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【海の翼】 読書#124

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、時を超えた『友情』についてです。
トルコのエルトゥールル号、ご存知でしょうか?

ヘッダーは、ポピットさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!


目次


基本情報

秋月 達郎(著)
PHP研究所 出版
2014年7月22日 第1刷発行

全477ページ
読書所要期間7日

本書は、バリューブックスさんで購入しました!

私が本書に出会うきっかけ

2023年2月6日、トルコ南東部のシリアとの国境付近で発生したマグニチュード7.8の地震。
その後も続いたマグニチュード7クラスの余震。
これにより、数十万の建物が損壊し、トルコ、シリア両国合わせて約6万人が犠牲となる甚大な被害を受けている。
多くの人びとが家を失い、現在も避難生活を余儀なくされているそうだ。

昨年この報に触れ、エルトゥールル号からの一連のトルコと日本の関係を思い出した。
あれだけお世話になってきた、支え合ってきた両国の関係。
いわば、友達と言っていい関係の国の人々に対し、
「私は一体何ができるのか・・・」

とてつもなく考えた。
できることをしようと思った。
現地に行くことは、正直私の状況下において現実的でない。

そこで思いついたのが、「知ること/学こと」だった。
要するに、現地に行くことはできないが、トルコの人々に遠く日本からでもなんとか心を寄せたい。
そう考えた。

そこで手に取ったのが本書である。
エルトゥールル号については知っていたのだが、より詳しくトルコと日本の関係を知ることができるのではないかと考えた。

購入してから、もうずいぶん時間が経ってしまった。
私の前に妻が読んでいたということも重なり、今頃になってしまった。
しかし、トルコを知り、思いを寄せるということは、遅きに失することではないと考えている。

私が感じたこと

本書は、いわゆる小説のジャンルである。
冒頭、昭和60年(1985年)が舞台となる。

「えっ、なぜ1985年??」
「まぁまぁ小説だから、現代から当時を振り返っていくのだろう」
ぐらいに思っていたのだが、その年には非常に大きな意味があった。

この年は、トルコの方々にとって、そして私たち日本にとって、時空を超えた友情を再確認するために、極めて重要な年だったのだ。

その友情を築く発端が、エルトゥールル号だ。

みなさんは、いきなり日本人ではないと思しき身なりの方が急に武器を持って目の前に現れたら、どのような態度を取るだろうか?

当然に最初は、互いに警戒するだろう。
でもよく見ると、相手は怪我をしている。
武器を捨て、よくわからない言葉で何か懇願している様子。
導かれるままに、行ってみるとそこには難破した船と被害にあった大勢の人々の姿が・・・

果たして私はその状況で、武器を捨てたからといって、その方に付いて行こうとするだろうか?

そして想像を超えるのが、なんと結果として村全体でその方々を救おうと動き出すのだ。
食料の確保が困難な状況だったその村の人々が、惜しみなくそれを提供する。
衣類を提供する、治療する。
食料以外の物資も、潤沢でない環境だった。
それでも「お客を精一杯もてなすのが日本人の心持ちだ!」と、後のことは一旦置いて全力で対応する。

冷え切った体を温めるための対応が、想像を絶する凄まじさ。
そこまでするか・・・
と、本を黙読しているだけなのだが、それでも絶句するほどの衝撃。

そう、この相手方、被害に遭われた方々がトルコの方々なのだ。

エルトゥールル号の事件は、1890年
以降、そうした日本の人々がいるということを、トルコの方々は祖国でずっと語り継いでくれていたのだ。
尊敬の対象として捉えてくれていたようである。

そして迎えた1985年。
およそ100年の時を超え、日本人の生死を彷徨うピンチを、トルコの人々が命をかけて助けに来てくれた。
「そういえば、100年前に日本人は命をかけて助けてくれたんだった」
「今こそ恩返しをしよう!」

そんなことがあり得るのか・・・
信じられない事実の数々、ぜひみなさんも確認していただきたい。

むすびに(まとめ)

命あっての恩返しである。
それでも人は、命をかけてまで恩返しなどできるのか?
答えは、「できる」なのだ。

しかしながら、私は果たしてできるのか?

答えは正直わからないが、少なくともそうした人間になりたいと”思う”ことだけはしたい。

友情は、世界を平和にする重要な心持ち・関係性であると私は思っている。
しかし、エルトゥールル号の存在やその1985年のピンチは、いずれも戦争により生じているものである。

友情を、戦争によって確認し強くする・・・
友情自体は素敵であるがしかし、なんとも悲しい皮肉な構図・・・

全世界の国々とこうした友情を育むことができる未来が、いつか来るのだろうか?


以上です。

私のマイルールに基づき、なるべくネタバレの内容に書きましたが、本書は史実に基づく物語展開であるため、若干ネタバレ感があるのはご容赦いただきたいのですが、触れていない人間関係や史実についてはまだまだあります。
これを機に、ぜひ友人トルコへ思いを馳せていただきたいと考えています。
そして、本書タイトルである相反するものである『海の翼』とは、一体どういうことか、その秘密を解き明かしていただきたいと思っています。

私は、涙無くしては読むことができませんでした。
自宅で、飛行機内で、森の中で。
この1週間、様々な場所で本書を読みましたが、場所を選ばす泣いてしまいましたw
おかげで鼻水がたくさん出ましたので、治りかけの副鼻腔炎と中耳炎が若干息を吹き返していますが、必要な代償だと自分に言い聞かせていますw w

本日も、ご覧いただきありがとうございました!!

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