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初心に戻るタイミングは、何度も来ない。

人生経験を積めば積むほど、未体験のことをするのが、怖くなります。

新しいことを始めようとしても、何かと理由をつけて避けてしまい、いつの間にか一生手をつけずに終わってしまうことがあるでしょう。

もしくは、他人に「やめておいた方が良いよ」と言われて、諦めてしまうこともあるでしょう。

最近の僕も、「未体験のこと」に手を出すのが怖くて、自分の慣れた仕事だけをやって、そこそこ安全に生きています。

未体験のことをやらなければ、自分を守ることができます。

難しいことをやらなければ、恥をかいたり怒られたりしないで済むし、努力が報われなくて悔しい思いをすることもありません。

そこそこの自己肯定感を持って生きることができて、何かに悩んでいる人よりも、自分が上のように感じたりもします。

しかし、そんな自分の姿は、いつしか虚像だと気づくことになります。

それに気づく瞬間は、他の誰かが自分の夢を叶えたときです。

そんな人たちを見ると、本当の自分の思いと向き合うことになります。

「本当は、自分だって彼らと同じようになりたい」という気持ちに気づくと、自分の虚しさがくっきりと浮かび上がってきて、未体験のことから逃げてきた自分、挑戦してこなかった自分を恨むことになります。

僕は、ここ数年、そんな思いをごまかしていました。

そのせいで、何か新しいことを達成することはなくなっていきましたし、何かに命を燃やすような気持ちになることもありませんでした。

そんな日々に気づき始めた頃、数年前の自分の姿を思い出すようになり、今の自分とのギャップを自覚することになります。

かつての自分は、やったことのないことばかりしていました。

一人で東京に暮らすこと、新しい仕事、作ったことのない料理など、毎日が未体験の連続で、大変で不安で、怒られたり恥をかいたりする日々でしたが、振り返ってみると刺激的な毎日でした。

未体験のことをやる恐怖もありながら、どこかでワクワクしている気持ちもあり、右も左も分からない中で奮闘することに燃えていたのです。

今の自分は、よくわかっていることにしか手を出さないため、なるべく体力を消費しないようにすることばかりを考えていました。

そこで、「初心に戻る」必要があることに気づきました。

未体験のことに怯えないように、また新たな自分に出会うために、後悔を繰り返さないように。

初心とは言っても、数年前の自分です。

もっと時間がたってしまうと、さらに戻りにくくなると思うので、僕はここで原点回帰することに決めました。

そう決めてからは、とても毎日がほどよく刺激的でエネルギッシュになっています。

人それぞれ、初心に戻るタイミングはあります。

ただ、そのタイミングは、何度も来るものではありません。

「見つけた!」と思った時、絶対に逃さないようにすることが、自分ができる、最も重要な勇気なのかもしれません。

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