体験談は、インクルーシブの綺麗事ばかりじゃない現実と難しさ、実践からしか見えてこない希望を如実に伝えてくれました。

親子で厳しい言葉をかけられても、法や権利を理由に対立するのではなく、「先生と友達になりたい!仲間になりたい!!!」と心でぶつかってきた美保さん。

「知らないことを知ってもらうのは本当に大変」
「自分の思いを包み隠さずに言うのは実は怖いこと」
「でも、安心できる場所なら言える、お互いに慣れていくことが大事」

40分椅子に座っていられることを目標にするのではなく、学校に慣れることを目標にしたかのんちゃん。

「なんで喋れないの?」と、喃語が不思議だという子どもたちのストレートな気持ちをぶつけられ話せなくなった時もありましたが、出来事発表の時、頑張って手をあげて話して、クラスのみんなに「よかったですね!」と受け取ってもらえた経験が自信になり、発表が好きになったと言います。
子どもたちの耳も喃語に慣れてきて、意味を理解したりコミュニケーションがスムーズにできるように!

結果的に、3ヶ月の付き添い期間で大きく変わって行ったのは「学校」。
美保さんも子どもたちの成長がよく見え、勉強になることがたくさんあったそうです。
子どもたちが自然と育ち合うことに希望を感じつつ、子どもたちだけではうまくいかないことは大人が一緒に考えたり、伝えたり、繋いでいければ、いじめられない。いじめない。

最後に円座になって、参加者同士で自己紹介や感想などをシェア。
立場も年齢も違う人同士が、お互いの声に耳を傾け、言葉にして伝えることの意味、気付きや共感を広げていくことの可能性を感じられる温かい時間でした。
美保さんがオリジナルソング「ブドウの実」とyoasobiの「ツバメ」を歌ってくれて、みんなで歌詞にジーンとしながら、歌って、踊って、手拍子して、笑いあり涙ありの素晴らしい会になりました。

HOME MADE 家族のKUROさん作詞のブドウの実
歌詞が素晴らしい
ツバメの歌詞もいい みんなノリノリニコニコ

知らないを知ることが、「友達」と「安心」と「インクルーシブ」を作っていく。
それぞれの地域で、それぞれの関係性の中で、どんな人も自分らしくいることが許され、肯定されていくように。
私たち大人がインクルージョンの機会や可能性を潰していかないためにも、インクルーシブフォレストは地域の中に遊び場や学び場を作り続けて行きたいと思います。

そして、地域を越えて、それぞれができることを持ち寄り、願いを共有しながら連携して行けますように。

美保さん、ありがとうございました!!

SUPLIFE主催、バディーウォーク東京for all
来年度は2023年3月25日(土) 12時~ 16時
代々木公園 ケヤキ並木通りで開催されます!


*参考*

合理的配慮ってなんだろう?


インクルーシブ・フォレストの活動資金として、大切に活用させて頂きます。ぜひ応援の気持ちを寄付としてお寄せ頂けるとうれしいです。