見出し画像

【詩】セシル

 ポッドキャストに耳を傾け、
 夜風に紛れたセシルは笑う。

 狐の目尻は星を見上げ、
 白い肌は冷気を透す。
 甘い香りの香水に、
 タバコの苦みが混じって巣食う。

 黒色に染まった日常、
 セシルはそれでもめげなかった。
 煙の中の輝きを探して、
 暗闇に中を歩いている。

 自分で蒔いた種なのに、
 人のせいだと思うしか無かったのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?