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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.121 映画 ニール・ラビュート「ベティ・サイズモア」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 ニール・ラビュートの「ベティ・サイズモア」についてです。

なんだか不思議な映画でした。

ファンタジーや芸術や哲学的な映画ではありません。

ちゃんと理解もできます。

でも、つかみどころが難しいというか、一つのジャンルに収まらないというか

ブラックユーモア映画なんですが、完全なお笑い映画でもないですし、ハートウォーミングでもない、サスペンス要素もあります。

とにかく今まで見たことがない映画でした。

特にわかりやすいアメリカ映画ではかなり珍しいと思います。

よくこの企画通ったなと思いました。

主演はブリジット・ジョーンズの日記で有名なレネー・ゼルウィガー

共演にモーガン・フリーマンやクリス・ロックも出てきます。

俳優陣は意外に豪華ですね。

まあとにかくいろいろなジャンルの要素を詰め込んだ、ジャンルレスな映画です。



物語は、アメリカの田舎町でダイナーに勤めるウェイトレスが主人公。彼女は医療テレビドラマの大ファン。

純粋な彼女は中古車販売をしている夫が浮気してドラッグ取引をしていることを知らない。

ある日主人公は夫の会社から無断で車を借りてしまう。

悪いことにその車にドラッグが隠されていた。

運悪く組織の殺し屋の二人がドラッグを無くした夫を拷問の末殺してしまった。

その殺人を見てしまった主人公はショックのあまり記憶喪失に。

おかしくなった彼女は大好きでずっと見ていた医療ドラマの世界が現実だと思いロサンゼルスへ

それを追う殺し屋二人。

ロスについた彼女は医療ドラマの主人公に会うために看護婦の職を探すが、推薦状や看護婦の証明もないため断られてしまう。

ちょうど病院で銃撃戦があり、ドラマの知識で患者の一命をとりとめた彼女は、病院で働くことを認められる。

その命を救った患者の姉のところへ居候することに。

その姉と主人公はいるわけもない医療ドラマの主人公を探し続ける。

しかしある時に彼女が探している男性は空想上のドラマの主人公であり、そんな彼女の正気を戻そうと、医療ドラマの俳優が来る慈善パーティーに彼女を誘う。

そこで彼女は俳優と会うが、言動がおかしくても、主人公を熱烈なファンで看護婦役になりきっている無名女優だと思い、遊び半分に付き合っていく。

次第に妄想に取り憑かれた演技ができるすごい女優と思い始める。

彼は主人公を医療ドラマに加えようとし、ドラマの撮影現場に連れていくが、
極度のストレスで、記憶喪失が解けてしまい、彼女はスタジオから逃げ出してしまう。

家に戻った彼女を殺し屋二人が待ち伏せていたが、ちょうど別に追ってきた保安官と銃撃戦になり、その事件がテレビ放送され彼女は話題に。

医療ドラマの俳優は、彼女にあらためてオファーして、彼女はドラマのレギュラー女優に。



記憶喪失のおかしさが物語のメイン。

ただそこにコメディとサスペンスと恋愛の要素が絡んで、

主人公、殺し屋二人、医療ドラマの俳優の登場人物たち。

詰め込み過ぎなのに、なぜか話がちゃんと進む、脚本の妙、

そしてとってもキュートなレネー・ゼルウィガー。

渋いモーガン・フリーマンと短気なクリス・ロックの俳優陣たちがとても見事。

本当に面白いのにつかみどころのない不思議な映画でした。



印象的なのは映画の冒頭で、医療ドラマに夢中になっているウェイトレスの主人公。テレビを見ながらお客のカップを見ずに、完璧にコーヒー注ぐシーンは面白かったです。

このたった一つのシーンで彼女を表現していますね。


レネー・ゼルウィガーって思い込みの激しい妄想女子を演じさせたら天下一品!

今回も彼女じゃなかったら成立しなかった作品です。

彼女の魅力とジャンルレスな変わった物語をぜひ楽しんでください。

今日はここまで。



ベティ、あんたにはあの俳優もあの医者も必要がない。男もいらん。40年代じゃないんだ。独りで生きられる。そのわけを?あんたには自分がある
/モーガン・フリーマン演じる殺し屋が最後に主人公にいう台詞





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