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【詩】新品同様の朝に

 新品同様の朝に
 君の影なんて
 似合わない。
 君から
 離れる選択をしたのに
 僕の視界に収まる
 価値なんて無いんだ。

 コーヒーの湯気に
 雛鳥の鳴き声が重なる。
 オレンジ色の輝きに染まる
 洗濯物だらけのベランダ。
 柔軟剤の香りは
 あの頃から変わらないけど。

 君はもういない。
 自分の中で粛清した。
 だけど 白蟻の様に
 僕の中に巣食う影はあった。
 あぁ、誰が
 僕の心臓を潰してくれないか。

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