誕生日は、いつもと違う関わり方ができるチャンス

誕生日を祝うことは義務なのかというと、それは違います。祝いたい側に気持ちがあれば、祝えばいいのです。そうでなければ、「おめでとー」という、一応言ったよ感で溢れた、乾ききった言葉を言えばいいのです(笑)。

しかし僕は、人の誕生日を祝うことが好きです。その理由は、いつもと違う関わり方ができるからです。いつもなら、ただの友達、仲間、恋人などの関係で、ある程度会話のテーマも決まっているため、それを大きく逸脱できるというのが魅力です。

もちろん、いつもと同じような感じで接するのも人間関係の魅力ですが、誕生日などで大きく逸脱した時に見せる驚きや、嬉し迷惑そうな顔、いつも通りではなかなか見られない反応を見るのが面白いです。

僕は１年で数十人の誕生日を祝っていますが、絶対に意識しないといけないことがあります。それは、人の喜ばせなきゃいけないと思わないことと、見返りを求めないことです。

人に何かを与えることで、その人が確実に喜ぶかどうかは分かりません。もし反応が薄ければ、自分がせっかくした行為を後悔してしまうかもしれません。最悪の場合には、相手を責め立てることだってあり得ます。

見返りを求めてしまう気持ちは分かりますが、これも不満を生みます。僕はたくさんの人の誕生日を祝っていますが、僕の誕生日を祝う人はほとんどいません(笑)。誰かの誕生日を祝うとかそういうことが、嫌いな人も面倒な人もいます。

なので僕は、いつもと違う関わり方ができるチャンスとしか考えていません。だからこそ、むやみにパイ投げをしたり、涙を誘ってサプライズするような、僕が望まない関わり方はしません。僕は本当の意味でハッピーバースデイにしたいがために、とにかく長い時間笑ってもらえるように、何日も考えて案を出し、高級お菓子の箱の中身に日本人形を入れたり、某国のトップがプリントされたTシャツをプレゼントしたりします(笑)。ただ、プレゼントを開けた時の表情が見たいのです。

もちろんこれは、必ず笑わせる必要はなくて、ただどんな表情をするのかを考えて、プレゼントを選ぶのが良いです。大事なのは、誰かに相談したりすることではなく、定番のものを使うわけではなく、自分で考えることです。それを考えてくれた時間が割と嬉しかったりするのです。

考えこまれた僕のプレゼントにお返しが返ってこないのは、なんとなくわかります(笑)。それほど他人は僕の誕生日について考えることはできないから、同じようにお返しすることは難しいのです。

もしあなたが、誰かの誕生日を祝うことが面倒であるけど、祝いたい気持ちがあるというジレンマを抱えるのなら、誕生日をいつもと違う関わり方ができるチャンスととらえてみましょう。プレゼントに見栄も要りませんし、高価なものも要りません。ただただ、楽しい関係ができるでしょう。

それにしても、誕生日というものは不思議です。僕の周りだけかもしれませんが、６月にたくさんいるのに、12月になると一気に減ったりします。おかげで僕は、ちょっと退屈です。

あぁ、誕生日、祝いたい(笑)。