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自然に囲まれながら、カナダの教育について学ぶ

はじめまして。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所でボランティア中の大学生、カズマです。今回のワークショップでは、「多様な社会を築くために、今、子どもたちに何を教えるべきか」というテーマで、加藤まり先生からカナダの教育について学びました。里山でのレクチャーを通じて、カナダから一時帰国中の加藤先生から貴重な学びを得ることができました。このワークショップはオンラインとのハイブリッド形式で行われ、参加者たちの熱気に満ち溢れました。

私が選んだ今回のワークショップにおけるキーワードは、「普通」「多様」です。

「普通」とは、一体何を指すのでしょうか。

-朝はハーブティーを飲むこと
-改札は一番左を通ること
-右手の親指の爪は最後に切ること…

これらが普通ではない、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、このような行動は私にとっての「普通」なのです。つまり個々人がそれぞれの「普通」を持つということを理解することが重要です。言い換えれば、他者と異なる「普通」こそが、実は普遍的なものなのです。

では、なぜ人々が他者の「普通」に批判的になるのでしょうか。Chat GPTに聞いてみると、いくつかの要因があるそうです。例えば、社会的な規範や期待、不確実性や恐れ、慣習や保守性、グループの一体性、認知の負荷などが挙げられます。

加藤先生曰く、多民族国家であるカナダでは、この「普通」を尊重し合う文化が根付いているそうです。

多様性とは、言い換えれば「普通」の数の多さであり、この観点から見ると、本来は必要のない言葉かもしれません。それでも、この言葉が今フィーチャーされているのは、誰かの「普通」を認める、そんな当たり前の社会ではないからなのでしょうか。

「普通ってなんだよ。それぞれのルーツがあんだよ。はみ出さない様に生きるって、苦痛なんだよ」

by ケツメイシ

少し長くなりましたが、最後に今回のワークショップに参加した方の感想を紹介します。

・最初のアクティビティ(いろいろな文化の人がいる社会)では、文化や習慣や物事の考え方、捉え方の違いなどを言葉だけではなく五感で感じることができました。きっと同じように日常生活もお互いが無意識に五感で物事を感じたり判断したりしているのだと思います。また、集団のなかでの個の違い、マジョリティの中のマイノリティを、排除するのではなくどのように認め合えるのかを、色々な視点から考えていかなければならないと感じました。とても楽しく学ぶことができました。ありがとうございました。
里山での対面だったので、のびのびとしながらも集中できる環境で受講することができました。今後も精神や知的に障害のある方や肢体不自由の方、貧困や虐待や国籍、性自認、性的志向、ヤングケアラー、障害のある方のきょうだい等々あらゆる多様性のある方が取りこぼされることなく、すべての方にとって生きやすいインクルーシブな社会になるよう取り組んで発信していただけると嬉しいです。【障害のある方の支援施設の支援員】

・ワークショップを通じて、カナダと日本の教育の違いを知ることができ、大変勉強になりました。特に印象に残ったのは、様々な国にルーツを持つ生徒が多いカナダでは、子どもたちが通訳をしながらそれぞれの母国語で授業を受けるというお話です。日本では同じ日本人同士でもこのような授業内での交流、すなわちインクルーシブなアクティビティは無く、先生の話を一方的に聞くような授業体制となっています。さらに、私がアルバイトをしている塾の生徒に聞いた話だと、最近は授業内でのタブレットの使用が当たり前になり、生徒は先生の一方的な話を聞く代わりにYouTubeを如何にバレないように見るかに徹しているそうです。そんな生徒同士の繋がりがより希薄になりつつある日本の学校教育の現状にこそ、カナダのようなインクルーシブ教育が必要なのではないかと思いました。【学生】

・Diversityや、自分を知り、人を知る試みが浅い日本は、その機会を逃してまでも、3と7の学習に力を入れ、進んでいる気になっています。けれど、深く相手や自分を知り、多様性を理解しないまま、学校の“みんな同じにさせる教育”や“違うものを阻害する社会”にでるから、不登校やうつ、メンタルを病んで休職する教員や会社員が増加しています。多様性は自分や他の人への思いやりや、優しさ、人の立場に立って物事を考える力だと思います。それは一番優先すべき教育ではないのかと思いました。教育や仕事に取り込んでいきたいです。【英会話講師】

・将来自分の子供には、今日知ることができたカナダで行われているような教育を受けさせたいと思いました。教育は、その子の人生を変えるため、閉鎖的ではなく開放的な人になれるような教育に感激しました。【学生】

・オンライン参加でしたが、細やかにカメラ移動などもしてくださって臨場感たっぷりに参加することが出来ました。【議員秘書、行政書士】

・100点満点でした。今後もMari先生にいろいろ学びたいです。【出版会社、編集長】
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NPO法人日本インクルーシブ教育研究所では、インクルーシブ教育について学ぶ『多様な発想支援士養成講座』を主催しています。インクルージョンやダイバーシティを学ぶ多様な発想支援士養成講座は、一緒に生きることについて考えながら、人々がゆるやかに繋がっていき、社会全体で子ども達を支えていけるよう、インクルーシブ教育について学びます。すべての子どもと大人が幸せに暮らしていけるヒントをつめこんだ動画視聴講座です。毎月25日までにお申し込みいただき、翌月1日から3ヶ月間ご視聴いただけます。詳細はホームぺージからご覧ください。多様な発想支援士養成講座

また、2024年6月18日から始まるソーシャルライティング講座では「コミュニケーションがうまく取れない」「人との関わりが苦手」「こだわりがある」「パニックになりやすい」など特性のある自閉スペクトラム症の子どもたちにスムーズに伝えることができるように、原田さんと私(中谷)が特性理解やサポート方法、伝え方のポイントを解説しながら、グループワークを通して学んでいきます。オンラインライブで学ぶ自閉スペクトラム症の子ども達への伝え方を学びます。定員10名のためお早めにお申込みいただいた方が良さそうです。ソーシャルライティング講座2024

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