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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.340 映画 石黒昇/河森正治「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 石黒昇/河森正治の「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 」 (1984/日)についてです。


80年代にテレビ放送され大人気だったアニメ「マクロス」の劇場版。

当時中学生の自分はこのアニメをあまり見ていなかったが、このアニメが大好きな友達がいて、彼のうちで録画されたアニメを見たり、関連雑誌を見たり、プラモデルを見させてもらった記憶があった。

足が生えて変形する戦闘機はかっこいいと思った。バルキリーという名前だったと思う。

その友人は今で言うオタクだと思うが、まだその時代はそんな名称はなく、おとなしい彼が夢中になってマクロスのことを語っていたことを思い出した。

そうまさにオタクの夢を叶えたアニメ。巨大宇宙船、変形ロボットのメカと、美少女アイドルと美人上官との三角関係。

もちろん自分もガンダムやボトムズなど好きだったが、ここまで堂々とオタクな趣味のアニメが、市民権を得た当時はちょっと引いていたかもしれません。

結局、そのテレビアニメもこのアニメ映画も観ないまま、あれから40年してやっと冷静に観ることができました。

いやいや、もう40年経っているのに、あの時にオタクさんたちの熱いエネルギーがまだフィルムに残っていたのです。

今やオタク文化は普通のことで、メカと美少女のセットはよくあることですが、

やはりここから始まった感があるオタクアニメの起点は古びないですね。

いや逆に手書きのアニメに宿る熱意がものすごく新鮮で、とっても面白かったです。

当時は歌が(アイドルソングが)人類を救うなんて受け付けられない荒唐無稽な展開と思いましたが、もう今はいろいろなアニメがマクロスの影響を受けていて、それが定番になっていてアリですね。

オタクアニメの元祖を観れて、当時観なかった自分の中に空いていたジグゾーパズルのパーツがピタッと埋まったような気がしました。




物語は、長きにわたって宇宙で戦争をしている巨人族の男のゼントラーディと女のメルトランディ。

その戦火が地球にも及び、人類は5万8千人の民間人を乗せて巨大宇宙船マクロスで脱出した。

ものすごく大きなマクロスの中に市街地があり、そこで民間人は地球と同じような生活をしている。

マクロスの中でデビューした人気アイドル、リン・ミンメイのコンサートの当日、巨人族の男のゼントラーディの突撃部隊が襲来する。

可変戦闘機バルキリーのパイロット一条輝は侵入した敵機を追撃して、戦闘に巻き込まれたリン・ミンメイを救助する。

二人は敵の攻撃で閉鎖区画に閉じ込められ、二人きりに。
彼女を励ますために話をして二人は仲良くなる。

救助された後もリン・ミンメイがアイドル活動する合間にお忍びでデートを重ねる。

ある時土星の近くでバルキリーに乗って遊覧デートをしているところをゼントラーディ軍に捕まってしまい、連れ戻しに来た上官未沙も一緒に敵艦に収容されてしまう。

一条と未沙はバルキリーで逃亡し地球へ。

しかし地球はマクロスが脱出した後、ゼントラーディ軍の爆撃で焦土と化し、生命も残っていない砂漠のような世界。

誰一人も残っていない地球で数ヶ月も二人だけ。自然に愛し合うようになる。

一条と未沙は海上に出現した巨大宇宙船を調べていたところ、銀河文明の情報を得る。

太古の時代に単体生殖技術が発展し、男と女の巨人族が争い始め、その争いを望まない男女の巨人族が地球に立ち寄り、地球人の祖先を遺伝子操作をしたと書かれた
メモリープレートを見つける。


リン・ミンメイはゼントラーディ軍の司令官のところへ連れて行かれ、彼女の歌をきいて地球人は巨人族が失った文化を持っていると気づく。

一時的にマクロスと休戦をして、ミンメイにメモリープレートに刻まれていた曲を歌わせて、巨人族の女のメルトランディをその歌で屈服させようと企てる。

地球に戻ったマクロスで、ミンレイと一条は再会するが、美沙と一緒になったことを聞いてショックを受ける。

メルトランディが地球周辺に出現。

ゼントラーディ軍は歌がまだ未完成だと知ると、休戦条約を破ってマクロスとメルトランディに総攻撃。

一条はミンレイを探し出し、美沙がメモリープレートから解読した歌を歌って欲しいと頼む。

ミンレイは失恋してショックを受けていたが、アイドルとして歌うことを決心する。

ミンレイの歌う「愛・おぼえていますか」が戦場に響くと、巨人族は混乱し、再び文化を取り戻すんだと、マクロスを援護する。

一条はバルキリーで艦隊に単機突入して、司令官を倒す。

そして宇宙に平和がもたらされる。



もう、あらすじを書いているだけで恥ずかしくなるような物語だが、

なんだかあのメカと美少女の綺麗な絵の中では、アリのような展開に思えます。

アイドルの歌、可変メカ、三角関係。

キスを見ただけで卒倒する宇宙人。

そして歌が世界を宇宙を救う。

もうなんでしょう、オタクの夢が全て詰まっております。

アイドルと閉鎖空間で仲良く!

美人上官と地球で二人ぼっち!

現実にはあり得ません。

ただ人生経験から、同じ空間に若い男女が一緒にいるとくっつく可能性が高いことはよく知っていますが。

ただアイドルと美人上官がなかなか現実にいないことが悲しいですが。

今までの主人公は強くかっこいい男だったり、しましたが
このアニメの主人公は一応パイロットですが、どうも優柔不断で
そこが80年代の男性像と少し似ています。

いや今でもそうかもしれません。

エヴァンゲリオンのレイとアスカの様に。
男は優柔不断でどちらかを選べないことに迷いたい?

結構共感する人も多いのでは。

当時学生の庵野さんもこの作品にアニメーターとして参加しているみたいですね。



そんなオタクの夢を実現したアニメの歴史に残る作品。

結構好きです。好きになりますとも!

これは恋愛アニメかも!

当時観なくて良かったかもしれません。多分友人の様にハマったでしょう。

今日はここまで。






いつ死んじまうかも分からないけど・・・こんな僕で良ければ。
どうしたんだろう、可笑しいね、輝・・・涙が止まりませんよ・・・。
/一条輝と未沙「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」より













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