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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.173 読書 ジェフリー ディーヴァー「青い虚空 」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 ジェフリー ディーヴァーの「青い虚空 」についてです。

大好きなジェフリー ディーヴァー、リンカーンライムシリーズやキャサリンダンスシリーズは全部読んで、まだ新刊も出てこないので、ノンシリーズものを最近読んでいます。

その中の一つ。

難攻不落の対象を狙う連続殺人事件を起こす凄腕のハッカーと、服役中の元ハッカーとの戦い。

2001年の話なので今から21年前、コンピューターの世界はものすごいスピードで進化している、まだフロッピーの時代でiPhoneやAIもない時代。

最初21年前のコンピューターの話なんて古いんだろうなと思ったらさすがディーヴァー、ちゃんと調べ上げていて、今読んでも十分面白い。

多少懐かしさや20年前に抱いたコンピューターに対する過度な期待感もありますが、それでもエンターテインメントとして面白かったのでお見事としか言いようがないです。



物語は、護身術のHPを主宰する有名女性が殺された。

警察は周辺調査からハッカーの犯行と断定。

犯人はセキュリティ万全な対象ばかり狙ってハッキングして殺人を繰り返す。

犯人は被疑者の情報を徹底的に調べ上げて、そして変装の達人でもある。

コンピューター犯罪課の刑事はその凄腕の容疑者を捕まえるために、同等の腕を持つコンピューター犯罪で服役中の天才ハッカーに協力するように要請する。

ネット空間や現実空間で犯人の動きを先読みし、けど逃げられ、そして襲撃され、と、また反撃するという、一心攻防の戦いが始まる。



こう言う犯罪者に協力を仰ぐなんて現実世界ではなかなかありえないが、まあ「羊たちの沈黙」のように小説や映画だとスリリングで面白い。味方なのに裏切るかもという展開がw

以前元泥棒にどうやって家に忍ぶ込むかをインタビューした犯罪について調べた本がありました。

またS(スパイ)という警察の協力者もよく聞きます。けどあくまでも協力だけで情報を提供するだけです。

でも実際の警察の捜査で犯罪者が協力して捜査するなんてあるんでしょうか。

まあエンターテイメントなんで。

P.35 ハッカーたちの用語で、マシン・ワールドで最高レベルの技術に達した者を指す魔法使い(ウィザード)だったからである。

魔法使い!かっこいい。

そう、今回は世界トップレベルの魔法使い同士(ハッカー)の戦いなので、
まあそれが面白い反面、なんでもありの展開なので

ちょっと地に足がついていないような気もします。

もし2022年度のスマホやAIやネットがここまで世の中に浸透して365日24時間つながっている現代でこの話だったらどうなっていたのでしょう。

やはり20年前だからこそまだコンピューターの世界にロマンがあったかもしれません。


ディーヴァーにしては珍しい題材ですが、徹底的に調べ上げ、特徴であるどんでん返しを入れて、コンピューター少年との交流や、元恋人とのラブストーリー話などで、物語の肉付けも膨らませたら、この人はどんな題材でも一流の物語に仕上げるのでしょうね。

これからもノンシリーズでいろいろな題材をもっと読んでいきたいと思います。

今日はここまで。



ハッカーの決まりごとのひとつでね。眠くなるものは飲まないのさ。
そのうちハッキングのニュースグループに行ってみるといい。
投稿の半分はバックベルの交換機を止めたり、ホワイトハウスにクラックする話だけど、後の半分は最近のソフトドリンクに含まれているカフェインの話だ。
/P.394 「青い虚空」より

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