趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.220 映画 山田洋次「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 山田洋次の「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」(1985/日)についてです。
男はつらいよシリーズ36作目。自分が鑑賞したこのシリーズは40作目。
割とシリーズ後半。もう寅さんは自分が恋愛するより、若い人の恋愛のサポートやアドバイスをする立場に。
このシリーズは寅さんもとらやの家族も歳をとっていくのがまた魅力で、歳をとる悲哀もなんとも味わい深い。
そして準レギュラーのタコ社長の娘あけみ(美保純)が今回は準主役なのがシリーズの中でも珍しく面白い。
もうあけみをマドンナにして欲しいほど。まあ寅さんにとっては小さい頃から知っている娘のような存在ですが。
寅さんにあんなに憎まれ口を叩ける女性はあけみだけ。
マドンナの栗原小巻より存在感があったな〜。
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物語は、タコ社長の娘のあけみ(美保純)が夫婦喧嘩で家出してしまう。
タコ社長がテレビに出演して帰ってこいと訴える。
柴又中とらやの皆も心配する。
テレビ放送を見たあけみは心配ない下田にいるとさくらに電話をかけるが正確な場所は教えない。
ちょうど柴又に帰ってきた寅さんは、知り合いのツテを使ってあけみの探し出す。
あけみの傷心を癒すためにちょうど海から見える式根島へ旅行へ行く。
島への連絡船で島の同窓生たちと仲良くなり、島にいる美しい女性の先生(栗原小巻)に一目惚れしてしまう。
あけみをほって自分は同窓会に参加したり先生と島を観光。
ひとりぼっちになったあけみは怒って島の若い男と島を観光する。
その若い男に告白されたあけみは人妻だからと言って島を出る。
渋々あけみの為に東京に帰ることになった寅さん、帰ってきても先生のことが忘れられなく傷心して寝込んでしまう。
ある日その先生が父親の見舞いに東京に来て、とらやに挨拶にくると寅さんはたちまち元気に。
先生は父親の見舞いと、もう一つ用事があって東京に来たのだった。
死んだ友人の娘の誕生日を祝う目的もあった。
家族ぐるみで付き合いをしていて、その娘の父親は地味で堅物だが、娘が懐く先生に恋心を持って、夕食後お酒の勢いでプロポースの様なことを言ってしまう。
先生は島へ帰る前に、寅さんに相談があると言って、調布の飛行場で会うことに。
寅さんは少し期待して行くが、プロポーズされたと相談されると、その男の人はきっと良い人ですよと言って後押しをする。
そのままとらやに戻らず、違う旅へ。浜名湖で島の同窓生と会い、先生が娘のいる堅物と結婚したと聞いて、嬉しそうな顔をする寅さんでした。
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まあマドンナとの物語は一目惚れをしたけど彼女に好きな人がいてスッと身を引く普通のお話だが、やはりタコ社長の娘のあけみとの話が面白い。
毎回ちょっと顔を出して悪口を言うキャラクターのあけみ(美保純)。
ほぼ準レギュラーだが、今までそんなにメインの話にならなかった。結婚式の話は割とシーンが多かったが。
今回は夫婦喧嘩をして家出してしまい、寅さんが心配して探しに行き、一緒に旅に出る。ほぼ前半はあけみと寅さんの話。
ただ島に行って寅さんがマドンナ(栗原小巻)と出会うまで一緒だったが、一人にされ、島の若い男と島中を案内してもらうところがまた良い。
1番のメインは島の山の麓に露天温泉があり、ほとんど誰も来ないから青年が見張っているから入ったらどうだと言うと、あけみは入ると言う!
なんとシリーズ初のヌードシーン!
超望遠で背中でお尻しか見えないですが!
自然豊かな場所の露天風呂本当に気持ちが良さそう。
まあ純朴な島の青年が、こんな奔放な女性に会ったら、そりゃ告白してしまうでしょうw
結局人妻だからと言ってあけみは逃げてしまいますが。
そう口が悪く自由奔放で決して品が良くないですが、最後の最後はしっかりとしているあけみのキャラクター憎めないですね。
ちょっと好きになりました。
東京に残っているいつも喧嘩する旦那。あまり顔は出てきませんが、あけみに対して愛情が薄くなんだか嫌ですね。多分典型的なダメ亭主ですね。まあそう言うふうな設定にしていると思いますが。
まあ今回はあけみの話が面白かったということで。
「どうして、寅さんにお嫁さん、来ないんだろう」by あけみ
本当だよ、あけみさん。寅さんこんな良い人なのに。
とらやのみんなは知っています。
さくらも博も満男もおじちゃんおばちゃんもタコ社長も、そしてあけみちゃんも。
今回島の先生は全く寅さんのことが眼中になかった・・・・。
まあ仕方がないですね。
今日はここまで。
伯父さんのやることは、鈍臭くて、常識外れだけど、世間体なんて全然気にしないもんな、人にオベッカ使ったり、お世辞言ったり、伯父さん、絶対そんなことしないもんな
/満男 「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」より