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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.035 読書 夏見正隆「要撃の妖精(フェアリ)―スクランブル」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 夏見正隆さんの「要撃の妖精(フェアリ)―スクランブル」についてです。

航空自衛隊が戦う「スクランブル シリーズ」の第二弾。

前回第一弾「スクランブル イーグルは泣いている」が面白過ぎてすぐ読み始めました。

なんと今回は811ページの分厚さ。辞書並み、京極夏彦さん並みのページ数に期待が高まりました。

前回は航空自衛隊に入ったナイーブな青年風谷さんが大活躍。

今回は彼を追いかけてOLを辞め航空自衛隊に入った女性パイロット漆沢が活躍する!

題名の”フェアリー”は彼女のコードネーム!

ありえないほどの怒涛の展開、政治家たちや自衛隊の高官たちの酷さ、手に汗握る空戦シーン。

そしてなんと女性パイロットの漆沢さんの覚醒に大興奮しました。

本当のこの小説、地上の部分の人間関係描写はちょっと漫画チックだが、

空の上の戦闘機のバトルのシーンの描写は凄すぎる。

圧倒的の読みやすく、完全にハマっております。



物語は、前回旅客機やイーグルを攻撃した謎のスホーイ24がまた現れる。

尖閣諸島を守っていた海上保安庁の巡視船やイージス艦まで攻撃されてしまう。

航空自衛隊はスクランブルでイーグルを出すが・・・。

その後航空自衛隊では凄腕の隊員が集められスホーイ24の追撃のために特別の隊が作られる。

その中にコンピューターの適正から漆沢ら2人の新人女性パイロットも選ばれる。

女性パイロット漆沢は否応もなくスホーイと合間みれることに。



確かに漫画かと思うような展開。物語にリアリティは全くありません。

たった一機に巡視船やイージス艦やイーグルが次々にやられて

でも自衛隊は何も反撃ができないなんて。

ただこのデフォルメされた物語に、憲法でがんじがらめで何もできない自衛隊の苦悩がうっすらと、いやまるで叫びのように聞こえてきます。

はい、フィクションです。

フィクションですがいろいろと考えさせられますね。

戦後77年、一度も戦っていない一人も殺していない自衛隊は素晴らしいと思います。

素晴らしいですが、もし万が一戦争に巻き込まれたらどうなるのか心配になってきますね。



もし戦争が起こったらというシミュレーションができる小説ですが、

もう一つ今回で面白かったのは女性パイロット漆沢の覚醒です。

まあいろいろな漫画やアニメで描かれるものですが

ほぼ初心者の漆沢がある状況下で

心の中で何かが囁くシーン。

経験とか努力ではなく、持って生まれた才能、圧倒的な危機の状況で生まれるゾーンのような瞬間、がクライマックス!

一流スポーツ選手や芸術家がよく言うものですね。

今日はここまで。




その時左へ操縦桿を取ろうとした美砂生を、何かが止めた。
いけない。左へ行ってはいけない。
何かがそう言った。
何・・・・・?
美砂生の中で、それは言った。
/「要撃の妖精(フェアリ)―スクランブル」より







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