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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.190 映画 ブレット・ラトナー「天使のくれた時間 」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は 映画 ブレット・ラトナーの「天使のくれた時間 」 (2000/米)についてです。

あの名作「素晴らしき哉、人生!」をモチーフにした、もしもあの時違う道を選んでいたらと言うパラレルワールドを描いた作品。

岩井俊二さんの映画「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」も同じように映画の途中で、あることをきっかけに違う物語が始まるパラレルな作品でしたね。

タイムマシンもパラレルも現実にはあり得ないことだからこそ、魅力的なのでしょうか。

自分ももしあの時こうしておけば違った人生になったかもと、想像するときはあります。

今作はお金持ちで大成功するが一人寂しい人生とそこそこ平凡だけど家族を大事にする人生、どちらを選ぶかと言うとてもわかりやすい話

主役がニコラス・ケイジなのでより親近感が湧きます。

そして奥さん役のティア・レオ―ニがめちゃくちゃ可愛くてとっても素敵。

そして幼い娘も可愛い。

もうどちらの人生を選ぶのかわかるでしょう。



物語は、80年代若き主人公はロンドンへ銀行の研修のために空港へ。出世のために恋人と離れ離れになるが仕方がない。

直前に恋人が妙な予感がするから自分達の人生のためにこのまま行かないで欲しいと言われるが、仕事の成功が二人の幸せになると、そのまま行ってしまう。

10何年後、主人公はニューヨークのウォール街で成功し、大手金融会社の社長になるが恋人と破局して、豪華なマンションに住み、愛人もいて、独身貴族を満喫している。

クリスマスイブに仕事を終えてふと立ち寄ったコンビニで、黒人青年の強盗に遭うが必死の説得でことなきを得る。その黒人青年に「これから何があってもあんたの責任だ」と謎の言葉を言い去っていく。

翌朝、目が覚めると、寝ていたのは高級マンションの自宅のベッドではなく、庶民的なベッド。隣には昔別れた恋人が寝ている。二人の子供までいる。

慌てて会社まで行くと、警備員に追い出され、部下だった男が社長になっていた。

そこで昨日助けた黒人青年に会い、「答えは自分で探せ」と言われる。

家に戻るとクリスマスの朝に変な態度で突飛な行動して責められるが、優しい奥さんは友人のパーティーに連れていく。

段々状況がわかってきて、海外研修をやめて恋人と結婚したもうひとつの人生にいることがわかる。

しかし主人公は元の成功したスーパーリッチな生活が忘れられなく、家族や友人たちとぶつかり合うが、次第に馴染んでいく。

タイヤのセールスをして、友人たちと飲み、優しい奥さん、可愛い子供たちの生活。

庶民的だが、本当の人生の幸せを味わう。

ある日元の世界で働いていた会社の会長がタイヤがパンクしたので主人公の会社にやってくる。

主人公は会長に経済や金融に関する話をして自分を売り込む。

また金融会社に転職して裕福な生活をしようとするが、それは奥さんや子供が望む幸せとは違うものだった。主人公は結局転職するのを諦め、今の生活をする決心をする。

しかしその晩また黒人青年が現れ「煌きは一瞬のこと、永遠には続かない」と言われる。

次の日目が覚めると元の裕福な人生に戻っていて、恋人を尋ねると彼女は独身のまま弁護士になっていてパリの支店へ引っ越しする真っ最中だった。

何も知らない彼女はそっけない態度をとられてしまう。

諦められない主人公は翌日空港に行き出発直前に引き留めるが彼女は取り合わない。

搭乗口へ入る直前、主人公はもしもの世界で恋人と家族を持ち庶民的な幸せな人生を話す。

恋人は搭乗をやめ、雪の日の空港のカフェで二人は楽しく話し合う。



結構ベタな内容だが、それでもしっかりとした脚本。俳優たちの魅力でグイグイと物語は進み、その世界へ惹き込まれました。

男は成功と家族を天秤にかけがちです。

また家族のために成功しなくてはいけないとも思ってしまいます。

当たり前ですがお金や地位名誉と、可愛い奥さんとケーキを食べながらいちゃついたり、小さな娘と雪遊びをしたりするのとどちらが良いですか?自分の中では答えは明白です。

もう本当に当たり前のことなのに、古今東西、男はわかっていません。

本当の幸せを知るために、「素晴らしき哉、人生!」と「天使のくれた時間」はセットで見るべきではないでしょうか。

この映画から学ぶのは、単に仕事と家庭なら家庭の幸せを選べとか、そういう単純なものではないと思います。

人生の帰路で本当に大事なものは何か見極めなくてはいけない。

それは目に見えることではないかもしれない。

別に仕事でも家族でも、やりたいことでも、本当の心の声を聞いて。

”確かなもの”を見つけなくては。

本物の人生にはifはない。

絶対ない。

選んだらその道しかない。

でも前に進むしかない。

だからこそあり得ないからこそ、この映画に惹かれますね。



今日はここまで。




あなたと結婚しなかったら、私にとって確かなものがなくなるの
それで?
もしあなたと結婚してなかったらどんな人生だったのかって考えることもあるわ
家族だ
そうしたら人生で確かなことが全て消えてしまうと分かったの。あなたと子どもたちよ
そうね。あなたは何が確かだと思える?
今確かなことは、君とここにいたいって事だ。

/主人公と奥さんが話し合うシーン「天使のくれた時間 」より

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