見出し画像

圧巻の是枝裕和監督『万引き家族』

是枝裕和監督『万引き家族』。
すごい。

観た直後はライトな印象ですが、時間が経つごとにどんどん存在感が大きくなってくる作品でした。

万華鏡のような虚と実、その上での関係性、それでもある手触り。
守るもの、守れないもの。
失うもの、捨てるもの。
求めるもの、離れるもの。

虚と実の押し合いへし合い。
小さな明日。

万華鏡でした。
圧巻です。

是枝監督作品の特徴でもあるのだけど、樹木希林の海辺でのシーンのような、演じている現場で起きるブレ(アドリブ)が、些細なものだけどとても有機的に扱われていて。
関係性において豊かなアンサンブルが生まれている作品だと思いました。
とても些細なブレの小さな積み重ねが作品の中で大きな役割を持っています。
まるでぼくたちの日常のように。

役者陣も素晴らしく、終盤、観る側を照射してくるシーンでの安藤サクラは本当にすごかった。
池松壮亮と松岡茉優との一幕も非常に短いシーンなのにとても胸に迫る。
まるでこの世界に二人だけしかいないような闇。

あと、やたら音楽がいいなあと思っていたら、エンドロールで細野晴臣と知って納得。エンドロールでの曲も素晴らしかったです。

いい映画でした。圧巻。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?