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顧客を逃さないサービス

今回は実際に私が行っていた顧客維持の方法を何点かご紹介します。ご縁があって顧客になっていただいたのに一回の受注だけでは全体の売上の底上げにはなりません。そこでお客様にヒアリングを続けていくことで仕事を受注することの定番化を目指していきます。それでは早速具体例です。


不動産会社が物件を販売するときに「重要事項説明書」という冊子を作成します。大手になればこれが日本全国に広がっていきます。最初に訪問したときにはこの冊子の作成は自社内で行っていたようです。共通の窓付きの表紙※この窓から物件名が見えるように。そして冊子の中身は特注の再生紙を用いていた為に外注は難しいと考えていたようです。

「一度同じようなものが出来るか試してみても良いですか?」

窓枠に綺麗に収めることに最初は苦労があったが、機械を調整してしまえば簡単に出来ました。

制作スタッフが私などより遥かに優秀でしたから。

ここで提案が出来るわけです。表紙と再生紙を弊社に直接納品していただき、原稿だけいただければ必要部数だけ制作し持ってきますと。これで担当の方は慣れない作業から解放され、失敗の無駄もなく、最終的には大幅なコストカットになるわけです。最初は一人の担当さんから始まったこの仕事も同じ島にいる全員8人から受注させていただき、システム的にもお互い非常に楽になりました。一回一回の受注額はそこまで大きくないのですが、ほぼ毎日こちらの会社にお邪魔するようになり、完全に一本の柱となったわけです。


次に楽譜を制作されていた会社さんです。こちらも全国のスクールに配送するというシステムだったのですが、当時は簡易的なものだけの受注でした。そこで仲の良かったスタッフに頼んで新たな質の良い表紙のデザインを何パターンか作成し、先方に見ていただきました。これが見事に成功し、厚い楽譜の受注も可能になり売上は倍増しました。こちらは表紙のデータを持っていることで曲のタイトルと奥付を変更するだけなので、完全にシステム化に成功したのです。実はこちらの会社さんは少しだけ遠かったので、原稿ピックアップの日程まで設定してしまい、流れるような作業形態に進化させてしまいました。


上記二点は完全に材料をこちら側で抱えてしまい、さらに特別仕様にしたことで逃げられない状況にしてしまったわけです。


もう一つは大手保険会社でのお話です。こちらは仕様というよりも時間軸を完全に定番化してしまったというものです。詳しいことまで分かりませんが、ある事件が起きたとするとその保険に対して会議用、保存用と資料を制作します。写真が入っていたり、図面が入っていたり、サイズもバラバラなので、作業としては比較的面倒なわけです。さらにこれはほぼ毎日のことなので、午前中に納品、夕方手前に現行ピックアップというものを定期便にしてしまいました。先方もわざわざ依頼の電話をしなくても良いですし、楽になります。最終的にはボックスに入れておいてもらったぐらいです。いずれ紹介しますが、ここは私ではなくアルバイトのイケメン青年に担当してもらいました。


営業というと大きな数字(=売上)を取れればそれはそれで嬉しいものですが、法人営業ではあまり大きな金額だと先方の決算問題や経理部に睨まれるということも考えます。少ない数字でも毎日、そして定期的に発生するものに着眼して提案を続けていきました。こうすることで相手側は楽になり、他の業務に集中できる、そしてこちら側は売上の推移が想像できるということが出来ました。


注意:このnoteのお話は今から約20年前の話ですので、まだそこまでノートパソコンやタブレットが普及していない時代ですので、紙資料の需要が大きかったという背景をご了承ください。

次回は難攻不落と恐れられていたあるお客様とのドラマをまとめてみます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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