見出し画像

伝説のコピーライターゲイリーハルバートのボーロンレター2通目

The Born Letter-Chapter 2

1984年  6月13日
火曜日 PM 6:57

親愛なるボンドへ

 今日は、私は、目に見えないメンタルな一線を越えてしまった。この刑務所を仕切っているやつらとの最初のミーティングにでかけたときに、起こった。そして、やつらが本当に最低最悪なやつだということを知った。落ちこんで、がっかりするかわりに、私自身が強くなったとでも言っておこう。私のこの新しい『タフになる』心のもち方について、これから出す手紙に、もっと書いていくつもりだ。さて、このロードワークの話にもどるとする。

ロードワーク

ロードワークボンド、1日1時間ほどのロードワークは、 君が身につけることのできる習慣の中で、たぶん、一番価値あるものだということを、本当に心に深く刻んでいてほしい。この方法で、一日を始めれば、最高の状態で1日のスタートをきることができるし、1日の残りも飛躍的に改善してくれるだろう。なぜなら、一日の始まりに無駄な緊張感と過度の心配を取り除いてくれるからだ。また、一般的には、走ることは、考えスッキリと明晰にしてくれるので、その日一日中、よりよく思考することができるようになる。

 それに、このロードワークが君の習慣になってしまえば、それ自体が気持ちをふるいたたせるだろう。

 さて、とにかく、君に今、すぐにでも取り入れてほしいと考えている健康習慣をいくつか挙げてみる。

  断 食― 君は、過度な断食するには、若すぎると私も考えているが、1週間のうちで、丸一日を断食にあてることは、健康によいことだと考えている。

断 食

 今は、毎週土曜日を私の断食日としている。そして これから一生、(少なくとも)週一日は断食をすることにしている。 断食をすると、体の機能が正常な状態にもどろうとする。また、ほかにも、自己コントロール能力を高めることもできるので、人生の他の部分にも役に立ってくる。断食については、後で、もう少し書こうとおもっている。しかし、今は、君に週に1日の断食をすぐにでも、はじめてほしいと願っている。

 断食のときに心してほしいことがある。 まず、君が断食していることは誰にもはなさないほうがいいと思う。ほとんどの人が断食に関して理解していないし、ほとんどの場合、無知な批判的な言葉をもらうことになる。また、断食をする日は、運動は控えたほうがいいとおもう。断食日というのは、心と体をやすめるための日だと考える。もちろん、ずっとベッドにいて寝ている必要もないし、そんな感じのことをすることもない。肉体的にも精神的にもリラックスできればいい。

 断食日に私は、休憩したり、本を読んだり、ぶらぶらと散歩したりする。また、1週間で山済みになってしまった仕事や用事などを処理する時間としても有効だと思う。

 つまり、「一日を秩序立てる」ために朝のロードワークをするべきだし、毎週の断食は、「1週間を秩序立てる」ためにあるとおもってくれればいい。

 父親としてだが? 私は46歳と一日だ。この人生の中で学んだことの中で、手紙に書いたこの2つのことが、最も重要なことだと思う。

 少し、考えてくれ。もうすぐ、16歳になる君が、この二つをすぐに始めることができる。
なんて、すごいとおもわないかい。(みんなより、一歩先をいくことになる。)

 さて、次に伝えたいことは、食事についてだ。まず、朝食が一日でもっとも大切であるというみんなの意見は、間違っていると思う。私は、昼食前に食べるものとしては、フルーツを二かけらほど口にするだけでいいとおもう。昨日の手紙で、私が言ったことを覚えているかい。「朝のロードワーク(ジョギング)をはじめる前に、フルーツ(できればバナナ)を一かけら食べるといい」といったよね。

フルーツ

 ロードワークの後は、私の考えは、シャワーを浴びて、清潔にしたあと身支度を整えて、一日をスタートさせることが望ましいとおもう。そして、その後、昼食の前にまた、フルーツを一かけら食べることをすすめる。実際、毎日、最低、三回はフルーツをたべるべきだ。(もちろん、断食の日は除く)バナナやオレンジ、りんごなどを口にすることだ。
このようにして、カリウムをはじめ、ビタミン(そのたペクチンと呼ばれている、半セルロース状の物質など、すべて人間の体に良いものだ。)

 偶然にも、フルーツは人間にとって最高の食物であると本でよんだことがある。私は、そのことは事実だとおもうし、また、果物はアメリカ人にとっては、もっと食べる必要のある食物群であると、私自身確信している。

 母さんを見てごらん、他の人達もよく観察してみるといい。どれくらいフルーツをたべているかな?たぶん、ほとんど口にしていないとおもう。彼らは大切なものを接収していない。

