「寂しい」のは、自分を客観的に見過ぎているから。
僕は、ここ最近まで「寂しい」という感情を感じたことは、ほぼありませんでした。
沖縄から1人で上京して、「実家が恋しい」と思ったこともないし、「誰かと会いたい」と思ったこともなく、東京での暮らしは快適でした。
作家の養成所に通っていた時も、東京で新たな友達を作る気もなく、誰とも群れることなく、生きていました。
そんな時、同期の一人から言われました。
「稲本くんって、めっちゃ浮いてるやんな?」
関西弁のその男は、僕のことをたった一言でこう表現しました。
「浮いてる」と