井中蛙の映画感想43! 2023/3/31(金) 【グリッドマン ユニバース】※ネタバレ注意

【グリッドマン ユニバース】
 鑑賞日:2023/3/31(金)
 視聴方法:劇場(イオンシネマ新百合ヶ丘)

 ぶっちゃけ個人的にはシン・仮面ライダーよりこっちが本命だったのであえて後回しにしつつも、ネタバレに怯えないように早めに突貫してきました。パンフレットが売り切れてたのでなんとか手に入れたい。
 上映に先立ってテレビシリーズ2作品の総集編映画がそれぞれやっていたのだが、上映時期を逃してしまったので未見のまま本作を見てきました。最初は「あいつらに久々にスクリーンで会えたぜ」感が味わえそうでいいかなと思ったのですが、どちらもテレビシリーズ見たのが結構前だから復習してキャラクターへの思い入れを再燃させといた方が楽しめたかなと上映後は思いました。

GOOD
・視聴者が見たいもの全部詰め込んでお出ししてくれた傑作でした。「この2作品の合体劇場版なら絶対この展開いるよね」という要素マジで全部載せだったので満足。
・グリッドマンチームとダイナゼノンチームのクロスオーバーもいい感じで、両作のキャラが集まってわちゃわちゃしてるだけで楽しかったし、そういうファンサ要素をきっちり入れてくれたのも良かった。それでいいんだよ、それで。風呂で裕太と暦が鉢合わせてテンパるとことか心の中で爆笑しました。
・裕太と六花の恋愛が主題と思わせて裕太×内海の濃厚なBLにもわりと比重が置かれているのも良い。
・フルパワーグリッドマンとカイゼルグリッドナイトの揃い踏みは劇場版情報の初出の時点で絶対にやってくれと期待してて、むしろ「もしやってくれなかったらどうしよう」と不安になってすらいたのですが、当たり前のように出してきたのを見てこのスタッフたちは心から信頼していいと思った。
・アカネちゃんが出てくるあたりで「このまま特に派手なラストバトルも無く概念的な話を解決してぬるっと終わったらどうしよう」と一瞬不安になったところであの怒涛のラストバトルですよ。マジで感動しっぱなしだった。「今回はダイナゼノン組はガウマさん以外ロボット乗らないのかな」と思わせといてからのバトル・ゴー!は泣きそうになりましたよ。合体も新形態含めてほぼ全パターン出し切ったんじゃないかくらいの濃厚さだった。アカネちゃん&アレクシスとの共闘は反則ぜよ・・・
・両作品の主題歌がラストバトルで流れるのも最高だろ・・・
・ウェットで濃厚な人間描写はテレビシリーズ以来のキャラのファンにとっては美味しい要素でありつつも、個人的にはそのへんもうちょいあっさりにしてバトル要素に振ってもよかったと思っているのですが、作中で内海と裕太がフィクションに感動するポイントが異なったり、内海と六花が劇の台本を仕上げる過程でどの要素を重視するのかだったりの描写が、そういう問答のメタファーになっていると考えると結構面白い構造の映画だなと思った。キャラのカップリングに萌えてもいいしロボットの血湧き肉躍るバトルに燃えてもいい、作品のどこを楽しむかは人それぞれだし、本作はそのどちらも許容できる懐の広い作品になっているのだ。

ややBAD
・人間ドラマもバトルも濃密にやってくれたのはOKなんですが、バトルのシークエンスが3回というのは若干少なかったかな。各バトルは熱かったですが要素の詰め込み過ぎ感もややあったし。最初の怪獣が出るまでが長いので、オープニングにグリッドナイトのバトルを入れつつ今回の事件の予兆を描く、とかやっても良かったかも。
・「2作品それぞれの後日談、かつクロスオーバー」という作品の性質上、描きたい(視聴者が期待する)カップリングの数が多すぎて、しかもそれぞれの人間関係をテレビシリーズの時並みの濃密さで描いていたので、ドラマパートの間伸び感が若干あったように思う。丁寧な人間描写は1クールアニメの時には作品の武器・持ち味になったのだが、2時間の映画ではもうちょいサクサクストーリーを先に進めて欲しかった感はある。
・上記に関連して、ガウマさんと姫を本当に再会させちゃうのはやや無粋感があった気がする。もちろんガウマさんにもドラマの終着点、というか救いを用意してあげたかったのはわかるんだけど、一見陽気な兄貴分でありながら取り返せない過去を背負った男、というキャラ付けが彼のセクシーな魅力でもあったと思うので・・・
・裕太と六花の関係の結実が話のメイン部分なんだけど、主人公とヒロインの恋愛は「グリッドマンでやらなかったことをダイナゼノンでリベンジ済み」である要素の一つなので、それをグリッドマンの2人でもう一度やるのはやや焼き直しに感じてしまった面もある。いや、もちろんラストシーンは「末長く爆発しろ!」と思ったんだけど。
・アンチくん&2代目がグリッドマンチームとダイナゼノンチームの共通の知り合いであることがあんまり脚本上のギミックとして活かされなかった(俺の理解度が足りないだけだったらすまん)はちょっと残念だったかな。
・ラストバトルはめちゃ盛り上がったのだが、ラスボスがわりと狼狽えてる描写が多かったので「こいつに勝てるのか!?」「倒さないとマジで世界やべえ!」みたいな危機感・絶望感が希薄だったのがちょいと惜しい。

いろいろBADポイントも書きましたがまあ強いて不満点を言うなればということで、最高の同窓会にして完結編なのでテレビシリーズのファンは必見の映画でしょう。ユニバースの新作展開も今後続くことを期待。


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