 その一つの理由として、当然ではあるが、果物には、人間に必要な栄養素が多くふくまれていること。また、もう一つの理由としては、果物はある他の食品群とおなじように、自然のホウキのような役割をはたしているし、人間の体の中を清掃して調整してくれる。

とにかく、昨日、言ったように、今はちょっとしたウォーミングアップということで理解してくれ。このことに関しては、もう少し後の手紙で述べていくつもりだ。しかし、この手紙をよんでくれたなら、今すぐにでも「3かけらの果物」を毎日食べることをはじめてくれれば最高だな。

 さて、ボンド、何と言っても、君は今までで私が見てきた生徒の中でも最高の生徒だ。このようなことを君に教えることができることを本当にしあわせにおもう。もし、私の父(おじいちゃん)が私にこのようなことを教えることができていたらならなどと,今更ながらに考えてしまう。でも、ダムに水を注ぐようなものだとおもうけれどね。

 しかし、もしかしたら、私たちがここから伝統をスタートさせることができる。新しい「ハルバート家の伝統」だ。新しい世代(子孫)に父から子へと人生で学んだことを伝えていく、新しい世代に受け継がれていくということだ。

 どうだ、なかなかいいだろう。

 さあ、食べ物について、さらに話をすすめていく。ほかに何を食べるべきか? 一つ確かなのは、ブランタイプのシリアルを食べることだ。普通のスーパーなどで手に入るものの中では、グレープナッツのシリアルがたぶん一番いいだろう。健康食品のお店などでは、もっといいものがおいてあるはずだ。

ブランシリアル

 ところで、昨日、君に「ランニングの喜び」という本を手に入れてくれるように頼んだのを覚えているかい。もう2冊探してほしい本がある。「断食の奇跡」(ポールブラッグ著)と「あなたは混乱しているか?」(パウロアイロラ著)だ。健康食品店でこの2冊の本はおいているはずだ。

 はなしは変わるが、君に私が手紙を書くように君が私に手紙をかかなければなららいとかんじないでほしい。もちろん、できるだけ君から連絡がほしいのは事実だが、君はわたしのように本を書いているわけではないのだから、気楽にかいてくれればいい。
(罪悪感は、無用だ。)

 さて、少し休憩して、別の話でもしよう。ここには、年老いた雄猫、クラッカーズ(変な奴)と呼ばれているが、こいつは、横柄な猫だ。 ここには、小さな獲物がたくさんいるので、クラッカーズは、そいつらを捕まえては、そいつらと戯れている。

クラッカー

 たとえば、一週間ほど前になるが、私が、朝のジョギングをしていたとき、クラカーズをみつけた。ちょうど丘の上から降りているときに、クラカーズは子供のシマリスのような小さな動物を口にくわえていたんだ。この小さいやつは、とてもかわいくて、それで、正式名称が「アンテロープ グランド りす」であるということが調べてわかった。

リ ス

 とにかく、クラカーズは、このかわいらしい小さな生き物を口にくわえて、私のところまで運んできて、足元に落とした。その小さいやつは、そこで横たわっていたが、しばらくして、クラカーズは、前足で、そいつをツツキだした。そうすると、小動物は、目を覚まして、逃げようとする。クラカーズは、すぐに、もう一度、そいつを捕まえて、同じことを何度も繰り返す。どういうことかというと、この小さなやつが疲れはてて力がなくなるまで、口にくわえて運んで、落として痛めつけている。

 言い換えると、(別の言い方をすれば、)クラカーズが小さなリスを苦しめて命を奪うまで、小さなリスをただもてあそぶわけだ。他にクラカーズがやることといえば、リスを口にくわえて、空に向かって放り投げる。そして、空中にいるあいだ、まるでハンドボールをやっているかのようにもてあそぶ。

なんであれ、どんな場合でも、他のムショ仲間にこのことを話すと、「そうだな、愚かなクラカーズは、たんなるチンピラだよ。いつもここの猫たちからの残り物ばかりしかありつけない。 いつもクラカーズをいじめている黒猫が宿舎のある地区からやってくる。

この話のポイントはなんだと思う?
おそらく、一つだけではないと思う、でも「ヘラルドエグザミナー」読んだ記事の一説を思い出す。それは、誰が引用した諺(ことわざ)なのだが、

「正義は存在しない。力だけが存在する。」
今日は、これで終了だ。

愛をこめて、グッドラック

父より

はじめに
日本語バージョン1通目 11月27日 投稿 ← 日本語版
日本語バージョン2通目 12月4日   投稿
日本語バージョン3通目 12月11日 投稿

ここまで読んでくださり
本当に、ありがとうございます。

イナガキの他の投稿など → インスタグラムはこちら
ご質問やお問い合わせ・その他どうぞお気軽にインスタにDMください


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?