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映画「あのこは貴族」を観て



原作がすごく良い作品なので、映画化されるのを楽しみにしていたのですが、正直「ちょっと消化不良な映画になったかも」と感じました。

というのが、私の感想だったのですが!!

ネットの映画レビューサイトでは概ね好評みたいなのですよ!!

私は、「コレは原作未読の方には難しいんじゃないか」と感じましたが、観られたかたはそんなことはなかったみたいです。

多分、映像化するとどうしても内容が小説より時間制限があるので、小説を先に読んでいたから欲求不満になっちゃったのかな、っていうかんじです。

!!以下、ネタバレ注意です!!







<ストーリー>
お嬢様育ちの華子は20代後半での婚活に苦戦していたところ、自分よりも更に家柄の良い幸一郎と出会い、婚約。
しかし幸一郎には都合の良い存在の女である美紀がいた。美紀は地方出身で慶応に入ったが家の経済力が苦しいため中退、夜の女も経験した苦労人。

そしてお嬢様の華子と苦労人の美紀が出会う。

原作が盛りだくさんな内容なんですよね。
序盤の婚活に苦労するくだりでもいろいろと心理描写が面白いですが、映画だと駆け足です。
だから、全てを二時間ちょっとで映像化するのは難しかったのかも、という気もします。

ただ、原作ではメインの部分にあたる、華子と美紀が出会い、社会的立ち位置の違いとか女としての立場の違いがハッキリしてしまう部分、からの、互いに協力する関係になるまでが、会話劇になってしまっています。

そのあたりをどう映像化するか楽しみだったのです。

映画ではまず、華子、美紀、幸一郎を演じた役者さんが良かったと思います。

ただ、メインのこの三人の心理描写がちょっとわかりにくいかな? と感じたのが残念でした。

ラストをあんな感じで締めくくるのだったら、もうちょっと終盤の華子と幸一郎の心の動きを描かないとわからないのじゃないかな、って感じました。

あと、この「あのこは貴族」って作品は、華子や幸一郎が住む上流社会と美紀たちのいる一般社会の格差を描くのがキモじゃないか、と思うので、もっと上流社会はわかりやすくビジュアル的に上流社会してほしかったなぁ、と思います。せっかくの映像化なので。
ちょっと華やかさに欠けた気がします。

(私がそう思っただけで、他の人のレビューでは充分上流階級してたそうです)

と、私はそういう感想だったのですが、他の方の意見を読むとなかなか好評みたいですね。

原作で作者が描きたかった「日本の中での格差社会」を充分感じられた人が多かったようです。

ただ、「男性が見ると面白くない」という意見があって、それはそうかも、と思ってしまいました。

大きなテーマである「階層社会による分断」を、主に女性の人間関係を通して描いているので、男性には実感しにくいかもしれません。

でも、男性にも見て欲しい内容だと思っています。

そういうわけで、「あのこは貴族」おすすめしておきます。



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