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インクルーシブに #2019年振り返り 〜inclueメンバーで話してみた〜

こんにちは。inclueです。

2019年ももうすぐ終わり。皆さんにとって今年はどんな1年だったでしょうか?



私たちinclueは、“人々が常識を見つめ直し、インクルーシブになる「きっかけ」をつくる” メディアです。



今回は、私たちの目指す世界の状態「インクルーシブ」をテーマに、2019年はどんなことがあったか、メンバーのきのぴーとひかるで話し合ってみました。



1. 上野千鶴子さんの東大入学式祝辞 - 4/12

ひかる(以下 ひ):きのぴーが今年印象に残っている出来事って何?
きのぴー(以下 き):個人的には、4月に東大の入学式で上野千鶴子さんが祝辞を読んだことは大きな変化だったなあ。
ひ:私もとても印象に残ってる!


き:今年は4月から9月まで留学でイランにいたんだけど、その時もSNSとかでジェンダーのニュースはずっと見てて。その中でも、上野さんの話はインパクトが大きかったね。

ひ:きのぴーはニュースとかを見てて、どんなことを考えたの?
き:いろんな人が言ってきたことだけど、「ジェンダーや男女格差の話が、いろんなテーマの内の一つとかではなく、一番目立つところにも出られるようになったんだな」って思った。男性比率の高い東大で、「上野さんに祝辞を読んでもらおう」って意思決定がされたことがすごい進歩だよね。逆に、祝辞を読んだだけですごい進歩に思えてしまうのは悲しいけど。。。

き:今月発表されたジェンダー・ギャップ指数※で、日本は昨年の110/149位から121/153位に順位を落としていて、他国と比較すると相対的には後退しているから、まだまだ男女平等への壁があるように感じてしまうね。

※ジェンダー・ギャップ指数・・・世界経済フォーラムが2006年より公表しているレポート Global Gender Gap Reportにて公表されている、世界の各国の男女間の不均衡を示す指標。
(引用:Wikipediaより)

ひ:そうだね。進歩を感じた一方でより難しい現実を突きつけられているね。




2. 重度の身体障害を持つ国会議員の誕生 - 7/21

き:ひかるはどんなニュースが特に印象に残ってる?
ひ:7月の参議院選挙で重度の身体障害を持つ国会議員が選出されたことは印象的だったなあ。
その頃ちょうどフィンランドの障害者支援コミュニティでボランティアをしていたこともあって、とりわけ関心が高かった。

き:#北欧をまなざす でも「障害者福祉」をまなざしたnote書いたよね。

ひ:そう!このnoteを書いている時期にちょうど参院選があったんだよね。
彼らが選出されたことがきっかけで、彼らが国会で活動できるためにバリアフリー整備が進んだり、障害を持っている人の視点から国会答弁がなされたりするようになっていると知った。

一方で、「障害者に国会議員が務まるのか」「(整備のために)余計に税金を使うのは良くないんじゃないか」といった意見もあった。個人的にはその意見があることに悲しいと思ってしまったけれど、現実彼らが当選して前線で活動することは「誰もが政治に参加できる社会」に近く一歩だと感じている。

き:確かになあ。フィンランドのボランティアで得た気づきもあってそう思うようになったのかな?

ひ:そうだね!タポラ(ボランティア先の名前)で、「障害を持つ人々との関わりすべてにおいて、無意識に(一方的な)支援する・されるの関係性を当てはめてしまうことが最も恐ろしい」と学んだ。

確かに彼らが必要としている支援はあるけれど、「障害者だから〇〇できない」のイメージが先行しすぎてあらゆる可能性をないものとみなしてしまっている現実は変えていきたいって強く思う。





3. 京都アニメーション放火事件 - 7/18

ひ:他に、よく覚えているニュースとかあったりする?
き:京都アニメーション放火殺人事件が衝撃的だった。みんな事件の概要は知っていると思うけど、その時巻き起こった2つの議論がすごく考えさせられたんだよね。

き:1つ目は、「命の重さってみんな同じ?」「人によって命の扱いが変わるのは悪いこと?」って話。

最初、アニメファンを中心にたくさん悲しみの声が寄せられていて、3年前に津久井やまゆり園で19人が亡くなった相模原障害者施設殺傷事件とは「雰囲気が違うな」「扱いに差があるな」と感じたんだ。同じような意見がTwitterにもあがっていて。
障害者(やまゆり園)と違って、よくない扱いをしていると思ったが、有名人が死んだら他人が死ぬより悲しいのと同じだと思った。

法や制度が人命の重さを平等に扱わないのはダメだけど、個人が行動に起こさない範囲で、どう感じるか、どう思うかは自由。むしろ、家族や友人の命を他人より優先するのは自然だなと思うようになった。

ひ:なるほどなあ、確かに自然だな。


き:2つ目は、実名報道が強行されていてNHKが批判を浴びた話。あれはすごくマズいことをしているように報道されて、プロセスは最悪だったと思うけど、匿名報道だと「〜県の〜歳くらいの誰かが死んだ」ということしか社会に伝わらなくて忘れられてしまうから、匿名報道自体が悪いとは言えないんだよね。

負のエピソード・歴史を社会に残す意義は確実にあると思ってるよ(プライバシーの問題はもちろんあるけど)。




4. 外見で人を差別するルッキズム

き:ひかるも他に気になったニュースはあった?
ひ:ある一つの出来事というわけではないのだけれど、ツイッターで良く見かけた外見で人を差別したり偏見を持ったりすることについての議論はずっと気になっていた。これはいわゆるルッキズムなのかな?6月にこのツイートを見てより考えさせられた。


き:あ〜見たことあるなあ、最近だとこんなツイートを見かけた気がする。


き:外国人の話す日本語をバカにしていると受け取れるものや、おじさんだから気持ち悪いというイメージを促すものなどが笑いのコンテンツとして消費されているのはとても悲しいね。

ひ:本当に悲しい。。。エンタメ以外でも、例えば道ですれ違った他人対して「あの人の脚太くない?」とか「あの人太ってるのにこんな服着てふさわしくない」と言う人がいるように、外見で勝手に人を評価して蔑むことが許されていることに、この1年でとても気付かされた。7ヶ月間いたフィンランドでは外見で人を差別的に見下すことが滅多になかったから、アンテナが立つようになったのかもしれない。


ひ:ルッキズムの問題は女性や障害者に対しての差別問題と比べるとまだ「問題」として認識されていないと思うけれど、私は外見を理由にして差別することは「常識」であってほしくないから、この常識を見つめ直し続けたいなあ。

き:そうだね、inclueがやりたいことってまさにその「常識を見つめ直す」きっかけを作ることだなって改めて実感した!




おわりに

2019年、振り返ってみるとたくさんの出来事がありました。

私たちの目指す「インクルーシブな社会」に近づくものもあれば、そうでないものも。


今までも色々な常識や在り方を見つめ直してきましたが、これからもっともっとしていきたい ––– 改めてそう実感します。



今回取り上げた4つの出来事について、あなたはどう思いますか?他に印象的だった出来事はありますか?

コメントやツイートで気軽にお聞きできたら嬉しいです。






2019年、大変お世話になりました。2020年もどうぞinclueをよろしくお願い致します。

みなさんが良いお年を迎えられることを、心から願っています。



いつも応援ありがとうございます! サポート代は取材費用に使用させていただきます。